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投稿日: 2024.08.04 00:13
更新日: 2024.08.04 00:15

GT300の9チームに聞く第4戦予選日トピックス。初予選2番手/大幅セット変更/今年一番の可能性/注目の天候etc.


スーパーGT | GT300の9チームに聞く第4戦予選日トピックス。初予選2番手/大幅セット変更/今年一番の可能性/注目の天候etc.

■山内英輝「もうイケイケゴーゴーしかない」──SUBARU BRZ R&D SPORT

 2024スーパーGT第4戦富士では、開幕戦以来のQ1アタッカーを担当したSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝。

 今回の予選はコース上のオイル処理の影響もあり、通常のタイム合算方式ではなく“Q2タイムのみ”の結果が予選結果として採択される。これについて山内は「急に変わったので『なんでやねん!』」という感じを受けたというが、13台が出走したQ1B組で1分38秒195のトップタイムを記録した。

「うまく合わせ込むことができて良かった」との言葉どおりの走りを披露した山内だったが、Q2を担当した井口卓人は1分38秒530で9番手となった。

 決勝レースに向けては「追い上げといいますか、もうイケイケゴーゴーしかないです。うまくハマっていけるように、アベレージタイムを上げていけるような走りを見つけて、明日に挑みたいと思います」

■藤波清斗&塩津佑介が感じる「今年一番」の可能性──マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号

 予選結果としては13番手に終わったものの、藤波清斗がステアリングを握ったQ1A組では14台中の2番手につけたマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号。

 藤波は「(調子が)いいことは分かっていましたが、思っていた以上に良かったです。周りも速いですけど、僕のアタックはタイミングと位置取りが良くて、スリップストリームを使うこともできました」と予選を振り返る。

「正直に言って、感覚的にQ1は通るだろうと思ってましたけど、まさか2番手はまでいくとは思わなかったです。決勝は、自分たちはそこまでタイヤの心配はないので、チャンスがあればけっこう前にいける可能性を今年いちばん感じています」

 一方の塩津は「今持っている力は出したかなと思っています。それでも藤波選手のほうが速いので、そこは自分に足りていないと素直に感じています」と語る。予選後にはデータロガーを熱心に研究する姿もみられた。

「でも、レースを重ねるごとに感触が良くなってきていますし、今回は暑いですけど、レース距離は短くなったので、トラブルなくレースを進めることができれば、いいところにいけるんじゃないかと思います」

 ちなみにマザーシャシーでよく耳にする“暑さ”については、ふたりともやはり大きな影響を感じてる様子。ただ塩津にとっては「すごく勉強になるクルマで、レースを重ねるごとに運転がうまくなってることをすごく感じるので、本当に最高の味方」のマシンになっているという。

■僅差でロワーグループに。ここがGT300の難しさ──muta Racing GR86 GT

 ランキング首位につけるmuta Racing GR86 GTは、まさかのQ2アッパー(上位)グループ進出はならず。ロワー(下位)グループのQ2で2番手につけ、総合では18番手となったものの、苦しいグリッドであることは間違いないだろう。決勝に向けて挽回策があるかを渡邊信太郎エンジニアに聞くと「そこなんですよね(笑)」という。

「今回は350kmなので1ピットとなりますが、戦略面では幅が狭い。イコール、予選順位が重要だったんです。そのなかでQ1で失敗してしまったのが大きいですね」

 Q1では平良響がアタックしたが、セクター3でややタイムを落としてしまう。「クルマのバランスとしても、乗りにくいバランスだったようで、そこは彼にも申し訳なかったです」と渡邊エンジニア。そしてこの気温/路面温度の高さのなかでのバランスが影響してしまったのではないかとも推測する。

「逆に言うと、Q1を突破してしまえばトップ10に行けた可能性もありました。そこを失敗してしまうと18番手になってしまうのがGT300の難しさだと思います」

■気温、路面温度が今日は“下振れ”せず──Green Brave GR Supra GT

 muta Racing GR86 GTと同様、19番手と予選下位になってしまったのがランキング3位のGreen Brave GR Supra GT。この富士では何度も表彰台に立っており、今季第2戦の決勝も3位だった。

「限界までトライしたのですが、Q1の2回目のアタックで四輪脱輪をとられてしまって。でもタラレバで『通っていました』というのもカッコ悪いので、まあ今の実力ですね」というのは近藤收功エンジニアだ。muta Racing GR86 GT同様、僅差をモノにできなかったことでQ2はロワーグループとなってしまった。

 決勝に向けては、やはり下位からのスタートということで「かなり厳しいです」とこちらも苦しい状況の様子。その巻き返し策については「スーパー耐久第3戦オートポリスでもやりましたが、可能性はあると思っていただいて良いかと思います。明日やるかどうかは分かりませんけどね」と“いつものあの作戦”を匂わせた。

 そして近藤エンジニアは、タイヤについての気温、路面温度の関係について興味深い分析を明かした。「今日の予選は路温が50度近かったですよね。昨年もそうだったのですが、鈴鹿など夏の本当に暑いときは、他メーカーはタイヤもしっかり発動して、本来のGT3の速さがあったと思うんです」という。

「昨年のSUGO、オートポリスでウチ、もしくはブリヂストン装着車が上に行ったのは、正直気温と路面温度が“下振れ”するなかで、ブリヂストンはしっかりとタイヤを温められ、しっかり使えていたからだと思うんです」

「我々が速かったのではなく、温度が“下振れ”することで他メーカーさんが本来の性能を発揮できなかったのが昨年の結果だったと思います。今日もそれを期待していたのですが、やはり暑くなると、他メーカーさんが元気になりましたよね」

 実際、グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡が期待するのは「暑い」コンディション。こう比較すると、近藤エンジニアの分析は合点もいく。暑くなるか、寒くなるか……。決勝日のコンディションは要注目だ。


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