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投稿日: 2020.06.01 12:00
更新日: 2020.06.01 13:49

【国内トップドライバーオフインタビュー笹原右京】ブレーキディスクを使用した自宅トレーニングとDTMで見つけたヒント


スーパーGT | 【国内トップドライバーオフインタビュー笹原右京】ブレーキディスクを使用した自宅トレーニングとDTMで見つけたヒント

Q:3月に行われた岡山公式テストでの感触はいかがでしたか?
笹原:
僕はスーパーGT自体が初めてで、いきなりGT500に乗ることになりました。手応えとしては走るたびにいいところと悪いところがはっきり出ていたように思います。岡山のテスト時は気温がヨコハマタイヤの想定よりかなり低く、テストになったかと言われると正直微妙なところもあります。ただ、そういった状況のなかでも得られたデータはあります。

Q:NSX-GTに関しては以前からマシンの“跳ね”があるとよく聞きます。
笹原:
そうですね。セパンテストのときから他車に比べてコーナリング時のブレーキタイミングで細かく跳ねている印象はある。でもそれがドライビングに支障をきたすかと言われればそれほどでもなく、特に違和感とかはないです。

スーパーGTマシンとDTMマシンが激突した特別交流戦
スーパーGTマシンとDTMマシンが激突した特別交流戦

Q:違和感を感じないというのは“跳ね”があることを意識しているからでしょうか?
笹原:
それもありますが、自分としてはもっと跳ねると思っていました。以前、オートスポーツの記事でジェンソン・バトンが乗ったときに「跳ねすぎて乗れない」というようなことを言っていたので「そんなに跳ねるのか」というイメージを持っていたのですが、実際に乗ってみたらそこまでではなかった。ただ、昨年行われたスーパーGTとDTMの特別交流戦でDTM勢のコーナリング時やストレートの凹凸に対する動きを見ていて、DTMのマシンはメカニカルグリップがとても高い印象を受けました。いまのNSX-GTをその方向性に近づけたらどうなるかは気になります。スーパーGTの場合はタイヤのコンペティションがあり、もともとのタイヤのグリップ力はすごく高いですが、速いマシンの基本はメカニカルグリップだと常々思っているので試してみたいですね。

Q:それでは今年のスーパーGTをどんなシーズンにしたいか教えてください。
笹原:
チーム無限としてはここ数年、苦しい戦いが続いているので一度でもいいから前で走りたい。武藤(英紀)さんと僕が前に出て戦っているところをファンのみなさんに見てもらいたいです。いまはそのための準備をしているところです。常にアグレッシブに攻めの姿勢で戦うということが僕らドライバーとチーム無限、ヨコハマタイヤの方針でもあるのでとにかく攻めて行きたいと思います。

Q:ファンのみなさんもチーム無限と笹原選手を楽しみにしています。
笹原:
ファンのみなさんも長期間サーキットに行けず、退屈な日々が続いていて大変だと思います。もうあと少しだけ耐えていただき、いざ開幕したときには一緒に楽しみましょう!

※ ※ ※

 2016年にSRS-Fを次席で卒業した笹原は、HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)からFIA-F4と全日本F3に参戦していたが、2019年にはホンダでの育成枠を外れることになった。しかし、レーシングドライバーとしての信念を見失わず、自身のできることをやり続けたことが功を奏し、再びホンダのドライバーとしてスーパーGT GT500のシート獲得に繋げた。笹原といえば2010年以降単身ヨーロッパへ渡り、さまざまなマシンをドライブしてきた経歴を持つ。その経験で身につけた高いセッティング能力は海外からの評価も高い。海外で鍛えられた強いメンタルとともに、新しい挑戦となるスーパーGTでも笹原右京のパフォーマンスはチーム力の向上に大きな手助けとなるはずだ。

2020年のスーパーGTに挑むTEAM MUGEN NSX-GT。岡山公式テストでは『Red Bull WHITE EDITION』の特別カラーリングとなった。
2020年のスーパーGTに挑むTEAM MUGEN NSX-GT。岡山公式テストでは『Red Bull WHITE EDITION』の特別カラーリングとなった。


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