更新日: 2016.05.06 14:03
波乱の富士戦GT500、不運とアクシデント、その時何が起きたのか
S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲と、ZENT CERUMO RC Fの立川祐路の抜きつ抜かれつの2番手争いがあったものの、カルソニック IMPUL GT-Rが20秒以上独走し、予選上位5台がそのまま決勝でもトップ5を占めるという展開で進んだGT500の前半戦。しかし、73周目のセーフティカー導入を境に波乱の展開へ。ここでは各車、どのような波乱、アクシデントにあったのかをまとめた。
■RAYBRIG NSX CONCEPT-GT:ギヤトラブル、タイヤトラブルとアクシデント続き
72周目の100R出口で左リヤタイヤがバースト。車体後部のエアロパーツがが吹き飛ぶ形でコース上にパーツが散乱し、マシンもヘアピン進入アウト側に止まり、セーフティカー導入に。ステアリングを握っていた伊沢拓也は「予兆はまったくなかった。突然起きて、どうしようもなかった。体は大丈夫です」と、状況を振り返った。RAYBRIGは前日の予選日にもギヤトラブルでギヤを交換しており、ファーストスティントの山本尚貴も100Rで左リヤタイヤのトラブルに見舞われるなど、不運が絶えない第2戦となった。
■S Road CRAFTSPORTS GT-R:セーフティカー導入で2位以上の結果が台無しに
ルーティーンの2度目のピットインに備えて、本山哲がピットロードで待機し、2番手を走行中のマシンがストレートからピットロードに向かったところでセーフティカーが入り、ピットがクローズド。S Roadはその周のピットインを諦めて隊列に戻るも、ガソリンが足りずに76周目にペナルティ覚悟でピットイン。11番手まで順位を下げ、さらに90秒のピットストップペナルティ。最後は7位まで挽回したが、表彰台は確実な展開だっただけに本山の表情も険しかった。「GTAを批判するわけじゃないけど、今年のセーフティカーの規定ではチーム側が戦略を選べないし、WECの例などを参考にして、もうちょっとレースの流れと興業の面を両立させて、うまくやってほしい」。
■ZENT CERUMO RC F:2位走行中にまさかのガス欠リタイア
1回目のピットがWedsSport ADVAN RC Fに続いて早かったZENT CERUMO RC F。Wedsは70周目にピットインし、次はZENTか、と予想されたところ、73周目にセーフティカーがコースイン。ZENTはそのまま周回を重ね、セーフティカーが明けた2周目にガス欠でコースサイドにマシンを止めた。結果論から言えば、セーフティカー明けにすぐにピットインしていれば、2位以上でチェッカーを受けていた可能性が高い。ガス欠の原因はエマージェンシーの燃費の警告灯が作動しなかったことや、燃費の計算ミス、そして隣のピットの給油タイミングが重なり1周遅らせても大丈夫と判断したことなど、複合的な要素が絡んでのアクシデントだったようだ。ビッグポイントを逃したチーム、ドライバーの落胆は大きく、多くのドライバーがすでに家路に着く中、ZENTのドライバーふたりは遅くまでサーキットに残っている姿が見られた。