更新日: 2016.09.01 22:13
コバライネン「SGTの難しさと面白さを実感した」
■DENSO KOBELCO SARD RC F
開幕戦岡山、怒濤の追い上げで5位フィニッシュ
2015 SUPER GT 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」(4/4-5)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選9,300名、決勝17,000名 合計26,300名
4月5日(日)、シリーズ開幕戦となるSUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝が行われ、7番グリッドから剛毅果断に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートドライバーを務めた平手晃平が雨のオープニングラップで5位に浮上。好ペースでタイムを刻むも決勝前のフリー走行でのドライブスルーペナルティにより、一時11位にポジションダウン。
しかし諦めない平手は猛然と前を追いかけ続け44周まで引っ張って2位でヘイキと交代。降りしきる雨の中、ヘイキもその時点でトップペースで怒濤の追い上げ。72周目には7位に浮上した。その後も勇猛果敢に前を追いかけ、ファイナルラップ1周前の81周目には5位にポジションアップしてチェッカー。DENSO KOBELCO SARD RC Fは、平手とヘイキの両ドライバーの怒濤の追い上げで逆境にもめげずに5位フィニッシュを果たした。
ドライバーポイントでは6点を獲得、チームポイントでは9点を獲得した。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月2日(土)・3日(日)に富士スピードウェイで開催される。
公式練習走行
満開の桜の花で彩られた春の訪れとともに、いよいよ2015年シーズンが開幕する。新コンビとなる平手晃平とヘイキ・コバライネンの初陣となる第1戦岡山。3月に当地で行われた岡山GTA公式テストではコースレコードを上回るタイムをマークするなど、これまで行われたシーズンオフテストで上々のタイムを刻んでいるDENSO KOBELCO SARD RC F。シーズンオフの話題をさらったヘイキ・コバライネンもその世界的トップレベルの走りの鋭さを随所に見せ、SUPER GTに早くも慣れてきた様子。一昨年ドライバーチャンピオンに輝いた平手晃平とのコンビに大きな期待が寄せられている。
新型車両による新時代の幕開けとなった昨年からクルマは更に進化しラップタイムも1秒以上も向上。待ちに待った開幕戦は、岡山県東部の山間部・美作市にある岡山国際サーキットが舞台。開幕戦はハンディウェイトが各車ともゼロ、公式予選は両ドライバーが1回ずつアタックするノックアウト方式(Q1とQ2)でグリッドが決まり、決勝は300kmでピットストップは1回となる。
岡山はかつてF1も開催されたことがあるテクニカルコース。約3.7kmと距離が短いながら至る所にパッシングポイントがあり、ボディを擦り合わせながらの激しい超接近戦がコースサイドのすぐそばで見られ、迫力ある臨場感が体験できるサーキット。体制を一新して悲願のシリーズチャンピオンを狙ってチームは剛毅果断に勝利を目指していった。
4日(土)午前中の公式練習走行は、気温14度/路面温度16度のウェットコンディション。9時から混走セッションが開始されたが最初は6周にわたって、ウェットタイヤの皮むき作業を行った。7周目から路面が乾きドライタイヤを装着して平手がコースイン。赤旗中断を挟んでタイヤとクルマのバランスを確認しながら、1分20秒591の堂々のトップタイムを平手がマークした。
次にヘイキが16周目からドライブ。チェッカーまで5周にわたってクルマとタイヤのチェックを行った。その後の10分間のGT500単独セッションでは、ヘイキがQ1アタックシミュレーションを行い、5周目に1分20秒573のタイム。公式練習走行ではトータル26周を走行。ヘイキがマークした1分20秒573の7番手タイムでQ1への準備を終えた。
公式予選
■Q1:平手が3位通過を果たす
5日(土)曇りながらも気温23度/路面温度27度と暖かくなったQ1。ドライコンディションの中で、残り7分ほどで満を持してほぼ一斉にコースイン。クルマの手応えを練習走行で感じていた平手は丁寧にウォームアップを重ねていった。4周目にアタックラップに入った平手はセクターで上位タイムは刻んでいく。
次々にコントロールラインを通過する度にリーダーズボードが目まぐるしく変わる中で1分19秒618と、その時点で2番手タイムを叩き出した平手。続く5周目もセクター1、2とベストを更新していき速さを見せたがセクター3で更新ならず。平手は初戦の最初の争いでチームに勢いをつける3位通過を果たした。
■Q2:ヘイキが7位にとどまる
公式予選Q2は、気温23度/路面温度28度に。Q1同様に残り7分ほどで満を持して8台が一斉にコースイン。初の予選本番に気合いみなぎるヘイキはアウトラップから勢いよくラップを重ねていった。コースインした車両の先頭に立つと3周目にセクター1で17秒856と期待のかかるセクターベストをマーク。
