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投稿日: 2024.05.29 16:31
更新日: 2024.05.29 16:32

HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート


スーパーGT | HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート

HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.2 富士スピードウェイ

■日時 2024年5月3~4日
■場所 富士スピードウェイ
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉
■リザルト 予選23番手/決勝23位

復帰2戦目は厳しい展開に
データ不足による戦いで23位に終わるも、なお進化中!

 5月3、4日、静岡・スピードウェイにおいて、スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE』が開催された。2024年シーズン初戦で復帰を果たしたNo.25 HOPPY Schatz GR Supraは、予選23番手からスタート。3時間の長丁場を走破し、23位でチェッカーを受けている。

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 こんにちは、ホピ子です。怒涛のシーズンオフ、いや、“オフ”という言葉がまったくあてはまらないほどの多忙な時間を過ごした日々を経て、開幕戦岡山での戦いを終えたチームと一緒にガレージに“帰還”。これまでずーっと張り詰めていたものがちょっと緩んだというか、なんというか。いずにせよ、ホッとひと息ついたようなそんな感情が湧いていました。

 温かい目で見守ってくださったみなさんにとっては、どんな岡山戦でしたでしょうか? きっと『次の富士ではどんな走りを見せてくれるのだろう』と、さらに期待を膨らませておられたのではないかと思います。

 ですが、今回の富士は正直大変厳しい内容となってしまい、みなさんのご期待に応えることができずにレースを終えてしまうこととなりました。悔しい気持ちでいっぱいですが、次の鈴鹿に向けていろんなことが見えてきました。さらなる進化を目指し、気持ちを切り替えて次の一歩へ向かおうと思います!

 今大会中は初夏の天気で、本当に絶好のレース日和でしたね。まだ雪化粧が残る富士山も美しく雄大な姿を連日見せてくれて、すっごくパワーをもらった気がします。この季節ならではの富士山を眺めつつ、レースが開催されることに喜びを感じながら、まずは公式練習を走り始めました。公式テストでは天気があまり良くなかったし、目の前のことでいっぱいいっぱいのホピ子だったけど、昨年の8月のレース以来、富士でのレースに戻ってこれたことを改めてうれしく感じてましたよ。

 午前9時の時点で気温は18度、路面温度は24度というコンディション。そうそう、今回のレースは前回の300kmとは大きく変わり3時間レースなんです。えっ!? 3時間っていったい何キロ、何周のレースになるの? みなさん、そう思いますよね。ホピ子だってそうです(笑)。

 450kmレースだった昨シーズン第2戦の富士は、GT500クラスで100周、GT300クラスでは93周だったので、それをベースに考えると3時間で走行できるのは、GT300クラスだと108〜109周くらいだそう。復帰2戦目のホピ子は完走がファーストプライオリティだからどのくらい周回できるかなぁ、なんて考えつつ、そのあたりはチームのみんながちゃーんと誘導してくれるから、ホピ子はそれに忠実に走れるようがんばらなきゃ、と思ってました。

 おっと、話がそれちゃいましたね。3時間レースだから、何が言いたかったのかというと、レースでは第3ドライバーの登録が可能なんです。そう、つまり菅波冬悟くん、松井孝允くんに加えて、佐藤公哉くんもドライブするんです!

 というわけで、公式練習では、冬悟くんから孝允くん、そして公哉くんと順に乗り、そのあとまた冬悟くんと孝允くんがセッティングの調整を重ねていきました。終盤には孝允くんがアタックシミュレーションし、1分38秒463のベストタイムをマーク。24番手で走行を終えたのでした。

 予選、そして決勝の組み立てを進める一方、武士監督はというとなんだか厳しい表情をしていたのをホピ子は見逃しませんでした。確かにドライバーは走りにくそうな感じだし、思うほどタイムも出てなかったんです。走行を終えた冬悟くんが教えてくれたんだけど、今回ホピ子のフロントタイヤのサイズが変わっていたんです。岡山で装着したものより細くなったんだって。

 どうしてそうなったかというと、タイヤを4輪とも同じように温めたいからだそう。結果として変更したフロントタイヤのサイズはバッチリだったし、この考えで正しい方向に進めるっていう確信は取れたんだけど、それとは別の問題があったらしく。それは今年新しく投入されたタイヤとのマッチングなんだって。いずれにせよ、これからのレースに向けて、しっかりと見直しを進めていかなくてはならないことがハッキリしました。

