D’station Racing 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
D’station Racing
Race Report – 2024.9.25
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2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 6 SUGO GT 300km RACE
SEPTEMBER. 21 – 22 Practice ：3rd / Race：3rd
難コンディションを制し3位に。今季二度目の表彰台獲得
第3戦鈴鹿での優勝、そして第4戦での4位と、2戦連続の上位獲得で好調なシーズンを続けているD’station Racing。ただ、優勝を飾った地である鈴鹿での第5戦が8月に予定されていたものの、台風10号の接近で延期が決まってしまった。そのため、2024年のSUPER GTは約1ヶ月半のインターバルを経て、9月21日（土）〜22日（日）に行われたスポーツランドSUGOでひさびさのレースを迎えることになった。
D’station Vantage GT3は7月に行われたテストでこのSUGOを走っているが、その際は藤井誠暢ひとりの走行で、チャーリー・ファグにとってはコース自体が初。走行初日となった9月21日（土）の公式練習から少しでも走行時間を稼ぎたいところだったが、この日のSUGOは前日からの予報どおり雨となった。
午前9時15分から行われた公式練習のコンディションはフルウエット。D’station Vantage GT3は藤井がステアリングを握り、タイヤの比較を行いながら走行を進めた。
一方で、この公式練習では各チームが気にかけていることがあった。この日は午後にさらに雨量が増すことが予想されており、もし予選がキャンセルになった場合、公式練習のタイムがグリッドになることが前日に説明されていたのだ。
まだ午後の天候は分からなかったが、藤井は雨量がやや少なくなったタイミングでうまくコースイン。1分30秒153を記録してみせた。結果的に6回もの赤旗中断となる荒れた公式練習だったが、藤井がタイムを出した後はファグがドライブし習熟を進め、藤井のタイムでD’station Vantage GT3は3番手につけ公式練習を終えることになった。
その後、SUGOは一時雨脚が弱まることがあったものの、午後2時45分からの公式予選は天候の回復が望めずキャンセルに。翌日も午前は雨が強い予報が出ており、結果的に公式練習のタイムがグリッドに採用されることになった。D’station Vantage GT3は、3番手グリッドを得た。
秋雨前線の影響は、決勝日となった9月22日（日）も続いた。朝から強い雨が降り続き、一時は決勝レースも危ぶまれるほどだったが、リスケジュールを経て午後2時22分にレースの火ぶたが切って落とされた。
スタート進行を前に雨は小康状態となっていたことから、路面は少しずつ乾いていく方向だったが、そんななかD’station Vantage GT3は藤井がドライブし、1周目に2番手に浮上。その後ライバルのタイヤがパフォーマンスを発揮し4番手に後退するも、好ペースで序盤のレースを進めた。
ただ、クラッシュ車両の発生で導入されたセーフティカーランの際に、思わぬトラブルが起きた。シフトがうまく入らないトラブルだ。隊列を整える間、藤井はクルマを再始動させ、一時はトラブルが解消するが、リスタート後の馬の背コーナーで、ふたたびギアが抜けてしまう。藤井はハーフスピン状態に陥ったが、冷静に対処し、クラッシュなくほんのわずかなポジションダウンでコースに復帰してみせた。
チームはふたたびセーフティカーが導入されそうなタイミングでピットインし、ファグに交代。ここでコンディションに合わせ、スリックタイヤを履いていく。路面が乾くなかファグは初めてのSUGOでのレース、スリックと初物づくしの中、好ペースで走行。68周目には前を走る#7 BMWをオーバーテイクする活躍をみせた。
最終的に規定どおりの周回数で行われた決勝レースで、D’station Vantage GT3は最後は3位でフィニッシュ。表彰台を獲得した。今季二度目の表彰台で、藤井とファグはドライバーランキングでも3位に浮上した。
第5戦の延期にともない、シリーズは残り3戦。やや点差はあるがチャンピオンは十分射程圏内だ。D’station Racingはタイトルを見据え、さらなる上位を目指していく。
COMMENTS：
Team Owner：Satoshi HOSHINO
スポーツランドSUGOはもともとあまり得意な印象がなかったので、ポイントを獲ることができれば上出来かとも思っていたのですが、公式予選がキャンセルになったことで、3番手からと良い位置でレースを戦うことができました。雨の影響でレースができるか心配したものの、無事に開催することができましたし、レースも順当に戦うことができ、無事にスターティンググリッドどおりの3位でフィニッシュすることができました。この状況のなかでの最高の結果になったのではないでしょうか。この結果でランキングも3位になることができましたし、次戦に向けても期待ができると思っています。雨のなかでしたが、今回もたくさんのご声援ありがとうございました。
Director：Kazuhiro SASAKI
土曜から本当にひどい雨でしたね。日曜も朝からレースができるとは思えないくらいで、ファンの皆さんもずぶ濡れで心配になりましたが、なんとかレースができて良かったですよ。そんな雨に祟られたレースウイークでしたが、公式練習からチーム全体がしっかりと天候に対応してくれましたし、藤井選手もチャーリー選手も本当に素晴らしい走りをしてくれたと思います。レース中のシフトトラブルには肝を冷やしましたが、藤井選手の冷静な対処はさすがでしたね。ファグ選手も初めてのコースを感じさせない戦いぶりでした。今年はこれで二度目の表彰台ですが、チームの本来の実力が出せていると思います。この調子をしっかりキープして次のオートポリスも戦いたいですね。
Supervisor：Tetsuya TANAKA
展開もすごく良かったですし、事前のテストの内容から適切なタイミングで適切なことができた結果だと思います。チームも状況に対してしっかり対応してくれましたし、ドライバーも出し切ってくれたレースだったのではないでしょうか。決勝に向けて、チャーリー選手がぜんぜん周回数が足りない状況でしたが、すぐにタイムを出してくれましたし、初めてのスリックタイヤで冷静に、素晴らしい仕事をしてくれたと思います。評価も上がったのではないでしょうか。次のオートポリスはクルマは合っているのではと思いますが、3時間レースで、気温が読みづらいところもあります。タイヤの持ち込み本数も今年は難しいので、しっかり準備をしていきたいと思っています。
Driver：Tomonobu FUJII
決勝では路面が乾いていく方向で硬めのタイヤでスタートし、序盤に2番手に上がりましたが、ライバルが速く4番手を走ることになりました。水量が減ってもダンロップさんのタイヤのパフォーマンスがすごく良かったですね。ただ、セーフティカーラン中でギヤが入らなくなるトラブルが出てしまって。かなり焦ったのですが、再始動して一度は直ったものの、リスタート後再発して、馬の背でいきなり駆動が抜けて。なんとか落ち着いて対処することができました。ピットタイミングも良く、チャーリーもペースが良かったですね。今日の3位という成績は、ある意味拾ったようなものですが、これでランキングも3位になりました。残り3戦もしぶとく戦っていきたいと思います。
Driver：Charlie Fagg
まずはチームに本当に感謝しているよ。すごく難しいコンディションで、ドライバーにもクルマにもタイヤにも試練のレースになった。それに僕にとってはSUGOのレースも初めてで、決勝では初めてスリックタイヤで走ったくらいなんだ。簡単なことではなかったけれど、楽しかったよ。完走することができて満足しているくらいなので、表彰台はボーナスに近いんじゃないかな。もちろん次のオートポリスも僕にとっては初めてだ。今年は富士しか知らなかったんだからね。たくさん学ぶことが多いけど、SUPER GTは本当に楽しい。次のトラックも楽しそうだし、藤井サンのシミュレーターでたくさん準備していきたい。コースが自分たちのクルマに合うことを願っているよ！
