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投稿日: 2024.10.22 01:34

D’station Racing 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート


スーパーGT | D’station Racing 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2024.10.21

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2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE

OCTOBER. 19 – 20 Qualify :3rd / Race:5th

変則スケジュールの混戦を耐えきり納得の5位入賞を果たす

 2024年のSUPER GTも残すところ3戦。第6戦SUGOでは3位表彰台を獲得し、シリーズランキングでも3位に躍り出た藤井誠暢/チャーリー・ファグ組D’station Racingにとって、迎えた第7戦は、シーズン終盤の重要な一戦だ。

 そんなレースの舞台は大分県のオートポリス。アップダウンに富んだレイアウトとタイヤに厳しい路面が特徴で、しかも今回は3時間の長丁場だ。いかにタイヤを活かすかが勝負の分かれ目にもなる。10月19日(土)の公式練習からどうクルマとタイヤを仕上げるかが問われた。

 ただ、迎えた予選日のオートポリスは、朝から雨模様となってしまった。山の天候は移ろいやすく、深い霧が流れていく。時折雨脚が強くなれば視界はクリアになったが、またすぐ霧が立ちこめる状況で、午前9時20分からの公式練習は、たび重なるディレイを経てキャンセルとなった。

 その後オートポリスの天候は回復したものの、午後2時50分からの公式予選を前に、ふたたび天候が悪化した。今度は霧ではなく雷雨。滝のような雨によりコース上は水が横切り、土砂も流出。さらに落雷の危険もあり、サポートレースのディレイ中にその後の走行はすべてキャンセルに。公式予選は10月20日(日)午前8時から30分間の計時方式で争われることになった。

 明けた予選・決勝日のオートポリスも、早朝はまだ霧が立ちこめている状況で、路面はまだうっすらと濡れていた。幸い午前8時からの公式予選は定刻どおり行われることになった。

 D’station Vantage GT3の予選を担当したのは藤井。まだ路面が濡れている状況で、藤井はウエットタイヤを履きコースイン。ただ、コース上のトラフィックもあり、一度待ってからスリックを履いてアタックを展開していった。しかし藤井がアタックを行った際に他車のアクシデントがあり、赤旗中断となってしまう。

 再開後、藤井は再度アタックを展開。コンディションをうまく読み、最後に1分47秒176までタイムアップ。藤井の経験が活き、3番手につけることになった。

 予選終了後、ピットウォークやウォームアップ走行などのスケジュールを慌ただしくこなし、迎えた午後1時20分からの決勝。オートポリスはその間にコンディションが回復しコースはドライとなったが、まだ風が冷たく気温が低い。そんななか、スタートドライバーを務めた藤井はタイヤの温まりの良さを活かし、1周目からいきなり首位に躍り出た。

 ただ序盤から、コース上のカスがタイヤ表面についてしまうピックアップという症状に悩まされはじめた。藤井のペースはやや落ち、後方からのプレッシャーにさらされる。11周目には2番手、さらにその後も後方を防ぐ戦いを強いられた。

 レースはその後、GT500車両のアクシデントが起きセーフティカーが入るが、藤井はそのセーフティカーラン明けにピットイン。オートポリスでの初レースとなったファグに交代した。

 交代後も再度セーフティカーが入るが、再開後ファグは10台ほどの激しい3番手争いを戦っていった。初走行とは思えない堂々たるバトルを戦い抜いていったファグは、3回目のセーフティカーラン明け、38周を走りピットへ向かった。

 ただ、このセーフティカーランのタイミングはD’station Vantage GT3にとってやや不利なもの。交代した藤井は9番手となるが、その後オーバーテイク、他車のピットインやクラッシュもあり、5番手まで浮上することになった。

 最後はアクシデントによる4回目のセーフティカーランのままチェッカーを迎えることになったが、フィニッシュ直前、わずかなトラブルに見舞われるシーンもあった。しかし、藤井はとっさの対応でD’station Vantage GT3をゴールまで運んでみせた。展開がすべて有利には運ばなかったが、耐えて掴んだ5位入賞に、チームメンバー全員が満足げな表情を浮かべた。

