更新日: 2017.08.06 22:41
LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2017スーパーGT第5戦富士 レースレポート
序盤こそ6番手だった立川は、6周目にGT300クラスの車両が前方に出現しはじめると、まずは9周目に前を走る#17 NSX−GTをオーバーテイクし、5番手に浮上。さらに11周目には、4番手の#24 GT−Rにターゲットを定める。
ただ、#24 GT−Rはストレートが速く、燃料流量リストリクターの制限を受けているZENT CERUMO LC500は、なかなかスリップストリームを使うことができない。しかし、そこは百戦錬磨の立川。22周目のパナソニックコーナーでうまく#24 GT−Rのインをうかがうと、続く23周目のTGRコーナーで#24 GT−Rのインへ。これで4番手に浮上し、さらに3番手の#36 LC500に追いつき始めた。燃料流量リストリクターでZENT CERUMO LC500より厳しい条件の#36 LC500に負けるわけにはいかないとばかりに、立川は27周目のTGRコーナーで一気に3番手へ浮上した。
立川のオーバーテイクショーがサーキットを沸かせるなか、GT500クラスでは少しずつピットインのタイミングが始まっていた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOも村田卓児エンジニアが、空いているところでピットアウトできるようにタイミングをうかがう。そのとき2番手を走っていた#23 GT−Rに追いつきそうな気配はあったが、30周を終えチームは立川をピットに呼び戻した。
LEXUS TEAM ZENT CERUMOは迅速な作業を行い、コクピットに収まった石浦は猛然とピットアウトするが、ピットロードではすぐ目の前に同時に作業を行った#23 GT−Rが。石浦はタイヤにしっかりと熱を入れ、#23 GT−Rのテールにピタリとつけていく。
石浦は#23 GT−Rをかわそうと、何度もバトルを仕掛けていくが、#23 GT−Rも巧妙なラインどりで石浦に先行を許さない。しかも、50周を越える頃になると、それまでポールポジションから首位を快走していた#8 NSX−GTが石浦の3〜4秒前方まで近づいて来ていた。このまま#23 GT−Rをかわし、さらに#8 NSX−GTに迫ることができれば、今季2勝目も可能な勢いだった。
しかし、サーキットを沸かせ続けた#23 GT−Rと石浦のバトルは、最後まで#23 GT−Rが粘りきり、さらに首位の#8 NSX−GTも1.530秒差でトップチェッカー。ZENT CERUMO LC500は3位でレースを終えることとなった。もちろん勝ちたかったレースであり、石浦の表情にも悔しさがにじんだが、予選の状況やウエイトハンデを考えると、この3位はチャンピオンシップでも上々の結果だ。これで立川/石浦のランキングは4位となったが、首位との差はわずか3ポイントに。悔しい無得点となった第4戦の分をきっちりと埋める結果を残した。