スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.06.04 18:58
更新日: 2024.06.05 19:05

D’station Racing 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート


スーパーGT | D’station Racing 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2024.6.3

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2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 3 SUZUKA GT 3Hours RACE

JUNE. 1 – 2 Qualify :1st / Race:1st

ポール・トゥ・ウイン! ついにSUPER GT初優勝を飾る

 SUPER GTに2024年から復帰を果たしたD’station Racingだが、岡山での第1戦、富士での第2戦とも速さは垣間見せてきたものの、タイヤのトラブルに悩まされてきた。チームではそんな状況を打開すべく、第2戦の直後に鈴鹿で行われたテストに1日のみながら参加。これが6月1日(土)〜2日(日)に行われた第3戦に向け、大きな意味をもつことになった。

 迎えた第3戦の予選日となった6月1日(土)は、晴天のもと午前9時45分から公式練習がスタートした。事前テストでのフィードバックをもとに製作されたダンロップタイヤを履きコースインした藤井誠暢は、さっそく走り出しから好感触を得る。以前から鈴鹿に憧れていたチャーリー・ファグも、テストで鈴鹿を経験していたことで早々にペースを掴むと、ふたたび藤井に交代。この公式練習では藤井が記録した1分58秒424というベストタイムで3番手につけた。

 晴天のまま午後3時から行われた公式予選では、Q1のB組から出走した藤井が魅せた。午前の好感触そのままに4周目にアタックを敢行すると、1分57秒894という驚異的なタイムを記録。トップでQ2のファグに繋いだ。さらに、Q2ではファグがきっちりと1分58秒296を記録し2番手に。合算タイムで3分56秒190を記録し、D’station RacingとしてSUPER GTにおける初めてのポールポジションを獲得してみせた。

 6月2日(日)の決勝に向け、最前列につけることに成功したD’station Vantage GT3だが、心配だったのは雨。今季、ウエットコンディションでのレースがまだなく、どんな展開になるのかチームも想像がつかなかったのだ。実際、レース前のウォームアップでは雨が舞ったが、幸いスターティンググリッドでは晴れ間も差し、路面は乾いていった。

 D’station Vantage GT3は藤井がスタートドライバーを務めたが、午後1時48分に決勝レースの火ぶたが切って落とされると、序盤からプッシュ。2番手につけていた#61 BRZとのギャップを築いていく。タイヤのパフォーマンスに自信はあったが、やはり少しでもタイヤは労りたい。藤井はある程度までリードを広げるとペースを切り替え、タイヤを労りながら高いアベレージを保つ走りに切り替えていった。

 一時雨は舞ったものの、ドライのままの決勝となったことがD’station Vantage GT3のレースを後押しした。藤井は10周で3秒以上のリードを築き、29周を走りファグに交代。ピット作業の間に、序盤から追い上げタイヤ無交換作戦を敢行してきた#31 LC500h GTに先行を許したものの、ファグは冷静にフレッシュタイヤのパフォーマンスを活かすと、ジワジワとギャップを縮め、45周目のスプーンカーブで冷静にオーバーテイク。ふたたびリードを広げていった。

 ファグは61周目にピットインを行い、ふたたび藤井にステアリングを託した。序盤から好ペースで追い上げ、最終スティントにタイヤ無交換作戦を行ってきた#2 GR86 GTが2番手に続いてきたものの、終盤には大きなリードを築くことに成功していた。藤井は64周目、2分00秒290というファステストラップを記録すると、ふたたびタイヤを労りながら周回を重ね、85周を走破。D’station Vantage GT3はGT300クラスのトップでチェッカーフラッグを受けた。

 藤井にとっては9勝目だが、自らともに立ち上げたD’station Racingにとっては初めての優勝。これまでSUPER GTでの挑戦の中では何度もトップに迫りながら、悔しい思いもたくさんしてきた。それはチームも同様だったが、今回はまさにパーフェクトなポール・トゥ・ウイン。「勝つときはこんなものですね」というのはチームの歴史を紡いできた首脳陣全員から聞かれた台詞だった。

