更新日: 2020.12.03 16:34
MaxRacing 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート
決勝のスタートは三宅が担当。前半スティントも後半スティントも同じタイヤを使用することもあり、できるだけ前半を引っ張り、前半後半を均等にするのが基本戦略です。決勝序盤、三宅が積極的に前を狙いました。
今回、路面温度も考慮して2周と決められていたフォーメーションラップがさらに1周追加になり、3周の後、ローリングスタートが切られると9番グリッドからジャンプアップ。7番手に浮上します。レース2周目に2号車に先行を許すものの8番手をキープ。しかしレース序盤に上位のペースに合わせたことが影響したのか、スティントの中盤でタイヤが厳しくなってきました。
第7戦もてぎでは公式練習の結果からかなりタイヤのタレを不安視していたものの、決勝では路面に載ったラバーに助けられたのか、思いのほかペースダウンが少なくレースをまとめることができました。このときと同じようにタイヤがもってくれることを三宅は期待していましたが、路面温度の影響か路面ミューの違いからか、期待通りとはならなかったようです。
10番手に順位を落として、レースおよそ半分の30周までスティントを伸ばそうと三宅は試みましたが、25周目、三宅からのコールでピットインしました。チームはドライバー交代と4輪交換と給油を実施して優威をコースに送り出します。規定周回数のミニマムでピットインしたチームもあり、ピットイン時の順位は6番手。この時点でポイント獲得の可能性は充分にありました。優威も三宅に負けないラップを刻み安定しています。
しかしながら、ドライブスルーのペナルティが下りました。事由はピット作業違反。無線の調子が悪く、給油とタイヤ交換がわずかにかぶってしまったのです。このペナルティ消化の後、原因不明の急激なリヤタイヤのグリップダウンに優威は見舞われました。ダッシュボードのインジケーターでも内圧の低下がみられて、ペースを維持するのが困難になってきました。これがタイヤトラブルの予兆であれば、クラッシュするリスクもあり、ポジションも落ちていたので、チームはタイヤ交換を決断。優威をピットに呼び戻しました。
タイヤ交換後、優威はペースを回復、ベストラップもマークして無事にフィニッシュしました。
「ピットインする前は、なんとかポイントを獲得できるのではないかというところにいただけに残念な結果です。想定外に早いピットをすることもなく、なんとか耐えて一応25周までは引っ張ってくれた。こういうペナルティを受けるようなことは来年に向けて絶対なくさなければいけません。本当であればポイントが穫れるかどうかの局面で、優威のレースをみたかったのですが、チームが足を引っ張ってしまって彼を“試験”することもできなかった。それは彼の責任ではないので、急に乗ってあれぐらいの走りをしてくれたらいいんじゃないでしょうか」
「一年を振り返ってみて、新チームとして予選がよくて、うまくいっているときにトラブルが起きたり、ドライバー、チームを含めてなかなか完璧なレースにもっていけませんでした。決勝の内容だけみてもシーズンを通してスティントの後半にタイムを維持できないことにはずっと悩まされました。ドライバー、エンジニア、メカニックみんながんばってくれましたが、決勝の強さを発揮するのは簡単じゃないというのが実感です。一方、予選ではチームの力、ドライバーの力はアピールするような結果が出せたと思います。
「今日はチームオーナーのGoMaxさんも来てくれて、来年に向けて戦える態勢がとれるようにバックアップを約束してくれました。言い訳ができないので監督としてはプレッシャーです。もちろん若手を育成するというテーマはキープしていきます。GoMaxさんの思いとして、ちょっと流れから外れてしまったドライバーが、負けん気で這い上がっていく姿を応援したいと考えています。これだけ恵まれた環境を与えてくれることは、なかなかないと思うので、すべてを見直して、チーム参戦2年目を飛躍の年にします。引き続き応援よろしくお願いします」(哲也監督)
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三宅淳詞のコメント
「1分39秒台で走れば30周以上タイヤはもつかなと思っていたんですけど、序盤に集団のなかにいて、ここでがんばることで上位にいけるのではないかと飛ばして1分38秒5とかでラップしていたのが最後、ツケとして返ってきた感じですね。抜かれたとしても単独で1分39秒台でラップしていれば、あんなに落ちずにいけたと思うので、ボクのミスといえばミスです」
「今シーズンの最初はQ1も通れないところにいて、同じ富士のノーウェイトの条件で9位、もてぎでは予選2位にもなっていますし予選の速さは身につきました。しかし長いレースでタイヤをもたせるところが、ボクはまだできていないのかなと思います。来年もし乗れるならば、そういう部分を克服してもっと活躍したいです」
堤優威のコメント
「決勝は洗礼を受けました。三宅くんから代わってすぐはよかったんですけど、すぐにドライブスルーの無線が入って、ドライブスルーの後、理由はわからないですけど、リヤタイヤがずるずるで走れなくなりました。タイムの落ちがひどくてこのままだと周りに迷惑をかけるような状態でした。一瞬、自信を失いかけましたが、タイヤを換えてもらってからはタイムが出たので安心しました。これもレースなのですね。
「与えられた仕事はある程度こなせましたが、ポイントが獲れなかったので悔しい1日です。今年3チーム目で経験を積んで引き出しが増えたはずなので、この経験を今後に活かしたいと思います」
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