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投稿日: 2017.11.22 11:45
更新日: 2017.12.04 11:53

【柿元邦彦今日の一言】「状況証拠はシロでも風評はとめられない」


スーパーGT | 【柿元邦彦今日の一言】「状況証拠はシロでも風評はとめられない」

 再車検での失格、それも大所高所の立場で厳格化を提案した本人のチームが失格したのだから間抜けな話である。

 しかしJGTCの権威を失墜させかねない事の重大性に鑑み、NISMOとして事実とその原因、ファンや他チームへの謝罪を記したリリースを発行した。

 そして各チームへは我輩が直接出向いて説明を行なった。後でNISMOのそういう行為を「尊敬できるチームだと思った」というコメントを、メディアに対し名前を出して話したエンジニアもいた。

 しかし、それまでNISMOのピットワークが速いという定評があったので、今回の違反事件で「ピットワークが速いのは、今までも燃料タンクが大きく補給時間が短かったからだ」とか「他の3台も失格だ」との風評もその後広がった。

 車検の厳格化を提唱した側が意図的な違反を犯すはずがないという状況証拠もあるが、しのぎを削って闘うとはこういうことである。そこまで人知や気力を振り絞って闘うからファンも魅力を感じるのである。

 競技は一定のルールのもとで行なわれているので、参戦する側はルール順守が基本中の基本で、今回のような規則書に明記された数字に違反しているのは言語道断である。

 一方でその規則をどう解釈するか、いわゆる規則の行間を読むというのもプロの世界では当たり前で、その適否は最終的にはしかるべき機関に委ねることになる。それらは明確に区別して対応しなければならない。

 いずれにしろ規則違反という行為は、参戦チームやオフィシャルの名誉、レースそのものの権威を貶めるだけでなく、ファンの期待も裏切ってしまう。

 もちろんヒトは間違いを犯すものであるから、それには寛容でなければならいが、総指揮官としての我輩に、ふたたび同様な違反は犯さないという覚悟を決めさせた苦いが意味のある出来事であった。

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『GT-R戦記』は12月1日
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