更新日: 2018.12.06 13:13
2019年トロロッソ・ホンダ入りが断たれた山本尚貴の今とこれから。「残念ですけど、今は夢を持ち続ける幸せを感じています」
タイトル獲得、そしてアブダビ訪問と慌ただしいスケジュールを過ごした山本。その後にはこれまで在籍したチームを離れて、別チームからスーパーフォーミュラのテストに臨むことになった。体力的な面だけでなく、心理的にもかなりのストレスが懸かった数週間になったに違いない。それでも山本はTEAM MUGENからダンデライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にチームを変えて迎えたテストをポジティブに捉えている。
「もちろん、来年ダンデライアンから走ることが決定したわけではないですし、今回はテストのチャンスを頂いた。僕はSF14のクルマになってからずっと同じチームの経験しかないですし、エンジニアの阿部(和也)さんとチーム無限と8シーズンずっとやってきたので、ちょっと外の世界を知りたい、体験してみたいという思いはありましたし、来年はクルマが入れ替わるのでSF14に乗る最後のチャンスということで、今回このようにダンデライアンさんに乗らせてもらえる機会を無限さんにもチャンスを頂いたので、すごく感謝しています」
「ダンデライアンさんはホンダの中でも強豪ですし、無限とはライバル関係でもあったので、もちろんクルマに興味はありましたし、実際にテストで乗せて頂いて、こういうクルマなんだ、こういう風に進めるんだと勉強になったので、またさらにドライバーとしてひとつ引き出しと経験値が増やせたなと感じています」と山本。
2019年のF1参戦の夢が絶たれた今、山本はどんなモチベーションで2019年を迎えようとしているのか。再びF1を目指して活動を続けるのか、それとも国内で同じチームで2連覇を狙うのか、それとも別のチームに移籍して、そこでまた2連覇を狙うのか。チームを移籍してのチャンピオン獲得は、まさにドライバーとしての実力証明の絶好のアピールとなる。
「来年、もしチームが変わるとなったらそれはカッコイイなと思いますけど、まだ来年、TEAM MUGENで2連覇を狙う可能性もありますし、別のチームに行っても速く走れればもちろんチームの力もありますが、どこのチームに行っても速ければドライバーとしての価値も上げられると思います。いずれにしても2連覇の権利を持っているのは僕だけです」
その先にもう一度、F1へ挑戦する気持ちはあるのか。
「当然、F1に行きたいと手を挙げたわけですし、乗りたいと言った身なので、F1に行きたいですと言い続けていればチャンスはあるかもしれない。F1を諦める時期が明確にあるわけではないですからね。ただ、自分の立場とポジションを踏まえて言うと、言い続けるにはやっぱりタイミングが遅い」