更新日: 2021.08.22 00:12
LMcorsa 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 予選レポート
S-GT2021 Rd3 Suzuka QF
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
ホームコースでの活躍を目指すLMcorsaだったが、セットアップの変更が裏目に出てしまい予選を19位で終える。明日の決勝レースは、ポイント圏内への追い上げを図る
年間8戦が予定されているAUTOBACS SUPER GT 2021 SERIES。4月に岡山国際サーキットで2021年シーズンの幕が開き、ゴールデンウイークには富士スピードウェイを舞台に第2戦が実施された。本来ならば、この富士スピードウェイ戦から3週間のインターバルで開催される予定だったのが『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』になる。
新型コロナウイルス感染拡大の第4波に見舞われていたため、8月の第3週の週末に延期となっていたが、一層の感染症対策を講じ鈴鹿サーキットで開催されこととなった。8月21日(土)には公式練習と予選が、22日(日)には300kmの決勝レースが予定されている。
約1カ月前の7月17~18日にツインリンクもてぎで開催された第4戦では、69kgのサクセスウエイト(ウエイトハンデ)の影響でSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが持つ本来のパフォーマンスを発揮することができずに戦いを終えた。
しかし、今戦の舞台となる鈴鹿サーキットは中高速コーナーが連続するコースで、ストップ&ゴーが中心となるツインリンクもてぎよりもサクセスウエイトの影響が少ないとされている。
また、チームの母体となる大阪トヨペットグループからもっとも近いのが鈴鹿サーキットで、ホームコースとしているので少しでも良い成績を収めたいという思いをチームの誰もが抱いている。
レースウイークの走り始めとなったのは、21日の9時から実施された公式練習で、まず吉本大樹選手がSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ。天気予報では朝から雨が降る確率が高かったが、路面はドライコンディションでスタート。コースインから5周を連続周回した吉本選手は6周目にピットに戻りセットアップとタイヤを交換すると再び走行を重ねる。
通常の公式練習は吉本選手が持ち込んだセットアップやタイヤを確認するために1時間ほどを要することが多いが、今回は14周を走行するとピットに戻り河野駿佑選手にバトンタッチ。このタイミングで鈴鹿サーキットには小雨が降り始めるが、路面がやや濡れる程度でレインタイヤを履くほどの状況ではない。
シビアなコンディションのなかでも河野選手は23周を走行して、1時間45分の公式練習は終了する。ふたりのドライバーは合わせて37周を周回し、1分59秒094のベストタイムを記録してGT300クラスの29台中11位の結果となった。
気象データ
気温26℃、路面温度28℃(公式練習開始時)
気温27℃、路面温度31℃(予選Q1時)
予選
公式練習ではふたりのドライバーともに前戦より手応えを感じる結果となった。だが、予選で上位に入るためにはもう一歩のバランス調整が必要だという意見からセットアップを変更して予選Q1へ挑んだ。
今回の予選Q1もGT300クラスの29台が2グループに分けられていて、上位8台が予選Q2へ進出する。LMcorsaは15台のマシンがそろうBグループに振り分けられた。
予選Q1を担当した吉本選手はコースインした時点でマシンの変化を感じ取ったというが、予想していたよりもオーバーステアの傾向が強くなってしまった。コクピットから操作できる範囲内で調整したが、マシンバランスは改善せずこの状態で予選Q1を戦うこととなる。
インラップと2周の間にウォームアップとバランス調整を行い3周目にタイムアタックを実施。1分58秒前半のタイムをイメージしていたが計時モニターに映し出されたタイムは1分59秒013で、Bグループで10位となってしまう。結果として予選Q2への進出を逃し、明日の決勝レースは19番手からのスタートとなった。
上位を狙うためのセットアップ変更だったが、裏目に出てしまう結果となった。明日の決勝レースは天候とともに荒れることも想定される。取りこぼしがないように少しでも上位を目指して300kmの決勝レースを戦っていく。
コメント
飯田章監督
「サクセスウエイトは69kgと前戦と同じ重さなのですが、鈴鹿サーキットの方が同じウエイトを積んでも影響が少ないと考えて今戦に挑みました。公式練習では少し濡れた路面でも走ることができ、順調に予選へと走行を重ねていきました。予選に向けてはドライバーのコメントをもとにセットアップを変えたのですが、それが良い方向にいきませんでした。予選Q2進出のカットラインまでコンマ1秒もなかったのですが、予選Q1を突破できず残念です。決勝レースは天候が不安定で荒れたレースになりそうなので取りこぼすことなく上位を目指します」
吉本大樹選手
「公式練習は順調に進んだのですが、重いサクセスウエイトを積んでいるので予選Q2への進出はギリギリの戦いになると想定していました。そのため、セットアップを変更して公式練習からのタイムアップを図りました。しかし、予選Q1で走り始めるとオーバーステアがきつく狙った方向ではありませんでした。コクピットで操作できる範囲内でバランス調整を施しましたが、公式練習のときよりバランスが悪くなっていました。欲をかきすぎたのかもしれませんが、予選Q2への進出が見えていたので悔やまれる結果です。決勝レースで抜くことは簡単ではないですが、少しでも上位に入って是が非でもポイントを持ち帰りたいです」
河野駿佑選手
「公式練習はドライから少し路面が濡れた状態の2パターンを走りました。ウエットコンディションほどではないですが、少し濡れた路面ではアドバンテージがあることも確認しています。予選は公式練習のフィードバックでセットアップを変えて挑んだのですが、少しいきすぎた変更だったようで残念なリザルトとなってしまいました。ただ、公式練習では決勝レースを想定したメニューを順調にこなせているので追い上げられるはずです。明日の決勝レースは天候も含めて荒れそうなので、確実にポイントを持ち帰れる戦略を取れればと思います」