 開幕の岡山もそうだったけど、このレースウイークも天気が良くて、清々しい晴れ間の下で走行できたホピ子はうれしかったものの、チームは予選、そして決勝に向けて厳しい現実を突きつけられてました。早い話、サーキットに持ち込んだタイヤが今回のレースに合わなかったようです。

 岡山戦のあと、チームはタイヤメーカーさんと念入りなミーティングを行って富士で投入するタイヤを決めたものの、『富士にはこのタイヤで大丈夫』というよりも『富士で検証しましょう』というコンセプトで持ち込んだタイヤだったようで。

 とはいえ、道具が決まっている以上、それをどうやって少しでもうまく使うかにフォーカスしなきゃいけないので、冬悟くんはじめ、孝允くんや公哉くんがとにかく持ち得る力を最大限引き出そうと懸命に努力してくれました。

 結果、Q1・グループBで出走した冬悟くんは1分37秒971、そしてQ2・グループ2でアタックした孝允くんは1分37秒886をマーク。合算で3分15秒857となり、ホピ子は23番手から決勝レースを迎えることになりました。

 冬悟くんは「今回はパフォーマンスを引き出して走るのは難しい。けど、戦えるレースになったときに繋がるよう、いろんなデータを集めているのも事実。苦しい状況のなかで戦っておくと、良くなったとき絶対ラクだから大変だけど頑張る!」ってすっごくポジティブに受け止めてました。

 孝允くんも「クルマ自体のセットアップは思いどおりに進んでいる。確かにタイヤに関するアジャストは結構あったし時間もかかったけど、決勝では僕たちの強みを活かした走りをしたい」と教えてくれました。

 富士の公式テスト以来のドライブになった第3ドライバーの公哉くんも、ドライコンディションの中で公式練習を走り、「クルマとタイヤのマッチングが良くないなかでレースを迎えますが、しっかり走ってバトンを繋げます」と約束してくれました。

HOPPY Schatz GR Supra GT
2024スーパーGT第2戦富士 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉)

 決勝日は5万4千人近いお客様がお見えになったそう。2日間で8万8400人! たくさんのファンの前でまたこうやってレースができる喜びを胸に、ホピ子も自然と気合いが入ります。午後1時30分のスタート時点で気温は24度、路面温度は40度。今回、コンディションの影響に加え、持ち込みタイヤとホピ子自体のマッチングが合っていないだけに、ホント、ドライバーの3人にはパフォーマンス的に十分といえないホピ子をドライブする必要があるようで……。

 スタートドライバーは冬悟くんが担当。開始から30分もしないうちにフルコースイエロー(FCY)がちょっとだけ導入される幕開けになったけど、意に介さず“我が道を行く”ホピ子と冬悟くん。1回目のピットインは、他のチームに先立って29周終わりに行ないました。ピットで待ち構えていたのは公哉くん。このとき、タイヤは4輪全部じゃなく左側2本だけを交換しました。ちょっとでもピット作業を短くしようっていう狙いもあったんです。

 難しいミッションを託された公哉くんは31周を担当して孝允くんにバトンをパス。そつのない走りを見せて……、いえいえ、コース上の公哉くん、ほんとーに大変だったんです。右側のタイヤは前日の予選Q1に装着して以来のユーズドタイヤ、一方の左2本はニュータイヤ。バランスが違ってるうえに、今回はホピ子とタイヤの“マッチング問題”があるわけです。

 公哉くんはとにもかくにもタイヤに負荷をかけないよう、コース上のGT500車両はもちろん、上位争い中のGT300車両にも気をつけながら安全運転第一に周回を続けてくれました。タフなミッションを十分にやり切ってピットに戻ってきた公哉くん。ホピ子の右リヤタイヤの一部はもう“完全摩耗”でしたが、その分、有益なデータが取れました。

 2回目のピットでは“フルサービス”を行い、孝允くんがコースに向かいました。レースはまだ残り3分の1以上残ってます。気温23度、路面温度37度と少し下がってはいますが、もともとマッチングしていないタイヤをコントロールしなければならないことに変わりはないので、ハードワークといえます。

 でも、この厳しい状況で見えたものを今後の戦いにどう活かしていくかによって、ホピ子の進化が加速すると思えば、とにかくしっかり走ってチェッカーを受けるんだ! という強い意思が働きます。気の抜けない周回を続け、孝允くんが無事にゴールへと導いてくれたのでした。3時間・106周のレースを23位で終えたホピ子。富士でわかったいろんなことを、次の鈴鹿、この先の戦いに反映していきますよぉ!

