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投稿日: 2021.08.22 09:00
更新日: 2021.08.22 10:12

Red Bull MUGEN NSXとMOTUL GT-R、悲喜交々の予選上位。GRスープラ勢全車Q1敗退の要因【GT500予選あと読み】


スーパーGT | Red Bull MUGEN NSXとMOTUL GT-R、悲喜交々の予選上位。GRスープラ勢全車Q1敗退の要因【GT500予選あと読み】

 上位3台はある意味、予想通りの展開となった今回の予選。一方、今回の一番の予想外となったのは、GRスープラ勢の全車Q1落ちというサプライズだ。特に39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(SW28kg)、38号車ZENT CERUMO GR Supra(SW16kg)は今回、優勝争いに加わることも予想されていたため、大きな驚きとなった。

 予選Q1を担当して10番手に終わった38号車の石浦宏明が振り返る。

「クルマのバランスはそこまで悪くなかったですし、アタックも普通に行けたのですけど、相対的にスープラ勢が厳しいですよね。どういう理由でこんなに苦戦しているのか、その原因が何なのかは分かっていません。前回のもてぎの時は明らかにクルマのバランスがうまくいってなかったのですが、今回はそこまで悪くはないと思っていたのですが……」

2021スーパーGT第3戦鈴鹿 石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra)

 サクセスウエイトが54kgと重いKeePer TOM’S GR Supraも14番手。サクセスウエイトが52kgの17号車Astemo NSX-GTがQ1で7番手、Q2で6番手となっていることからも、今回のGRスープラ勢が異常事態に陥っていることがわかる。

 予選Q1を担当したKeePerの平川亮に聞く。

「アタックの時にダンロップコーナーでちょっと飛び出してしまったのですが、それでもコンマ1~2秒くらいのロス。朝はクルマのセットアップは良くなかったですが、そこから変更して予選の時にはフィーリングが悪くなったので、10番手くらいかなと思っていたらほとんどブービー(14番手)で驚きました」と平川。

 平川も石浦と同じく、クルマのフィーリングに大きな違和感があったわけではなく、アタックで大きなミスをしたわけではない。取材を進めて行くなかで、今回のGRスープラ勢のQ1落ちの大きな要因として、ブリヂストンユーザー勢が選んだタイヤが温度レンジの面で今回のコンディションにマッチしていなかったという点が挙げられる。

 今回の鈴鹿は中高速コーナーが多く、路面もタイヤも厳しい。その路面の特性とGRスープラの相性から、同じブリヂストンユーザーでもホンダNSXとトヨタGRスープラ、さらにはレクサス時代から鈴鹿ではワンランク、コンパウンドが異なり、GRスープラがいわゆる硬めのハードタイヤを選ぶ傾向にあった。

 その硬めのタイヤを選んだ状態でこの時期、快晴となれば40~50度を越えることもある状況で、この週末の雨、曇りの30度前後の路面温度。つまりは、ブリヂストンユーザーのGRスープラ勢はタイヤ選択を外してしまった状態が考えられる。

 明日の日曜日の天候も、土曜日と同様に曇り~雨の予報で、大きく気温が上がる見込みは少ない。そうなると、ブリヂストンユーザーのGRスープラ勢が巻き返すチャンスはほとんどなくなることから、ウエットコンディションを望む声が聞こえている。

 今回フロントロウを独占したダンロップ陣営にしても、昨年の第3戦鈴鹿ではポールポジションを獲得した64号車が序盤戦でタイヤのライフが厳しくなり、ペースが落ちてトップを23号車に奪われてしまったが、それも明日の天候次第でどこまで周回数を稼げるのかが大きな分岐点になる。

 暑さを望む声があれば、ダンプコンディション、そして雨を望む声もあり、明日の天候、コンディション次第でGT500クラスはさまざまなドラマが見られる展開になりそうだ。

2021スーパーGT第3戦鈴鹿 KeePer TOM’S GR Supra(平川亮/阪口晴南)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 KeePer TOM’S GR Supra(平川亮/阪口晴南)


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