更新日: 2020.05.18 09:30
トップドライバーたちのバトルと戦略が激突! SFヴァーチャルシリーズは坪井翔が制す
一方、チェッカーに向けトップ争いも緊迫する。「フィニッシュまで足りる分を給油していたが、厳しくなっていた」という平川と坪井は、燃費を気にしながらの戦いを展開していたが、31周目に坪井が100Rでまさかのコースオフ。四輪脱輪として、まさかの0.5秒のタイムペナルティを受けてしまった。「今日は終わったな、負けレースだな」と坪井は一時は優勝をあきらめる。
しかしファイナルラップにまさかの展開が待っていた。「坪井選手の方がペースがいいことは分かっていましたが、自分のペースで走ろうと思っていました。しかし残り2周で燃料がもたないことに気づいて、そこからなんとかもたせようと思いましたが……」という平川が燃料不足でまさかのスプラッシュのピットインを行ったのだ。
これでトップに立ったのは坪井。同様に燃料が厳しくなっていたが、危なげなくファイナルラップを走りきりトップチェッカーを受けた。平川はなんとかコースに戻り2位を死守している。一方3番手争いはファイナルラップまで山下と大湯のバトルが続いていたが、大湯はこちらもまさかのガス欠となってしまいスローダウン。山下が3位でチェッカーを受けた。4位は関口、5位は石浦という結果に。福住が追い上げホンダ勢最上位の6位となった。なお、2019年王者のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は23周でハンドルコントローラーのペダルのトラブルにより、リタイアとなってしまった。
「スタートが肝心だと思いましたが、3番手に落ちてしまいました。ただそこでイン側を守っていたおかげで2番手につけることができ、その後ずっとトップ争いを展開できたと思います。作戦も分かれましたが、首位争いをしていたので1ストップを選択せざるを得ず、タイヤも燃料も厳しいなかで平川選手も速かったので、厳しいレースになりました」と坪井。
「最後は燃料も厳しく、ペナルティもありもう2位だろうな……と思いましたが、まさかあそこで平川選手がピットに入ると思いませんでした。タイヤと燃料を計算しなければならず、非常に難しいレースになりましたが、結果的に優勝できてすごく嬉しいです」
坪井のコメントにもあるとおり、現実のレースのように速さだけではなく、戦略も重要なレースとなった『JAF認定 スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ スペシャルラウンド』。現実かと見まがうばかりのグランツーリスモSPORTのグラフィックはもちろんだが、プロドライバーたちによる白熱のバトルと智略のレースが展開された。スーパーフォーミュラ関係者たちが力を合わせ作り上げたバーチャルバトルは、ファンをうならせるレースになったのではないだろうか。
レースは5月22日(金)からスーパーフォーミュラ公式Youtube、『The Race』でも配信される。
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JAF認定 スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ スペシャルラウンド
決勝レース結果
Pos. | No | Driver | Team | Engine | Time/Laps | Grid/Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 39 | 坪井翔 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | TOYOTA/TRD TRD01F | 46’44.241 | 2/1’24.135 |
2 | 20 | 平川亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | TOYOTA/TRD TRD01F | +5.358 | 4/1’24.537 |
3 | 3 | 山下健太 | KONDO RACING | TOYOTA/TRD TRD01F | +10.884 | 6/1’24.707 |
4 | 19 | 関口雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | TOYOTA/TRD TRD01F | +16.778 | 9/1’25.107 |
5 | 38 | 石浦宏明 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | TOYOTA/TRD TRD01F | +29.094 | 11/1’25.292 |
6 | 6 | 福住仁嶺 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda M-TEC HR-417E | +29.378 | 3/1’24.277 |
7 | 36 | 中嶋一貴 | VANTELIN TEAM TOM’S | TOYOTA/TRD TRD01F | +34.938 | 13/1’25.690 |
8 | 16 | 野尻智紀 | TEAM MUGEN | Honda M-TEC HR-417E | +35.485 | 5/1’24.603 |
9 | 4 | S.フェネストラズ | KONDO RACING | TOYOTA/TRD TRD01F | +35.632 | 12/1’25.317 |
10 | 18 | 国本雄資 | carrozzeria Team KCMG | TOYOTA/TRD TRD01F | +39.440 | 10/1’25.109 |
11 | 64 | 牧野任祐 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda M-TEC HR-417E | +43.282 | 7/1’24.923 |
12 | 65 | 大湯都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda M-TEC HR-417E | +1’02.602 | 1/1’23.939 |
13 | 12 | 道上龍 | ThreeBond Drago CORSE | Honda M-TEC HR-417E | +1’09.891 | 14/1’25.704 |
14 | 50 | S.セッテ・カマラ | Buzz Racing Team with B-Max | Honda M-TEC HR-417E | +1’10.762 | 16/1’38.358 |
R | 1 | N.キャシディ | VANTELIN TEAM TOM’S | TOYOTA/TRD TRD01F | +9Laps | 15/1’26.145 |
R | 7 | 小林可夢偉 | carrozzeria Team KCMG | TOYOTA/TRD TRD01F | +27Laps | 8/1’24.969 |