 このレースウイークを通じて、問題点の究明、対策など限られた時間のなかでも最善を尽くし、3時間レースに臨んだことで、またみんなの気持ちが強くなり、より結束力も生まれたと思います。さらに進化したホピ子を、鈴鹿に観に来てくださいね!

HOPPY Schatz GR Supra GT
2024スーパーGT第2戦富士 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉)

■レースを終えて
菅波冬悟

「今回のレースは岡山ラウンドからマシンのアップデートを施しての走行となりました。また、岡山で得たデータをもとにさらなるベースアップを目標として挑みました」

「マシンのアップデートは良い方向に進んでいたものの、他の要素によりペース不足に悩まされるレースになりましたが、次からのレースにつながるデータも多く得ることが出来たのでポジティブなレースでもありました」

「チーム一同、少しでも速く、少しでも上の順位を獲得出来るように日々戦っておりますので、次戦も変わらぬ応援をよろしくお願いいたします。今大会も応援ありがとうございました!」

松井孝允

「今回のレースは長丁場でしたが、ドライバー、チームともにミスなく完走できたので嬉しく思います。とはいえ、これから優勝を目指していくには厳しい現状を受け止めて、これからのレースを、ドライバーとしてもレベルアップして、チーム、そして相方の菅波選手、佐藤選手と共に上位を目指します!」

「たくさん応援に駆けつけて下さった皆様、ありがとうございました!次の鈴鹿はもっと上位で戦う姿を見せたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」

佐藤公哉

「今大会もたくさんの応援をありがとうございました! アクシデントなく完走することができました。私自身、昨年のアクシデントから久々のスーパーGTでのレースでしたが、感覚をすぐに思い出してドライブすることができました」

「展開としては厳しいレースになりましたが、ここから多くのことを吸収して菅波選手、松井選手、チームの皆さんと共に最善を尽くしていきます。私もここからさらにリザーブドライバーとしても、もっとチームの役に立てるように頑張ります! 次戦鈴鹿も引き続き応援よろしくお願いいたします!」

土屋武士監督

「富士ラウンド、たくさんの応援をありがとうございました! 応援旗やステッカーを持ってこられる方が多く、本当に皆さまの支援には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございましたm(__)m」

「今回のレースは非常に厳しかったですね。開幕戦でかなりのポテンシャルがあることを確認できたので、この富士ではさらに上位へとアップデートも盛り込み、期待してサーキットに入ったのですが、やはり昨年レースを休んでしまっていたことと、オフシーズンにちゃんとしたテストができなかったことが響いてしまったと思います」

「選択したタイヤが今回のコンディションに合いませんでした。昨年実績のあるコンパウンドで今年の構造とのマッチングをしっかり確認しようと、ヨコハマタイヤさんと開幕戦後にミーティングして選んだタイヤでしたが、予想以上に合いませんでしたね」

「とはいえ、しっかりと検証ができたことは非常にポジティブですし、今後のタイヤ選択に迷いなく進めることが出来るはずなので、次戦以降は期待できると思います」

「それよりも、昨年この富士で止まってしまった時計の針が、チェッカーを受けたことでまた動き出すことができたと感じています。また多くのファンの皆さまと一緒にチェッカーを受けれたことがすごくうれしいです。ひとつ大きなハードルを越えられた、そんな気持ちです」

「今回のレースを糧に、着実にステップアップできるように、チームみんなで成長していきたいと思います! 応援してくださる皆さまと、もっともっとたくさん喜べるような結果を出せるように頑張っていきますので、次戦以降も応援のほどよろしくお願いいたします!!」

HOPPY Schatz GR Supra GT
2024スーパーGT第2戦富士 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉)


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