更新日: 2020.09.13 17:39
波乱の長距離戦を制してKEIHIN NSX-GTが今季4戦で2勝目。ランキングトップに浮上【第4戦もてぎGT500決勝】
するとSC以前の8周目に同陣営のMOTUL AUTECH GT-Rをかわしていた12号車カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴が、前を行くDENSOコバライネンに激しくプレッシャーを掛けると、90度コーナー飛び込みで鮮やかに抜き去り6番手のポジションを手に入れる。
続く19周目には3番手のModulo NSX-GT伊沢がペースダウンしたことで集団バトルが勃発し、ホームストレートでRed Bull MOTUL MUGEN武藤英紀がModulo伊沢をかわすと、背後のカルソニック IMPUL平峰も1コーナーで5番手ARTAのインを突き前へ。さらにそのまま64号車のテールに迫った平峰は続けざまの5コーナーでダイブを決め、怒涛のラッシュで4番手へと躍進して見せる。
タイヤのドロップダウンが厳しいか、その後もModulo伊沢はペースが苦しく防戦一方となり、22周目の1コーナーではDENSOコバライネンに、同じく90度コーナーではARTAもかわしてきたMOTUL AUTECH GT-Rロニー・クインタレッリにも抜かれて7番手にまで下がってしまう。
すると24周目には最初のルーティンピットが訪れ、まずはARTA野尻が真っ先にピットへと向かい、続く周回にはModulo伊沢やRAYBRIG牧野らが、そして26周目にはRed Bull MOTUL MUGENやWAKO’S 4CR GR Supraらと同じタイミングで首位KEIHINが入り、43秒の静止時間で塚越広大にステアリングを託す。
その2周後に逆転を期した38号車ZENTが戻ってくると、42秒ジャストとライバルに対し約1秒のマージンを稼いで石浦宏明を送り出すも、アウトラップで攻めのドライブを見せたKEIHIN塚越がコールドタイヤの石浦を捕まえ、3コーナーまでに首位の座を取り戻す。
その同じタイミングで、ヘアピンではARTAの福住仁嶺が24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rの高星明誠と接触し、ともにダメージを追ってピットへと戻る事態に。
ルーティンを終えた上位勢は、30周を過ぎて首位のKEIHIN塚越が3秒のマージンを築き、ZENT石浦、Red Bull MOTUL MUGEN笹原右京、Modulo大津弘樹のトップ4に。その背後では、カルソニック IMPUL佐々木大樹以下が数珠つなぎのバトルを展開。31周目にはカルソニック IMPUL佐々木がModulo大津に代わって4番手に上がってくる。
ファーストスティントの伊沢に続きペースの上がらない大津は、続く35周目にはダウンヒルストレートで次々と後続に並ばれ、アウトから14号車WAKO’S 4CR坪井 翔に、インから23号車MOTUL AUTECH松田次生に一気にかわされ、最終セクターでは82kgのウエイトハンデを抱える36号車au TOM’S GR Supraの関口雄飛にも前に出られてしまう。
レース終盤に向かう40周を前に、懸念された雨はなくセカンドスティントを担当するドライバーはタイヤマネジメントに集中する局面を迎えると、やはり10番手までドロップしていたModulo大津が緊急ピットで2度目となるタイヤ交換へ。
38周目のV字コーナーではGT300のマシンと接触しながらも、WAKO’S 4CR坪井が4番手に上がると、かわされた12号車カルソニック IMPUL佐々木のマシンは不調を抱えたかスローダウンし、そのまま後続に飲み込まれてしまう。
中段の混戦はさらに続き、43周目に100号車RAYBRIGの山本尚貴をパスした37号車のKeePer TOM’S GR Supraニック・キャシディは、その勢いでチームメイトの36号車au TOM’S関口に迫ると、5コーナーで中途半端な飛び込みを見せGR Supra同士で接触。2台ともにマシンを止めるほどではなかったものの、このアクシデントで36号車のリヤカウル(シューボックス)がライン上に脱落したことから、デブリ除去で2度目のSCが導入される。
これですべてのギャップが帳消しとなり、51周突入時点で最後の肉弾戦が再開されると、首位のKEIHIN塚越が約2秒のマージンを作って逃げを打ち、2番手ZENT石浦の背後には、3番手Red Bull MOTUL MUGEN笹原とWAKO’S 4CR坪井が迫ってくる。
さらに5番手を争っていたMOTUL AUTECH松田とRAYBRIG山本は、53周目の3コーナーでインを刺した山本に軍配が上がり、ポジションが入れ替わる。
続く周にはさらにその後方でGR Supra同士の仁義なきバトルが勃発し、36号車au関口がヘアピンで8番手に下がると、55周目には5コーナーで先程のお返しとばかりに37号車KeePerキャシディのインに並び、そのままサイド・バイ・サイドで立ち上がる。しかし、窮屈になった分だけ車速の伸びが鈍ったau関口は、続く130Rで後方のDENSO中山にもかわされ10番手に下がることに。
第2戦の勝利で46kgのウエイトハンデを搭載しながら、終盤は悠々のクルージング体制に入ったKEIHIN NSX-GTは、ランキング首位浮上に成功する今季2勝目を獲得。2位には今季初表彰台のZENT GR Supraが続き、3位にはRed Bull MOTUL MUGEN笹原が入りホンダ勢が2台ポディウムへ登壇する結果となった。