更新日: 2019.09.09 00:37
ARTA NSX-GT 2019スーパーGT第6戦オートポリス 決勝レポート
第6戦 オートポリス
一時はラップダウンも、あきらめずに走り5位でポイント獲得
チームは前日から決勝の天気を気にしていた。15:00ぐらいから雨が降る予報があり、この時間はレース開始後30分くらいの時間帯だ。チームはドライとウェットの両方のコンディションを想定したセットを進め、決勝に備えた。
スタートドライバーは伊沢拓也選手。伊沢のスタートは非常に良く、1コーナーでアウトから17号車を抜き、トップに躍り出る。しかし、8号車はウェイトハンディが重いせいか、すぐに抜き返されてしまう。2番手をキープしたまま、1周目を終えたところでセーフティーカーが導入された。1号車がコースアウトしてしまったのが原因だった。
コースがクリアになり、6周目にリスタート。伊沢のペースは悪くないものの、徐々にトップとの差が開いてしまう。
やはりウェットを想定したセットとウェイトハンディの重さが影響していたようだ。12周目から300クラスの集団に追いつき始めたが、その混乱に巻き込まれて15周目までに5番手まで順位を落としてしまう。
20周目からは1コーナーで雨が降り始め難しいコンディションの中、伊沢は走行を続けた。順位を争っている集団のトップを走っていた伊沢は周回毎に変わる雨量の中、1コーナーだけで降っている雨に最初に飛び込んでいかなくてはならないので、難しいレースを強いられた。26周目の1コーナーは雨が少し強くなっていて、ラインから少し外れてしまい、順位を落としてしまう。29周目あたりからルーティンのピットインを始めるチームが増え、32周目には更に雨の範囲が広がってきたので、34周目にルーティンのピットインを行った。
ほとんどの車がこのタイミングでピットインしてきたので、ピットは混乱してしまい、作業時間が余計にかかってしまい、この時点で周回遅れになってしまう。代わった野尻智紀選手はウェットタイヤに履き替えて後半戦に挑んだが、ここでまたセーフティーカーが導入される。
39周目にリスタートが切られたが、43周目に再度セーフティーカーが導入され、荒れたレースとなった。しかし、この2回のセーフティーカー導入で周回を挽回することが出来た。49周目のリスタート後、野尻のペースは非常に良く、51周目には4番手まで順位を上げる。コースは濡れているところと乾いているところがあり、抜きつ抜かれつのデッドヒートとなった。最後の最後でドライタイヤのまま走り続けていた37号車にパスされて、野尻は5位でチェッカーを受けた。非常に難しいコンディションで一時はポイント圏外まで順位を落としたが、見事なレース運びで貴重なポイントを獲得した。
鈴木亜久里監督のコメント
「セーフティーカーが3回も入って難しいレースだったね。もっと上手く戦えたかも知れないけど、セーフティーカーが入って助けられた部分もあるので、今回の経験は次回以降に生かしたいね」
星学文エンジニアのコメント
「昨日のサファリからセットの変更をしましたが、ウォームアップではあまりパフォーマンスが良くありませんでした。レースはハンディウェイトが重いというのもありますが、加速やコーナリング性能が良くありませんでした。ウェットに変えたタイミングはドライバーに任せましたが、ウインドウ内だったので野尻に代わるタイミングでウェットタイヤにしました。ピットの作業ミスもありましたが、何とか挽回出来てよかったと思います。終盤はペースも良かったのですが、もうひとつ何か欲しかったな、という印象です。もう一度見直して次につなげたいです」
野尻智紀選手のコメント
「天気は予報通り不安定で難しいコンディションでしたが、そんな状況でも派手な結果ではないですが、しっかりポイントを獲れたので、あのままドライでレースが進むよりは良かったかも知れません。もう少し大きいポイントを獲りたかった気持ちはありますが、まだチャンピオンシップが終わった訳ではないので、残りの2レースも頑張りたいと思います」
伊沢拓也選手のコメント
「前半のスティントでペースも上げられずに辛い状況になりましたが、野尻もチームも最後まで諦めずにセーフティーカーを上手く生かしてポイントを獲得出来たのは良かったと思います。予選結果から考えると悔しい結果ですが、最後までしっかり戦って行きたいです」