更新日: 2019.04.15 10:20
悪天候で前代未聞の大混乱。トップ争いのNSXがまさかの同士討ちで2台脱落し、ARTAが逆転勝利【スーパーGT500クラス決勝】
ホームストレート上にクラス別で隊列を作ったマシンたちは、ドライバーレスキューやトラック修復作業の間は待機となり、スタート再開は約45分後の15時45分に。
ここでもSCが隊列を率いての再開でコース上の安全やマシンの作動確認をしつつ周回を重ねるが、ここでKeePer TOM’S LC500がスピンを喫してしまったようで、クラス最後尾に下がってしまう。
19周目を消化したところで2度目のレース再開となり、先頭を行く2台のNSX-GTがダッシュを決め、4番手のARTA伊沢拓也もバックストレートでMOTUL GT-Rに並びかけ、そのまま3番手に浮上しホンダが1-2-3フォーメーションを築いていく。
3ラップほどを経過したところでミシュランタイヤも発動を迎えたか、23号車は先頭と同じく1分31秒台を回復。7番手の同じくミシュランを履くマコヴィッキィもペースを取り戻し、前を行くもう1台のGT-R、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rに迫っていく。
すると24周目の1コーナーでNSX-GT同士でまさかのアクシデントが発生。テール・トゥ・ノーズに迫っていた2番手、KEIHIN塚越広大が首位のRAYBRIG山本尚貴に挑もうかというブレーキングゾーンでわずかにラインが交錯し、背後のKEIHINが止まりきれずRAYBRIGのリヤに追突。チャンピオンナンバー1のマシンがそのままアウト側のグラベルへとはじき出される事態に。
このアクシデントが起きた同一周回ではGT300でもコースオフやクラッシュが発生する大荒れの様相となり、この日4度目のSC導入。その後、ホームストレートでのリグループを経て32周目まで走行を続けたものの、雨量の増加も激しく16時30分を前に再びのレッドフラッグとなった。
1コーナーでのトップ争い2台のバトルは接触検証中のまま、監督ミーティングの末にGTアソシエーションの坂東正明代表からレースの打ち切りが発表され、ハーフポイントでリザルトが成立。周回数は31周を終えていたが、レース中断による終了は規定で赤旗1周前の順位が採用される30周時点の結果となった。
その後、17号車KEIHINへのペナルティもドライブスルー相当と確定し、レース結果の34秒加算で14位に後退。優勝はARTA NSX-GTに。MOTUL AUTECH GT-R、カルソニック IMPUL GT-Rのトップ3の結果となった。
ホンダ陣営としては表彰台独占が確実だった展開だけに、ARTAの優勝にも悲喜交々。2位、3位を獲得したニッサンGT-R陣営としてもウエットではホンダNSXに太刀打ちできずに悔しい展開となり、レクサス陣営としても最上位は19号車WedsSport ADVAN LC500の7位と、LC500には苦しいシーズンの幕開けとなった。前代未聞の打ち切りレースとなっただけでなく、内容的にも3メーカーとも後味の悪い開幕戦となってしまった。