TGR TEAM ZENT CERUMO 2022スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝レポート
2022 AUTOBACS SUPER GT Report
たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE
第3戦 鈴鹿サーキット
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆5月29日(日) RACE
決勝結果 リタイア
5月28日(土)に行われた公式練習で起きた燃料系のトラブルによりZENT CERUMO GR Supraがまさかの火災に見舞われ、車両の修復作業を強いられることになってしまったTGR TEAM ZENT CERUMO。火災によるダメージは大きく、作業は5月29日(日)の午前2時までかかってしまったが、ZENT CERUMO GR Supraはカラーリングまでしっかりと修復された状態で決勝日を迎えた。
気温30℃を超える暑さのなか、午後1時10分、決勝レース前のウォームアップを迎えた。前日、予選に向けたセットアップ変更が功を奏しているのかを確認できないまま走行を終えてしまっていたこともあり、ZENT CERUMO GR Supraは短い時間を使って動作確認、セット確認を行っていく。しかし、途中GT300クラスの車両がデグナーカーブ立ち上がりでクラッシュ。ガードレールの補修も含め大きなダメージを負ってしまったため、赤旗が出されそのまま終了となってしまった。TGR TEAM ZENT CERUMOにとっては、十分に確認ができないままウォームアップを終えることになってしまった。
このガードレールの補修のため、予定より15分遅れの午後2時45分に迎えた決勝。ZENT CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは、第1戦以来の決勝となる立川だ。第2戦ではなかなかステアリングを握る機会がなかっただけに、この決勝でそのストレスを解消するような走りを期待したいところだ。
ウォームアップでは十分に車両の確認をすることができなかったが、チームはスターティンググリッドでも作業を続け立川を送り出した。その甲斐もあって、ZENT CERUMO GR Supraのフィーリングは悪いものではない。立川は1周目を15番手で終えるが、2周目に#12 Z GT500にトラブルが発生したこともありひとつポジションを上げ14番手に。さらに立川は一気にペースを上げ、日立Astemoシケインで#100 NSX-GTをオーバーテイク。13番手に浮上する。
ただ直後、レースは#12 Z GT500の車両回収のためフルコースイエローが導入された。3周目にリスタートを迎えると、立川は好感触とともに前を走る#8 NSX-GTにターゲットを定めていく。さらに4周目、#36 GR Supraのドライブスルーペナルティもあり、ZENT CERUMO GR Supraは12番手に浮上。ポイント圏内も十分うかがえるペースだ。
GT300クラスの集団をしっかりとかわした立川は、11周目、1コーナーで#8 NSX-GTにオーバーテイクを仕掛けていく。しかしその瞬間、ZENT CERUMO GR Supraのエキゾーストからまさかの白煙が上がってしまう。立川は急激にパワーを失うのを感じ取ると、S字コーナーひとつめのランオフエリアにZENT CERUMO GR Supraを止めることになってしまった。
原因はエンジントラブル。前日に続くまさかの事態でレースを終えることになってしまった立川は、両手を広げ天を仰いだ。年間2基が使用できるエンジンだが、これで3基目を使用することになり、次戦のペナルティは免れない。TGR TEAM ZENT CERUMOにとっては最悪の週末となってしまった。しかし、流れを断ち切ることができるのは自分たち以外にはいない。幸い、次戦までは間がある。チームの地元の富士での逆襲を期する。
ドライバー/立川祐路
「決勝レース前のウォームアップで、前日確認しきれなかったところを確認したかったのですが、グリッドでも作業を行い、スタートしてからも感触は悪くなく、少しずつ順位を上げることができていました。#8 NSX-GTをかわそうと1コーナーにアウトから飛び込み、2コーナーに向けて減速している最中に白煙が見え、加速するときに音もおかしくパワーも失ってしまったので、車両を止めることになりました。良くないことが続いてしまっていますね。これから原因は解析しなければいけませんが、うまくいかない週末になりました。感触は良かったので追い上げられると思っていましたし、悔しいです。エンジン交換のペナルティもあるので、次戦に向けても本当に痛いです。ただ次戦も長いレースですし、挽回できるようにしたいです」
ドライバー/石浦宏明
「まだしっかりと原因を確認できていませんが、僕たちにとっては最悪の結果となってしまいました。ウォームアップできちんと車両を確認できなかったのはチームにとって不利にはなりましたが、そんななかでも可能な限りセットアップを改良し、レースでも順位を上げポイント圏内も目前だっただけに、あのまま走っていれば得点もできたと思います。まだ分かりませんが、次戦もエンジン交換のペナルティがある可能性が高いので、かなり厳しい状況にあります。ただ、昨年はペナルティを受けながらも表彰台に立ったこともあるので、くさらず頑張るだけです。応援していただいている皆さんには本当に申し訳ないですし、あと僕たちには何ができるのか、しっかり考えながらやっていきたいと思います」
田中耕太郎監督
「きちんとレースを戦いたいと思っていましたが、エンジントラブルに見舞われてしまいました。まだ原因はきちんと分かってはいません。起きてしまったことは仕方がないので、ちゃんとレースを戦えるよう、ゼロから立て直していきたいと思います」