ブリヂストン 2022スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
2022年オートバックスSUPER GT第7戦 オートポリス[GT500]
塚越広大/松下信治(Astemo NSX-GT/BS)が今季初勝利でチャンピオンへの望みをつなぐ
開催場所:オートポリス
開催日:2022年10月01日(土)〜2022年10月02日(日)
シリーズ終盤戦の第7戦は、九州のオートポリスが舞台。週末は、好天に恵まれて、この時期としては、連日気温が高い状況だった。予選4番手からスタートした塚越広大/松下信治(Astemo NSX-GT/BS)が早めのピットインによるアンダーカットに成功しトップに立つと、、首位を守り切って今季初優勝を果たした。
予選
10月に入っても阿蘇の外輪山に位置するオートポリスの天候は、夏を思わせるような陽気だった。予選Q1のトップは、坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ(au TOM’S GR Supra/BS)。これに山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)が続いた。コース路面は、各社のラバーグリップが増して、Q2では軒並みタイムアップ。路面温度が高かったためにコースレコードまでには至らなかったが、それに匹敵するタイムでのポールポジション奪取合戦となった。山本/牧野組は、2番手となり、平手晃平/佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN Z/YH)が初ポールを獲得。4番手に塚越/松下組が食い込んだが、同チームは、予選前の練習走行でクラッシュ。Q1直前に修復ができるという状況で予選に臨むことができていた。
決勝
決勝日は、一気に気温が上昇して、路面温度もかなり高くなっていた。オープニングラップで12号車のベルトラン・バゲットがロケットスタートを決め6番手まで4ポジションのアップ。レースの序盤は、それ以外の上位陣は予選グリッド通りの順位で推移。19周目のFCYあけに塚越/松下組が3位へ。そしてドライバー一人当たりの最小周回数である22周が過ぎると上位陣はピットイン。2位を走行していた山本/牧野組が最初にピットへ入るが、ピット作業でタイムロス。そして翌周に塚越/松下組がドライバー交替を行ってコースに戻ると順位は入れ替わっていた。その後ハイペースで周回を重ね、第1スティントの周回数を引っ張る作戦の数台が40周を過ぎてピットインした時、塚越/松下組がトップに立っていた。この時点で2位を走行していた山本/牧野組との差は開いていて、その後は安定したペースでゴールまで突き進み、今季初勝利を記録した。20点を獲得してランキングトップの千代勝正/高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z/MI)と5点差。最終戦でチャンピオンへの挑戦権を残した。続く2位争いは終盤までもつれたが、山本/牧野組がポジションを守り抜きブリヂストン装着のNSXがワンツーを飾った。
優勝ドライバーのコメント
塚越広大選手
「まず、メカニックさんたちが予選に間に合わせてくれた。そして、松下選手もそれに応えてQ1を突破してくれた。決勝ではピット作業も早くて、自分のスティントは長かったのですが、ブリヂストンタイヤのウォームアップがとても早くて、助かりましたし、その後は、後ろから追ってきていることを常に言われていましたが、トップを守り切ることができました。最終戦では優勝してチャンピオンを目指します」
松下信治選手
「練習走行でクラッシュしてしまって、予選に間に合うかという状況の中でメカニックさんたちが、『絶対に直してやるから、心配するな。走りに集中して、待っていてくれ』と言ってくれて、自分を信じてくれているんだな、ワンチームだなと感じました。決勝日は朝起きた時からリラックスできていたし、塚越選手の予選でも決勝でも素晴らしい走りで勝つことができました」
ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント
「全国的に気温が高かった日曜日。この時期としては路面温度も一気に上昇して、今回用意してきたタイヤの温度レンジを超える状況でした。しかし、そのコンディションでも優勝した塚越/松下組、2位の山本/牧野組に対して安定したパフォーマンスを提供できました。今回6位フィニッシュの平峰一貴/ベルトラン・バゲット(カルソニックIMPUL Z)は、2.5点差でランキング2位。今回の優勝組を含め、最終戦でチャンピオン獲得へ向けて強力にバックアップしてまいります」
2022年オートバックスSUPER GT第7戦 オートポリス[GT300]
予選2番手から序盤にトップに立ってからはパーフェクトな展開で首位を堅持して吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)が優勝
シリーズ終盤第7戦はサクセスウエイトが半減。その状況下でブリヂストンユーザーたちの活躍が光った。ポールポジションは逃したものの、2番グリッドからスタートした吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)が10周目にトップに立つとそのままゴールへ邁進。優勝を果たした。
予選
10月に入ったのに夏日となり、路面温度も高いコンディション。Q1のA組で武藤英紀/木村偉織(ARTA NSX GT3/BS)がトップタイムをマークし、4番手に蒲生尚弥/篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG/BS)がつけるという展開。Q1のB組では、吉田/川合組が2番手。今回好調な滑り出しを見せている吉田/川合組がポールポジション獲得へ向けてQ2に臨み、セッションの終盤にトップに踊りでた。これで決まりかと思われたが、井口卓人/山内英輝(SUBAU BRZR&D SPORT/DL)が逆転し、0.116秒差で今季4度目のポールポジションを獲得した。3番手には、前戦で優勝の加藤寛規/堤 優威(muta Racing GR86 GT/BS)。5番手、6番手に蒲生/篠原組、武藤/木村組が位置した。
決勝
決勝日は予選日にも増して気温が上昇。当然路面温度もアップして、レースがスタートした時には45℃。レース中は、46℃まで上昇していた。レーススタート直後からポールスタートの井口/山内組のテールに吉田/川合組が食いついて、トップを奪うチャンスを伺った。そして、10周目にその時はやって来た。第2ヘアピンでGT500車両をうまく使いトップに立つと一気に2位との差を開き、単独走行となった。GT300クラスも多くのチームが第1スティントをミニマム周回数でドライバー交替。首位の吉田/川合組もその作戦をとった。4番手を走行していた蒲生/篠原組も同様の作戦だった。レースが進んでも吉田/川合組は、安定したペースで首位を快走していた。その背後では蒲生/篠原組がピットインのタイミングで3位に浮上。その後もレースはそのまま吉田/川合組が独走でフィニッシュし今季初優勝を飾った。
優勝ドライバーのコメント
吉田広樹選手
「これまでチャンスがありながらも、トラブルやミスで優勝することができなかったのですが、今回は、ブリヂストンさんのタイヤのパフォーマンスがずっと良くて、久しぶりの勝利を得ることができました。ありがとうございました。今回は走り出しから調子が良かった。この勝利で川合選手にチャンピオンの可能性が残りました。自分は2戦欠場しているので、チャンピオン獲得へ向けて役に立てるように、最終戦で連勝できるように頑張ります」
川合孝汰選手
「本当に久しぶりに優勝できました。GT500クラスがGT300クラスをパスするタイミングでチャンスが訪れてトップに立つことができました。そのままトップで吉田選手にバトンタッチできてよかったです。これで最終戦に向けてチャンピオンの可能性を残すことができました。勝っても、周りの状況次第なのですが、チームともてぎに向けてミーティングして連勝したいと思います。」
ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント
「吉田/川合組は、チャンスはありながら、トラブルなどで結果を残せなかったのですが、今回のようにクルマも良く、序盤から積極的な展開で、その後は安定した速さで優勝。その走りを支えられたと思います。最終戦でチャンピオンの可能性を残しているブリヂストンユーザーさんを強力に支えてチャンピオンへ繋げたいと思います」