更新日: 2021.09.17 13:42
TEAM UPGARAGE 2021スーパーGT第5戦SUGO レースレポート
すべてが順調だった予選はQ2で2位!
表彰台を狙った決勝は暗転し、まさかの12位
SUPER GT Rd.5 SUGO300 km 予選
■9月11日:予選(曇り 気温24度・路面温度27度)
Q1は小林選手が走り5位、Q2は名取選手で2位
Q2の1’17.832は、チーム過去最速タイムを記録
スーパーGTの後半戦の始まりは、第5戦の菅生300㎞レース。前回の鈴鹿では大きなアクシデントにみまわれてしまったが、マシンは完全に復旧し、そのとき乗っていた名取選手もまったく体に影響がなくレースができている。ここまでTEAM UPGARAGEの18号車は11位(岡山)、9位(富士)、10位(もてぎ)、リタイア(鈴鹿)という結果で、3ポイント獲得しSW(サクセスウエイト)は9㎏、ドライバーランキング18位にいる。さて後半戦の始まりである菅生で浮上なるか?
土曜日午前中の公式練習は、曇り空だが雨は降らない予報で気温は低めの20度半ば。小林選手から走り始め、名取選手と交互に走りながら、タイヤのマッチングやマシンの状態を確認してゆく。タイム的には、上位ループとは約1秒の開きはあったが、コース上のトラフィックなどの影響でアタックできなかった結果のこと。午後の予選に向けてセットアップの微調整が進められた。
午後の予選Q1はBグループに入った。小林崇志選手がアタックする。マシンの仕上がり状況からQ1突破は難しくないとの予測。そのとおり、小林選手はタイヤが温まった4周目にセクター3の最速タイムを出し、危なげなく1’18.330を出し5番手で通過する。
予選Q2は名取鉄平選手がドライブ。丁寧にタイヤを温めてアタックの準備をすし、5周目にアタック。1‘17.832を出し2番手に割り込んだのだ。前戦のうっぷんをはらすかのような快走。明日の決勝はフロントロウからのスタートになり、表彰台の真ん中も現実的な目標になった。
■コメント
石田誠監督
「(サクセスウエイトが少なくて)クルマが軽いから(笑)それも有利だったし、あと良いタイヤが見つかったこととや、セットアップもだいぶ煮詰まってきていたから上位に行く条件はそろっていた。ある程度は、5から6番手にはいくだろうと思っていたけど、17秒台に入って2番手まで行くとは予想外だった。名取君が頑張ってくれた。明日は普通に行けば表彰台は間違いないだろうと思う」
小林崇志選手
「鈴鹿でクルマが大破して、でもチームが頑張って直してくれて、もしかしたら前よりいいクルマになっちゃった(笑)くらいしっかり直してくれて。そういう頑張りがあるおかげでこうしてレースに出られて、予選で良い結果を出せて、感謝したい。今日は朝から絶好調とはいえなったけど、うまくアジャストしてよいクルマに仕上げてもらえた。タイヤもすごく良いタイヤを持ち込んでくれたので、良かった。明日は結果を目指して全力で戦うだけなので、頑張ります」
名取鉄平選手
「2位を獲れて、何とかなって良かったです。鈴鹿があまり良くなかったので払拭できた。マシンも体ももう影響はないです。17秒台でもトップとコンマ4秒差の2位なので、ちょっと悔しさが残るけど、2位になったことは良かった。本当は4周目にアタックしたかったけど、トラフィックにかかってしまって…。それがちょっと残念。明日はよい位置からスタートできるので取り返すチャンスはあります。チームのみんなが良いクルマを作ってくれたので、何とか報いたいと思ってます」
一瀬俊浩チーフエンジニア
「ヨコハマタイヤユーザー中のトップは何とか狙えるかなと思っていたけど、まさか2番手まで行くとは思っていなかった。サーキットの特性的なもので、菅生、鈴鹿、APはNSXがそこそこ得意とするので、それと相まってうまいことポテンシャルを出せた結果だと思う。予選までに微調整をしたけど、午前中も悪い状態ではなかったんです。タイムを狙いに行くときに前車に引っかかったりしてタイミングが合わなかっただけで、午前中でも18秒台は普通に出るだろうとのフィーリングは得ていた」
■9月12日:決勝(晴れ 気温29度・路面温度45度)
思わぬトラブルでプランどおりの展開に持ち込めず
我慢のレース運びで12位のゴール
決勝の日曜日は晴れて気温も午前中から上昇した。レース開始の午後1時30分には28~29度まで上がり、路面温度も昨日の予選時より15度ほど高い45度になっていた。レースはスタート後、フォーメーションラップを3周に増やしたため83周で争われることになった。そしてスタート。
300クラスはトラブルなくスムーズな始まりだった。TEAM UPGARAGEのNSX GT3は、グリッド2番手から小林選手のドライブでスタート。だが数週後から徐々に遅れ始めたが、このとき、ドライバーのクールスーツにトラブルがあり、冷えなくなってしまったのだ。ときに60度を超えるというコクピットでは、集中力を保つのにも超人的な精神力がいることに。
連絡を受けたピットでは対策を練るが、当初予定のタイミングではピットインが難しくなってしまった。一方で、タイヤの限界を考えると、そうそう引っ張ることもできない。小林選手は20周近くまで2番手で踏ん張っていたが、徐々にポジションが下がっていく。
そのギリギリのせめぎあいのなかでレースの1/3を超えた30周頃にピットイン。ドライバー交代、タイヤ交換、給油とルーティンの作業に加え、クールスーツを冷やすためのボックスの交換作業を行った。この作業に25秒ほどかかり、一気にポジションが下がってコースに復帰したときには24番手になっていた。
ここから追い上げを期待したいところだが、ピットアウト後、またしても数周でクールスーツが冷えなくなり、暑さと戦いながらドライブ。それでも名取選手の頑張りがあり、上位にいてもピットインを済ませていないマシンもありで、最終的には12位でゴールを迎えた。
グリッド2番手からの表彰台を期待したレースだった。が、好事魔多しというとおり、思わぬトラブルで大魚を逃してしまった菅生300㎞レースだった。次はオートポリスで第6戦がある。鈴鹿や菅生に次いでNSXの相性が良いとされるコースだけに、何とか流れを変えて優勝を目指したい。