投稿日: 2020.10.17 20:42
更新日: 2020.10.17 21:19

動くか、動かざるか。日曜『いきなりアタック』勝負の極めて難しいアプローチ【SF第3戦SUGOプレビュー】


スーパーフォーミュラ | 動くか、動かざるか。日曜『いきなりアタック』勝負の極めて難しいアプローチ【SF第3戦SUGOプレビュー】

「明日の朝のコンディションに対してはなるようになるしかないんですけど、僕は今年は予選が常にQAなので(予選Q1で最初にアタックするグループ)、QAはあまり得意じゃないというか、自分のクルマは路面にラバーが乗ってきてタイムが上がってきたときにベストな状態になるようなクルマになっているので、QAよりはQBの方がいいなと思っています(苦笑)」

「そして、わざわざそのQAのコンディションに合わせてセットを変えて、またQ2に向けて本来のセットに戻してとやれるほど、今はまだ十分にデータが揃っているわけではない。ギャンブル的な要素が高くなってしまうので、今日(土曜日)の調子がいいから、そのセットのままQAに行った方がいいのか、路面コンディションが上がりきっていないのを見越してセットを変えて行った方がいいのか、そこはもう少しエンジニアとも話し合って明日の朝までに決めようと思います」と、予選への難しさを話す山本。

 山本にとっては、このSUGOは今シーズンのチャンピオンを狙う上で重要な一戦になる。今季は2戦を終えて5ポイント獲得のランキング10位に留まっている。

「これまでの2戦で大きな得点を獲れていないので、ここで大きなポイントを獲らないといけない。今季は有効ポイント制で7戦中5戦が有効になりますが、もう2戦はすでに落としたつもりでいるので、ここから全部勝つつもりでいかないと、タイトルは獲れないと思っています。そういう意味では、今回のSUGOは絶対獲らないといけないという気持ちはあります」と、SUGO戦へ背水の陣で挑む山本。

 予想が付けづらい今回のSUGO戦。そのなかでも注目したい若手ドライバーが前戦でスーパーフォーミュラは初優勝を果たし、スーパー耐久でも優勝、スーパーGTでもランキングトップと、ノリに乗っている坪井だ。この難しいコンディションのなかでの手応えはいかがなものか。そして、初優勝を果たしてからの変化はあるのだろうか。

「ドライ、ウエットともに感触は悪くないと思っています。赤旗が出たり、他のクルマのタイヤの状況がわからないので一概には言い切れないですし、セルモチームとしてもSUGOはちょっと苦手としているサーキットのひとつなのかなという印象がありますが、ちょっといい兆しが見えているのかなという手応えを感じられる練習走行でした」と、土曜日を振り返る坪井。

 前回の岡山で1勝を挙げたことで早速、自分自身の変化も実感しているようだ。

「やっぱり1勝することで自信になるし、視野が広がって落ち着いてアプローチできるようになったり、落ち着いて分析できるようになりました。一度成功すると、その成功を元に今までやってきてよかったもの、ダメだったものがハッキリする。今までは失敗しかなかったので(苦笑)、『トライ、トライ』という感じで、ドライコンディションでも去年はまったく予選Q3に進むことができなかった。成功を知ることで、失敗したときに『ここに戻らなきゃいけないんだ』という、戻る位置が明確に見えるようになった。そこはすごく大きいなと思います」と坪井。

 日曜の予選にむけては「前回は予選Q3でクラッシュしてしまったので、まずは予選Q3まで残って、そして予選Q3でタイム出しをきちんとできるように。予選のパフォーマンスをしっかりと見れるような状態を作っていかないといけないなと思います」と、抱負を話す坪井。

「決勝でもSUGOはなかなか抜けないと思うので、当然、予選のグリッドは重要になるので、予選Q3に行けば自ずと決勝でもいいレースができるようになると思うので、まずは予選Q3だと思います」と、予選の重要性を強調する。

 予想以上の低気温に、雨上がりでどのドライバーも未経験の日曜日朝イチの予選アタック。その時のコンディションに向けて、動くのか、動かないのか。ドライバーとエンジニアたちのアプローチがその運命を大きく分けることになる。

2020年スーパーフォーミュラ第3戦SUGO土曜日
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