更新日: 2016.08.15 21:43
土屋圭市EA「ARTAは諦めない」
55号車はCR-Z GT、高木真一、小林崇志という3年目になるパッケージで今年も戦う事になった。
毎年厳しくなっていく性能調整だが、今年もCR-Z GTに課せられた性能調整は非常に辛いものだった。昨年からストレートスピードのスピードが足りず、苦戦を強いられていたARTA CR-Z GTだが、オフシーズンのテストでもライバル達にストレートスピードでは歯が立たなかった。何とかセッティングでコーナーリングスピードを上げて、ライバル達との差を詰めようとオフシーズンのテストを重ねてきたが、それを今回のレースで結果を出して証明したい。
午前のセッションではいつも決勝を見据えたセッティングを進めるが、予選はドライコンディションが予想され、明日の決勝は雨の予報なので、予選に向けてセッティングを進めた。
セッティングを進めていた高木は、曇った表情で車を降りてきた。今までに無いマシンバランスで不安だとの事だ。タイムも当然ながら出ていない。しかし、Q1開始までに調整を進めていたところ、マシンが跳ねる症状が出ていたものの、何とかタイムが出るマシンに仕上がった。Q1を担当した高木はホッと胸を撫で下ろし、6番手でQ2進出を決めた。
Q2を担当した小林は、狙いを定めてアタックに入り3番手でセッションを終えた。2番手との差は1/100秒。悔しい表情をしながら小林は、明日の決勝での挽回を誓った。
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ストレートスピードが不足しているマシンでドライバーは良く頑張ってくれたし、スタッフも良い車に仕上げてくれたと思う。真一はダブルヘアピンでちょっとオーバーステアの症状が出てしまったけど、コンディションを小林に伝え、小林は3番手で戻ってきてくれた。これも3年目の組み合わせの成せる技だと思う。明日のレースは難しいけど、ARTAは決して諦めないレースをお見せします」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「今日は珍しく午前のセッションでは予選のセッティングを進めました。マシンが跳ねてしまう症状が出てしまい、それをなかなか改善する事が出来ませんでしたが、予選ではドライバーが上手く走ってくれたので、良いポジションで終える事が出来ました。明日は雨の予報なので、戦略、セッティングを見直して挑みたいと思います」
高木真一選手のコメント
「テストでは色々なチャレンジをしながらこの開幕を迎える事になりましたが、まだライバルとの差を縮めきれない部分があります。3年続けている実績があったので、上手く予選までにまとめる事が出来たと思っています。小林が最終的に3番手というポジションを取ってくれました。良い流れになっているので、明日は天気が悪そうですが、この良い感触をキープしていきたいです」
小林崇志選手のコメント
「朝のセッションでは途中までウェットコンディションだったりマシントラブルが出てしまったりと、フリー走行が終わった時点で、予選でどのくらいのタイムが出せるかボクにもチームにも予想が出来ていませんでした。ポール争い出来るのか、あるいはQ2進出すら無理なのか全く見えていませんでした。しかし、高木さんがQ1で6番手というタイムを記録してくれたので、Q2ではそこそこ上位には入れるだろうと思っていました。しかし、欲を言えば、もう1/100秒速く走ってポジションをもうひとつ上げたかったのですが、セカンドローは悪くないので明日は表彰台で狙っていきたいです」