LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第4戦SUGO 決勝レポート
最終的に行き着いた結論は、セーフティカーでコースがクリアになったため、その間は石浦のスティントを引っ張り、その後少々早めとなる35周終了時でのピット作業を行うという作戦だ。空いているクリアなコースで走るメリットを活かしたZENT CERUMO RC Fは、ピット作業をキッチリと行い、交代した立川をコースへ送り出した。
この作戦が功を奏し、ZENT CERUMO RC FはNo.19 RC Fに先行する。しかし、前にはNo.39 RC F、さらに首位にはタイヤ無交換作戦を敢行したNo.24 GT-Rがつけていた。立川は石浦が履いていたものよりもワンランクハードな、ささくれが出ないタイヤを装着し安定したペースを保っていたが、後方からは勢いのあるNo.19 RC F、さらに6周目にスピンしていたNo.6 RC Fが接近。三つ巴のバトルとなっていった。
しかしレース終盤、スポーツランドSUGOには陽が注ぎ始める。気温が上がり、ZENT CERUMO RC Fが装着しているタイヤに適した温度になってくると、立川は水を得た魚のように本領を発揮する。70周目にはNo.24 GT-Rを抜きあぐねていたNo.39 RC Fに接近すると、72周目には首位争いが5台のバトルに変化。タイヤ無交換作戦のNo.24 GT-Rを先頭としたバトルに、スポーツランドSUGOは大いに盛り上がりをみせた。
そのなかで立川は、さすがのテクニックを駆使し76周目の1コーナーでNo.39 RC Fをアウトから豪快にオーバーテイク! No.24 GT-Rのタイヤは消耗しており、立川には勢いがある。トップ浮上を完全に射程圏内に収めていた。
しかし同じ周、最終コーナーでGT300クラスの車両が激しくクラッシュしてしまう。この救助作業のため、レースはまさかの赤旗中断となってしまった。残り5周の超スプリントレースで再開となるのか、それとも……!? 一度コクピットから降りた立川は決断を待ったが、下されたのはそのままレース終了というアナウンス。さらに、赤旗終了時はその2周前の順位となるため、ZENT CERUMO RC Fはトップ浮上を目前としながらも、3位でレースを終えることとなった。
ZENT CERUMO RC Fにとっては、悔しくも嬉しい今シーズン初表彰台。夏の三連戦の緒戦でしっかりとポイントを積み上げ、次戦ホームコースである富士スピードウェイで悲願の今季初勝利を目指すこととなった。