鈴鹿はすべての力を問う。スーパーGT第3戦GT300予選でのトピックス《あと読み》
これはGT500でも同様で驚異のタイムに繋がったし、他のGT300チームにも共通する条件だが、レクサスRC F GT3にとってはまさに追い風だったのかもしれない。
■130万円の自己負担で詰めたコンマ5秒
2番手につけたのは、GT300マザーシャシーのHOPPY 86 MCだ。金曜日から土屋武士監督、それにドライバーたちも「狙っている」と語っていた。
HOPPY 86 MCは今回、坪井翔をQ1のアタッカーに、松井孝允をQ2のアタッカーに据えた。第1戦岡山と同じだが、実は今回の鈴鹿では、ある狙っていたことがあったという。
「改めて、鈴鹿はドライバーで決まるんだな、と思いましたね」と土屋監督。
「(中山)雄一のタイムもマシンのポテンシャルを引き出したものだし、ドライバーでその差が如実に出る。坪井も乗りに乗ってて速い。坪井はF3に3年間乗っているけど、鈴鹿のフォーミュラの速度域を知っているドライバーなんですよね。一方、孝允は昨年(山下)健太と組んでいたときは、コンマ7〜8秒健太と差があったんですよ。でも今年は、坪井とコンマ2〜3秒に縮まっている」
「SUGOとかは孝允は速いし、ニュルブルクリンクも走っている。でも、軽いフォーミュラのコーナリングスピードを知っていないと、鈴鹿は速く走れないんですよ。特に今のマザーシャシーは如実に出る。だからF3かスーパーフォーミュラをやっていないと敵わない。それはロジックだから」
実はこの点は、昨年山下と組んでいた段階で松井が認識していたものだ。そこで松井は、自腹で130万円ほどを負担し、12月に鈴鹿で行われた全日本F3選手権の合同テストに参加。F3-N車両ながら、コーナリングスピードを補うトレーニングを積んだ。土屋監督が言う「坪井とコンマ2〜3秒に縮まっている」は、その成果だというのだ。