しかし、その後に続くライバル勢もタイムアップしていき、ヘイキのタイムを上回ってくる。セクター3が思うようにタイムが伸びずに1分19秒932に。僅差の戦いの中で、ベストなタイヤのパフォーマンスタイミングを最後にほんの僅か合わせきれなかったのか7位にとどまる悔しい結果となった。果敢にSUPER GTでの初予選に挑んだヘイキ。決勝は7番グリッドからの逆襲を目指す。
決勝
■フリー走行
5日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温17度/路面温度17度で降雨のためウェットコンディション。スタートドライバーを努める平手がステアリングを握り、ウェット路面の感触を確かめた矢先に赤旗中断。中断が長く時間が無くなってしまい、再開後はヘイキに交代してドライブ。ハード系ウェットタイヤを装着していたため温まるまでに時間がかかり、公式練習走行は11周を走行して、ヘイキがマークした1分42秒953のタイムで15番手となった。
■決勝スタート
第1スティント:平手が逆境にも負けずに猛追し順位を上げる
5日(日)14時30分決勝スタート時点は気温18度/路面温度20度の雨。雨足が強くなったり弱くなったりの不安定な天候の中、7番グリッドから剛毅果断に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートドライバーを務めた平手晃平がスピンオフの混乱をうまくすり抜け、オープニングラップで5位に浮上した。
好ペースでタイムを刻んでいたが、決勝前のフリー走行での走行違反によるドライブスルーペナルティにより、一時11位にポジションダウン。しかし諦めない平手は猛然と前を追いかけ続けていった。スティント後半には前が弱く路面の水の量も減ってタイヤの状況にマッチしたのか後半にペースアップ。他車がピットインするのを尻目に44周まで引っ張る作戦をとって失ったギャップを取り戻す走り。そして44周を終え2位でヘイキと交代した。
第2スティント:ヘイキが怒濤の追い上げで5位フィニッシュ
依然として降りしきる雨の中、ヘイキもその時点のトップペースで格の違いを見せる怒濤の追い上げ。72周目には7位に浮上した。その後も驚異的なトップペースで勇猛果敢に前を追いかけていくヘイキの追い上げに注目が集まった。グングンと差を詰めては抜き去っていき、ファイナルラップ2周前には6位に、1周前の81周目には5位にポジションアップしてチェッカー。
DENSO KOBELCO SARD RC Fは、平手とヘイキの両ドライバーの怒濤の追い上げで逆境にもめげずに5位フィニッシュを果たし、ドライバーポイントでは6点を獲得、チームポイントでは9点を獲得。速さの片鱗を見せつけた2015年シーズン出だしとなった。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月2日(土)・3日(日)に富士スピードウェイで開催される。
平手 晃平
「雨の量が変化する非常に難しいコンディションとペナルティで厳しいレースとなりましたが、何とか頑張って5位フィニッシュすることができました。色々あって完璧ではなかった週末でしたが、新しい体制で挑んだ初レースとしては学ぶべき多くの週末となりました。速さは走りで証明できたので次が楽しみですね。僕もヘイキも富士戦に向けてモチベーションが上がっているので良いレースが見せられると思います。次戦富士も応援よろしくお願いいたします!」
ヘイキ・コバライネン
「楽しみにしていた開幕を終えてこのレースの難しさと面白さを実感しています。フリー走行の自分のミスでペナルティを受けてしまったけど、決勝レースで少しは挽回できたかと。チームは非常にポジティブで楽しんでレースができているから、これからのシリーズを戦う上で良いシーズンの始まりだったと思います。このレースの勝ち方を良く知るコウヘイとのコミュニケーションも良い方向に進んで色々アドバイスをもらっているから、次はもっとうまくやれると感じているんだ。次の富士もテストで良い感じで走れているので、表彰台に上がれるように頑張りたいですね」
野田 英樹 監督
「決勝では、序盤にペナルティを受けてしまいましたが両ドライバーとも雨の中、もの凄く頑張って挽回してくれて、素晴らしく良い走りでした。メカニックも週末を通じて良い仕事をしてくれチェッカー後の笑顔が印象的でした。目標は高く持ってましたがシーズンの出だしとしてはまずまずの決勝でした。次の富士戦にポイントを持って入れることはこれからの戦い方を考えると良かったと思ってます。テストは重ねてきましたが、新体制での初の本番の決勝の戦い振りは、高いポテンシャルを持っていると確認できました。まだまだ改善点はありますが、次の富士戦では必ずや表彰台を獲得できると思っております。応援に来て頂いたスポンサー、ファンの皆様、来れなくとも遠くから気にかけてくださった皆様、ありがとうございました。自分にとっても監督としてのデビュー戦を5位と言う結果で終えれた事は嬉しいです。シリーズタイトルを考えると最高の結果であったと思います」