D'station Racing 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
2024スーパーGT第7戦オートポリス D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)

COMMENTS:

Team Owner:Satoshi HOSHINO
公式予選から3番手という好結果で、さらなる上位を狙うことができるかと思っていましたが、現実はそこまで甘いものでもないので、『5位くらいに入れれば』と思っていました。結果はそのとおりになりましたね(笑)。難しいレースウイークのなかで、上々な成績になったのではないでしょうか。チームもノーミスでしたし、ドライバーふたりも良い仕事をしてくれたと思います。これでランキングは4位に後退しましたが、首位とのポイント差は縮まっています。次戦もてぎはそれほど得意ではないものの、優勝した鈴鹿を最終戦に残していますからね。あと2戦、なんとか諦めずにチャンピオンを狙って欲しいと思っています。今週もたくさんのご声援ありがとうございました。

Director:Kazuhiro SASAKI
序盤から上位を争う展開となりましたが、残り1時間ほどのタイミングでのセーフティカーが我々にとってはうまくはまりませんでしたね。それがレースですし、勝負は時の運ですよね。しかし、そうやってすべてがうまくいくわけではない展開のなかでも、しっかりと5位まで追い上げてくれたのは、ふたりのドライバー、チームの頑張りの結果だったのではないでしょうか。シーズンも残り2戦となりましたが、勝負をかける時になりましたよね! レースをやっている以上、トップを獲らなければ仕方ないですから。次戦のもてぎはもちろん頑張って欲しいですが、最終戦の舞台となる鈴鹿サーキットは我々が得意とするコースですからね。そこに期待したいと思っています。

Supervisor:Tetsuya TANAKA
いろんなことがあったレースでしたよね。なんとか5位で耐えることができたのは非常に良かったのではないでしょうか。残り1時間のタイミングでのピットインは、ふたりのドライバーの乗車時間規定もあったので、我々にとっては先に入るわけにはいきませんでした。ただ他のライバルもピットインしていなかったチームも多かったので、その点は我々にとってもラッキーだったと思います。レース中、いろんなことを耐えてくれた藤井選手、ファグ選手の頑張りがこの結果に繋がった要因ではないでしょうか。チームもミスなく戦ってくれたと思います。フィニッシュ前の小さなトラブルなど、ヒヤヒヤすることもありましたが、チームみんなで戦い抜けたと思っていますね。

Driver:Tomonobu FUJII
予選ではダンプコンディションでしたが、最後にスリックタイヤを履いたタイミングが良くて、3番手につけられたことは良かったです。レースでは1周目、ウォームアップが良くトップに立つことができましたが、タイヤと路面のピックアップとの相性があまり良くなく、かなり苦しい戦いになってしまいました。序盤から後方を抑えるレースになりましたし、途中電気系のトラブルなどもあったので、難しいレースだったと思います。しかしチームも完璧な仕事をしてくれましたし、タイヤもただ路面との相性が悪かっただけだと思います。この状況を考えたら、うまく5位を“拾った”レースになったのではないでしょうか。残り2戦、また頑張っていきたいと思います。

Driver:Charlie Fagg
全体的に良いレースウイークになったと思う。ここはGTA-GT300規定のクルマが速いとみんなから聞いていて、難しいレースになるのは分かっていたんだ。それにコースをドライブしたことも見たこともなかったんだからね! 僕にとっては新しい経験だったけれど、simdriveでのシミュレーターで5時間走り込んだのが良い準備になった。特に土曜は雨で走れず、決勝前のウォームアップだけしか走れない状況だったからなおさらね。シミュレーターで準備ができたのは幸運だったし、5位という結果に満足しているよ。3番手からの5位だから良くは見えないかもしれないけれど、僕たちにとって最善の結果だ。残り2戦、チャンスはあると思うので、これからもプッシュしていくよ!

D'station Racing 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
2024スーパーGT第7戦オートポリス D’station FRESH ANGELS


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