更新日: 2017.05.11 22:05
水瀬きいの突撃インタビュー! vol.1 ベルトラン・バゲット選手
Kii:2014年に来日してもう4年目ですが、日本語は少し覚えましたか?
BB:ニホンゴムズカシイ。スゴクムズカシイ(笑)。最初は日本のことも、日本語も全然理解できなかったんだ。僕はフランス語の他に英語もイタリア語もしゃべれるし、ドイツ語も少ししゃべれる。でも、日本語は何にも似ていないから、まったく分からなかった。4年間東京に住んでいるけど、アンドレア(カルダレッリ)やジェームス(ロシター)、アンドレ(ロッテラー)と一緒にいて英語をしゃべっちゃうと、全然覚えないね(笑)。日本語を勉強するのはサーキットだけなんだ。東京でも勉強しなきゃね。ちょっとずつは分かってきたよ。でもヤッパリムズカシイ(笑)。
Kii:バゲット選手は日本に住んでいますが、暮らしぶりはいかがですか?
BB:日本での生活自体は、清潔だしキレイだし、皆さん常識的だしすごく礼儀正しいから、気に入ってるんだ。ゴハンも美味しいよね。日本人の精神性がすごく僕の好みと合っているんだ。日本での生活は大好きだよ。
Kii:日本食は何が好き? ダメな食べ物はある?
BB:焼き鳥、お寿司、それから焼肉……は完全に日本のものではないかな? あとお刺身も大好きだよ。嫌いなものはないよ! 全部好き。ナカジマさん(中嶋悟)にそれを言ったら、彼も食べるのは大好きだから、一緒にいろんなところに行ってくれるよ。ナカジマさんはいろんな食べ物を僕に挑戦させてくるんだけど、僕はなんでも食べちゃうんだ!
Kii:バゲット選手は日本に来てからずっとNAKAJIMA RACINGからスーパーGTに参戦していますが、あなたにとってNAKAJIMA RACINGはどんなチームですか?
BB:NAKAJIMA RACINGの、ナカジマさんのおかげで日本に来られたし、4年目を迎えるけど、ずっと関係はいいままだよ。最高のチームだと思う。最初はダイスケと、ナカジマさんがずっと日本のことを教えてくれて、今はひとりでも全然大丈夫になったよ! ここは日本での僕の家族みたいな存在なんだ。まだベルギーに帰ろうとは思わないくらい気に入っているよ。
Kii:ちょっと意地悪な質問ですが、あなたは2009年にフォーミュラ・ルノー3.5のチャンピオンを獲り、13年にはWECのLMP2でチャンピオンを獲りました。でも日本ではまだ勝てていません。ヨーロッパで走ることに魅力を感じたりはしませんか?
BB:日本のスーパーGT、それにスーパーフォーミュラは、世界で最も魅力的だと思っているんだ。スーパーGTがハコではいちばん速いし、ホンダやダンロップなど、メーカーのために全開でプッシュしなければならないんだ。こういう高いレベルで戦わなければならないのは、世界でもスーパーGTだけだよ。ドライバーのレベルも高いし、いちばん魅力的だからね。それが目的でスーパーGTに出ているんだ。
今年はスーパーフォーミュラのシートは獲得できなかったけど、2年間ふたつのカテゴリーに出ることができたのは、日本だけしかできないことだよ。フランスではそんなことはできないからね。ここにいる限りはヨーロッパのレースは出られないね。
Kii:では最後に、ファンの皆さんにひと言お願いします!
BB:いつも応援してくれてありがとうございます! 日本のファンがいちばん最高だよ。モータースポーツのこともドライバーのことも理解してくれているし、この親切な気持ちのまま支えてくれればと思っているよ。できるだけ早く、NAKAJIMA RACINGをポディウムに連れていきたいと思っているので、応援していてね!
Kii:ありがとうございました!
<編集部から>
今回のインタビューは、スーパーGT第2戦富士の予選日前日、NAKAJIMA RACINGのテントで行いました。あらかじめ質問は用意していきましたが、話し出したらガチでフランス語オンリーの取材になりました。聞いていたとはいえ、きい様おそるべし……。
そして、バゲット選手もしゃべるしゃべる。NAKAJIMA RACINGのマネージャーさんいわく「バゲットはあんまりしゃべらないんですよ」と聞いていたものの、やはり母国語での会話でかなりリラックスできていた様子です。この調子で、このコーナーでは次回も外国人ドライバーの“ホンネ”を聞き出したいと思っているので、乞うご期待!
ベルトラン・バゲット
1986年2月23日ベルギー生まれ、レーシングカートからフォーミュラ・ルノーでステップアップし、2009年にはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズのチャンピオンを獲得した。2010年からはインディカー・シリーズに挑戦。12年はふたたびヨーロッパに戻り、スポーツカーレースへ。2013年にはLMP2チャンピオンを獲得した。14年からは日本に居を移しスーパーGTに挑戦。2015年からはスーパーフォーミュラにも参戦した。