投稿日: 2023.03.08 20:17
更新日: 2023.03.08 20:30

野尻&平川が漏らす“不安”と、共通して挙げるライバル。オーバーステア傾向のSF23と新タイヤが勢力図に影響か


スーパーフォーミュラ | 野尻&平川が漏らす“不安”と、共通して挙げるライバル。オーバーステア傾向のSF23と新タイヤが勢力図に影響か

 2022シーズンは2勝を挙げてドライバーズランキング3位となった平川。テスト2日目となった3月7日は29歳の誕生日ということで、チームがサプライズでケーキを用意し、ピット裏でお祝いする光景も見られた。

「今年の抱負は、健康に過ごすこと。あと、今年29歳になって、計算上では人生の半分はレースをやっているということになります。加えて、世界で戦える環境をもらえて、そこに感謝しつつ、引き続き世界の舞台でチャレンジしていきたいです。日本ではスーパーフォーミュラのチャンピオンが獲れていないので、気をさらに引き締めて、今年は獲れるように頑張りたいです」と平川。

 気になるSF23の感触については、想定していたほどの手応えは得られなかったようだ。

「想定していたより、あまり分からなかったというのが大きな印象です。限られた時間というのはみんな一緒ですが、その中でメニューを考えて、優先事項を決めてやりましたけど、なかなか想定していたところに行かなかったです」

「最後はその中でまとめた形(セッション4で1分36秒632を記録)ではありますけど、ネガティブではなくて、まだ良くなっていきそうな兆しはあります。次は富士でのレースになるので、そこに向けてしっかりと合わせていかないといけないかなと思います」

 SF23の特性ついて聞いてみると、「(SF19と比べて)ガラッと違うわけではないです。同じモノコックなのでそんなに変わらないところもありますが、SF23をうまく使おうと思うと、もうちょっと違うコンセプトを考えてやらないといけない印象ですね。それよりも違いを感じているのはタイヤです」と平川。

「新しいタイヤの使い方という意味で、2日目はいろいろとやったのですけど、思ったよりタイヤ(のグリップ)が減っていって、昨年まで良かったレースでの強さが、今のところ出なさそうなので、かなり不安です」

「2日目もロングランのテストをやろうとしたら赤旗が出たり、僕が飛び出したりしてしまったので、3周とか4周しか(連続周回が)できなかったです」と、テストでも試行錯誤はしたようだが、良い答えに辿り着かなかった様子だ。

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ公式合同テスト鈴鹿
平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ公式合同テスト鈴鹿

 本人も言うように、平川といえばここ数シーズン決勝でのレースペースに定評があり、昨年優勝したふたつのレースも、安定したペースを武器に逆転でトップチェッカーを受けている。

 今年もその傾向が続くかと思われたが、新パッケージになったことで流れも変わっているようだ。

「予選に関しては、すごく感触は良いかなと思っています。ニュータイヤを履いてショートランも安定して上の方にいられているのかなと思うので、そこは非常にポジティブです」

「ただ、レースの方はどちらかと言うと不安で、昨年とは逆になっちゃいました。他のチームとか見ていても、特に山本選手のロングランがすごく速かったですね。1分40秒台で周回していて、その領域は全然見えないです。なにか見つけなきゃいけないことはあるなと感じています」

 今年のスーパーフォーミュラは開幕前のテストが鈴鹿での2日間のみで、あとは富士スピードウェイでの開幕大会で行われるフリー走行が、予選前に走行ができる唯一の機会となる。

 そこについて平川は「(予選前のフリー走行は)90分しかないので、多分あっという間に終わってしまうと思います。そこでしっかりと合わせないと、富士は2レースあるので、(シーズンを考えると)かなり重要になります。やはり持ち込みのセットは非常に重要になってくると思います」と分析している。

「どうなるか分かりませんが、いろいろと想定してやるしかないです。今回も富士を想定して走ったりしたので、それらを踏まえて持ち込みのセットを決めないといけないなと思っています」と、手探り状態でシーズンスタートを切らなければいけない中でもベストを尽くすと、腹を括っている様子が垣間見えた。

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ公式合同テスト鈴鹿
平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ公式合同テスト鈴鹿


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