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投稿日: 2023.04.15 22:45

TGR TEAM ZENT CERUMO 2023スーパーGT第1戦岡山 予選レポート


スーパーGT | TGR TEAM ZENT CERUMO 2023スーパーGT第1戦岡山 予選レポート

2023 AUTOBACS SUPER GT Report

OKAYAMA GT 300km RACE
第1戦 岡山国際サーキット

ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明

◆4月15日(土) QUALIFY
公式予選結果 14位

 相次ぐ不運に見舞われ、悔しいシーズンとなった2022年。そんな一年の借りを返すべく、TGR TEAM ZENT CERUMOはオフシーズンの雌伏のときを経て、いよいよ2023年の開幕戦を迎えた。今季もSUPER GTの開幕の舞台は、岡山県の岡山国際サーキット。タイトでテクニカルなレイアウトで、毎年数多くのドラマがあるコースだ。

 そんな岡山での開幕戦に向け、TGR TEAM ZENT CERUMOは2月のメーカーテスト、3月の公式テストなど走行の機会を活かしZENT CERUMO GR Supraのセットアップやタイヤ開発を続けてきた。ただ、迎えた走行初日の4月15日(土)は朝から雨模様。事前から雨の予報は出ていたが、午前9時10分からの公式予選を前に一時小康状態だったものの、コースオープン直前からまた雨脚が強くなりはじめた。

 難しいコンディションのなか、ZENT CERUMO GR Supraのステアリングを握りコースインしたのは石浦宏明。走行序盤こそコース上の水量はまだそこまで多くなかったものの、少しずつ水の量が増していく。ZENT CERUMO GR Supraはややコーナリング時に曲がりづらい症状があったことから、石浦はひんぱんにピットアウト〜インを繰り返し、セットアップを進めていった。

 ただそんななか、スリッピーな状況で大きなクラッシュが起きてしまった。モスSでターンインしていた#39 GR Supraが姿勢を乱し、スポンジバリアにクラッシュ。衝撃で回転した#39 GR Supraが横転してしまったのだ。

 幸いドライバーに怪我はなかったが、この救出作業、さらにバリアの修復のために公式練習は18分間と長い赤旗中断となってしまう。残り時間も少なくなっていたことから、ZENT CERUMO GR Supraは石浦から立川祐路に交代。水量が多いなかで、タイヤの比較などを行っていった。

 再開後も水量が増していたことからセッションは午前10時34分にふたたび赤旗が出され、コンディション不良のまま終了してしまうことになる。ただ、水量が多いなかで5周を走った立川のタイムが良く、他車よりも3秒ほど早いラップで走っていた。

 そこでチームは、午後の公式予選に向けて、通常石浦がアタッカーを務めていたQ1を立川に託すことに決めた。午後は強い雨が降る天気予報が出ていたが、石浦は水量が多いなかでの走行が少なく、水の量が多いなかで好タイムを出していた立川にQ1突破を委ねることにしたのだ。

 迎えた午後2時からの公式予選Q1。直前に行われたGT300クラスの予選Q1が強い雨脚のため赤旗、さらにディレイとなったことから、午後2時53分からGT500クラスのQ1がスタートした。気温13℃というコンディションもあり、タイヤウォームアップの時間が必要であるとし、Q1の時間は5分間延長されていた。

 そんなQ1突破に向け、ZENT CERUMO GR Supraは立川がドライブしコースインしていくが、GT300のQ1開始時は予報どおり強い雨が降り、チームが予想したとおりのコンディションとなっていたものの、GT300のQ1途中から、雨脚が急速に弱まってしまう。立川はスリッピーなコンディションのなかタイヤをウォームアップさせ、まずは4周目にアタックを展開。1分32秒197というタイムを記録する。

 その後コース上の水量が減っていくとともに全体のタイムが上がっていくことになるが、立川も1分31秒666、さらに6周目には1分31秒279に縮めるものの、ヘビーウェットに合わせていたセットアップがうまくはまらない。上位陣は1分29秒台に突入するなか、終わってみればZENT CERUMO GR Supraの順位は14番手。予選Q1突破はならず、最後尾で予選を終えることになってしまった。

 コンディションの変化に翻弄されることになり、TGR TEAM ZENT CERUMOとしては悔しい予選順位となってしまった。とはいえ、天候は時の運でもある。決勝で味方につかないと決まったわけではない。ZENT CERUMO GR Supraは追い上げを期し、4月16日のレースに挑む。

2023スーパーGT第1戦岡山 ZENT CERUMO GR Supra
2023スーパーGT第1戦岡山 ZENT CERUMO GR Supra

2023スーパーGT第1戦岡山 立川祐路と石浦宏明
2023スーパーGT第1戦岡山 立川祐路と石浦宏明

ドライバー/立川祐路
「公式予選を前に、ヘビーウエットのコンディションに合わせたセットアップを施していましたが、予選Q1を前に雨が止み、コース上の水量が急速に減ってしまったことから、僕たちが思っていたようなコンディションにはなりませんでした。天候、路面状況の変化に合わせた読みが少し甘かったですね。アタックもコンディションに合っておらず、苦しい予選となってしまいました。明日の決勝は最後尾からのスタートなので、追い上げるしかありません。このままでは終われませんからね。荒れた展開になるかもしれないので、チーム一丸となって混戦を勝ち抜きたいです」

ドライバー/石浦宏明
「午前の公式練習では、ウエットコンディションのなかでクルマが曲がりづらい状況があったので、タイムを求めるよりもセットアップ変更を行っていくことに集中しました。ただ、その後雨量が増え、赤旗が出たことで自分の走行は終わってしまったので、手ごたえがない状況だったこと、また雨量が多いなかで立川選手のタイムが良かったので、Q1を託すことになりました。予選では直前まで強い雨だったにも関わらず、急速に水量が減ってしまったので、本来チームがその間にアジャストするべきでしたが、対応が後手後手になってしまったと思います。結果的に残念な予選となってしまいましたが、決勝はみんなデータがなく、天候も分からないので、追い上げるチャンスはあると思っています。しっかりと良いレースにしたいですね」

村田淳一監督
「天候の変化を読み切ることができませんでした。午前の公式練習や、GT300クラスのQ1の状況に引っ張られすぎてしまうところもありましたが、そのなかで安全をとりすぎてしまったように思います。路面状況の変化に対して見越せるタイムを読み切れませんでしたし、今季は公式テストからタイムを追い切れないところがありました。この点は今後に向けた課題になってくると思います。どのセッションでもしっかりタイムを出さなければいけないと思いますので、チームとしても改善していきたいですね。明日の決勝はドライコンディションがある可能性も高く、一方で天候が読み切れないところもあります。時間がないなかでもしっかりとセットアップを確認し、できることをしっかりとやって、データを蓄積しつつ追い上げていきたいです」

2023スーパーGT第1戦岡山 ZENT Sweeties
2023スーパーGT第1戦岡山 ZENT Sweeties


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