 ついにその歴史を切り拓いたD’station Racing。しかし目指す高みはまだ先にある。初優勝に驕ることなく、チームはさらに前進していく。

D'station Racing 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
2024スーパーGT第3戦鈴鹿 D’station Vantage GT3

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COMMENTS:

Team Owner:Satoshi HOSHINO
ようやくポディウムの頂点に立つことができました。感無量です。公式練習からクルマが速く、上位進出はできるとは思っていましたが、ポールポジションを獲得することができました。決勝レースでも、なんとかその位置をキープしたいと逃げ切りを狙っていたものの、うしろからタイヤ無交換作戦のクルマなどがあり緊張しました。しかしなんとか作戦どおり逃げ切ることができ、最後は大きなリードを築くことができました。本当、勝つときはこんなものなのかな、と感じますね(笑)。レースというのは面白いものです。次戦は真夏の富士ですが、タイヤも問題がありませんでしたし、次も上位を狙いたいです。この勢いをチームとして良い流れにして、他シリーズにも繋げたいですね。

Director:Kazuhiro SASAKI
本当にすごいレースになりました。素晴らしい結果で、非常にうれしいです。開幕戦からずっと良いタイムは出ていたので、クルマに速さがあるのは分かっていたのですが、いろいろなことがありましたからね。でも、その悔しい思いからチームのみんなが頑張ってセッティングして、クルマを良くしてくれたことがこうしてポールポジション、そして優勝という結果に繋がったので、本当にチーム全員で勝ち取った勝利だったのではないかと思います。今までは2位表彰台がいちばん最上位でしたから、優勝する日を心待ちにしていましたが、勝つときはこういうものなんだと思いましたね。本当にすべてがうまく運んだレースウイークになりました。

Supervisor:Tetsuya TANAKA
今年からチームに加わり今回が3戦目ですが、事前にテストを行い、ダンロップさんが良いタイヤを作ってくれたおかげで、こうして3戦目で優勝をすることができました。第2戦までも歯車が噛み合えばと思っていたのですが、今回はクルマが持ち込みからすごく良い状態だったと思います。ドライバーふたりもタイヤも、チームも完璧な仕事をしてくれました。勝てるときはこうしてあっさり勝てるんですよね。でも、そこで勝ちを拾うことに価値があります。僕はチームの歴史をすべて観てきたわけではありませんが、やはり自分にもプレッシャーはあったので、優勝という結果を残せて少しホッとしています。これをきっかけにチームがもっと強くなっていければと思っています。

Driver:Tomonobu FUJII
今回は走り出しからフィーリングが良く、タイヤも構造などを見直してもらったものがすごく機能していました。またセットアップも改善しており、タイヤが良いパフォーマンスのまま持続できるという自信はありました。とはいえしっかりマネージメントしなければならないので、序盤プッシュしながらもマネージメントしていきましたが、良いペースでギャップを広げられました。勝てるときはこういう感じなんですよね(笑)。今回はいろいろなものが噛みあった印象です。自分自身は2016年以来の優勝ですが、D’station Racingとしてなかなか勝てそうで勝つことができなかったですし、チームとしてのタスクをひとつこなすことができたので、そういう意味では良かったですね。

Driver:Charlie Fagg
最高の気分だよ! 僕は子どもの頃からSUPER GTを観ていたので、そんなレースで勝つことができたんだからね。前戦の富士では素晴らしいペースがあったけど、残念ながら結果を出すことができなかった。でも、ずっとレースをしてみたかった鈴鹿という場所に来ることができ、こうして勝利を収めることができて本当にうれしく思っているよ。レースではバトルもあったけれど、僕としては確実にオーバーテイクできるようにしていたんだ。クリーンで、お互いに敬意を払う良いバトルができたんじゃないかと思っているよ。こんな素晴らしい機会を提供してくれたD’station Racing、藤井サン、チームのみんな、FRESH ANGELSのみんな、ダンロップタイヤに感謝している。

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