更新日: 2018.06.28 18:15
脇阪寿一の監督論。「他の監督と手法が違うし、内容も違うかもしれない。でもそれはオンリーワンだと思う」
――チームを尖らすとはどういうことでしょう?
「この2年間を分析していて、中盤戦のポイントの伸びが止まるよね、レギュレーション上(注:ウエイトハンデが終盤まで降ろせない)。結果、健二さんのアクシデントがあったから実行できないかもしれないけど、そこに注目してレースを選びにいっていたかもしれない。勝つために」
「あともうひとつ我々のクルマに対するウォームアップの悪さ、その裏返しでタイヤは他のレクサスより半ポジション柔らかいところを使えるというメリットを持っていた。それでアウトラップで和也とカルダレッリ(16~17年)はいつもKeePer TOM’S LC500にやられていた」
「この部分の修正にクルマとドライバーの両面で取り組みたい。ドライバーという面では、単純に順位というだけでなくコース上でのドライバー同士の戦いが、自分の立ち位置を決める戦いという僕の考え方を、今、大嶋も理解し始めている」
「そのレベルで今、レースしているのは関口かもしれない。鈴鹿のスーパーフォーミュラ開幕戦で平川亮に対してヘアピンでインを閉めたでしょ。平川が飛んでいったよね。平川の抜き方って気迫なの。(前のクルマと)距離があってもブレーキを遅らせてバンっと入る」
「今年のスーパーGT岡山で大嶋は平川に抜かれているよね。あの時も飛び込んできて、大嶋の判断からしたらそんなの絶対止まり切らない。それでアウトでクロスをかけようと狙い始めた。でも平川がインで止まり切っているからクロスがかからない」
「平川からしたら、ドンっと飛び込んだら大嶋はどいてくれる選手かもしれない。最近の平川の抜き方は全部それ、気迫。離れたところから抜くときは横の人が閉めてきたら両方リタイアするような状況がよくある」
「これを全員が許していたら、平川はいくらでも成績が出る。別に平川が憎くて言っているわけじゃないよ。僕からしたら、他の選手はそんなことしていてメシが食えるのかという話。今は成績もあり平川の立ち位置が一段上。でも関口はスーパーフォーミュラで閉めて、平川は飛んでいった。次、同じシチュエーションになったときに平川は飛び込むのか。これが戦い」
「関口はレース中にしたけど、僕は昔この戦いをテスト中にしてきた。新しくきたガイジンドライバーが速くて生意気な時には、インを刺してきたら必ず閉める。少々ぶつかってでもいかさないし、少々ぶつかってもチームにゴメンって言いながら、無理矢理でもインを刺しにいってた。で、刺したら刺し切る。抑えたら抑え切るとしといたら、次、勝負いくときにそいつはどう思う僕を見たら」
――自分がリスク負うか、少し躊躇するでしょうね。
「だから、関口を好きなのは、そのレベルで戦っているから。ドライバーの時はライバルに対してそういうことをしていたけど、監督としてもそういう戦いが必要なの。だから僕は平川のファンだし、意識改革中の和也もこれからは今までとは違うよ!」
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