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投稿日: 2024.07.31 23:44
更新日: 2024.08.01 00:27

KTMS 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート


国内レース他 | KTMS 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート

KTMS

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第3戦 スーパー耐久レース in オートポリス

2024年7月27日(土)〜7月28日(日) オートポリス(大分県)
入場者数:7月27日:3,500人/7月28日:4,800人

ノーミスで戦い抜いた週末
トラブルにも耐え今季2勝目!

■PRACTICE スポーツ走行/STMO専有走行
7月24日(水)〜26日(金)
天候:晴れ/曇り 路面:ドライ/ウエット

 第2戦富士では、チーム一丸となって戦ったものの、24時間という長丁場でトラブルが発生したKTMS GR YARIS。悔しい思いを胸に、約2ヶ月のインターバルの間、トラブルの原因究明と対策を行い、第3戦へと乗り込んだ。舞台は、大分県日田市のオートポリス。非常にタイヤにも厳しいコースだが、今季2勝目を目標に掲げ、気合十分に7月25日(木)のスポーツ走行から週末に向けて着実に準備を進めていった。

 1回目は一條拳吾が20周を重ね、フォーミュラでの経験はあるが、ツーリングカーでは初めてのオートポリスとなる小林利徠斗と中村仁が7周ずつを走行。午後は奥本隼士と中村が計20周を走らせた。この日2回の走行を行ったKTMS GR YARISのベストタイムは、一條が記録した2分05秒237となった。

 明けて7月26日(金)の午前に行われた専有走行1回目は晴天で、一條と奥本のふたりがステアリングを握った。一條は22周を走り2分01秒611をマークし、午後の走行へと備えていた。ところが、昼すぎには強い雨が降り、専有走行2回目は雨の影響で15分遅れで開始。水飛沫を上げながらのコースインとなったが、次第に雨が止んだことで、路面コンディションも回復に向かった。

 ここでは小林と中村が7周ずつを走行。終盤には中村は2分05秒026をマークし、翌日の予選、そして日曜の決勝に向け着実に準備を進めていった。

■QUALIFY 公式予選
7月27日(土)
天候:晴れ 路面/ドライ

 前日午後の天候とは一変、7月27日(土)の予選日は朝から強い日差しが注ぐ酷暑となった。午前のフリー走行を経て、午後1時15分から公式予選が行われた。

 まずAドライバー予選に出走した一條は2分02秒448をマークし、ST-2クラスのトップにつけると、続くBドライバー予選では奥本がアタックに挑み、レースウイークでのベストを更新する2分01秒605を叩き出す。会心のアタックとなったが、それを上回ってきたのは#6ランサー。とはいえ、一発の速さはライバルに分があるのは分かっていたこと。予選後には「マシンのポテンシャル以上」と一條も語っており、合算で2番手でのフロントロウ獲得は納得の結果となった。

 C/D予選でも、小林が2分03秒064、中村が2分04秒190を記録。決勝に向けポジティブな状態で予選を締めくくった。

KTMS 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート
2024スーパー耐久第3戦オートポリス KTMS GR YARIS

■RACE 決勝レース
7月28日(日)
天候:晴れ 路面/ドライ

 予選後、オートポリスには雷雨が降ったが、迎えた7月28日(日)の決勝日には朝から太陽が照り付け、夏の暑さとなった。

 そんななか、午前11時から行われた決勝レースで、KTMS GR YARISのステアリングを握ったのは初めてのスタートドライバーとなった中村。スタートで飛び出した#72 シビックに先行を許し、#6ランサーに続いて3番手でオープニングラップを終えるが、中村は落ち着いて追い上げると、スタートから40分ほどでテールをとらえた。

 ここで無用にバトルしタイムロスをすることを避けるべく、チームは中村をピットに戻し、Aドライバーハンディキャップを消化。コースに復帰すると、中村は徐々にペースアップを図る。ただそんな中、1コーナー進入で、ST-Zの上位争いを展開していた車両が激しくクラッシュしたことによりセーフティカーが導入された。KTMS GR YARISの目前だったが中村は無事に回避し、チームを安心させた。

 チームはセーフティカー導入の機を逃すことなく、中村を呼び戻し一條に交代。一條も好ペースで追い上げていたが、ライバルたちに動きが。セーフティカーラン時のピットタイミングで#72 シビックが遅れ、さらに#6ランサーが開始から2時間という頃に、トラブルが発生。ピットに戻ってしまう。これでKTMS GR YARISがトップへと浮上し、目標である今季2勝目が見えはじめた。

 一條は首位をキープしたまま36周をこなし、奥本へとステアリングを託す。予選でも速さをみせた奥本はアベレージも良く、2分08秒台で周回。ミスなく快走を続けると、レースは最終盤へと突入。アンカーとして小林にラストスティントを委ねた。残り1時間時点の順位では#13 GR YARISが先行していたが、113周目にピットへ入ったタイミングでKTMS GR YARISがトップを奪還する。

 ただ、スティント途中からKTMS GR YARISには燃料系のトラブルも出はじめた。恐れていたトラブルだけに、小林は慎重なペースで走行。ミスを避けつつ、さらにタイヤをマネージメントしながら慎重にマシンをチェッカーまで運んでいく。小林は最後までしっかりと走り切ると、トップチェッカー! 2位となった#13 GR YARISに13.552秒のリードを築き、嬉しい今季2勝目を飾った。

 終盤には燃料系トラブルがあったものの、それをカバーする好走をみせたドライバーたち、そしてチームとしても大きなミスもなくレースを運んだことが、勝利へと導く結果となった。また、前回の富士24時間レースでは悔しい結果で終えていただけに、KTMSにとっても大きな勝利となった。

 第4戦もてぎではST-2クラスは開催されないため、KTMS GR YARISにとっての次戦は第5戦鈴鹿となる。約2カ月間のインターバルを挟むこととなるが、終盤戦とシリーズチャンピオン獲得に向けた大事な一戦とも捉えられる。オートポリスでの勝利も糧に、次なる鈴鹿もチームが一丸となって準備を進めていく。

KTMS 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート
2024スーパー耐久第3戦オートポリス KTMS GR YARIS

■DRIVERS & ENGINEER VOICE ドライバー&エンジニアコメント
一條 拳吾 KENGO ICHIJO

スタートから中村選手がすごく良いペースで走ってくれて、セーフティカーも良いタイミングで入り、チームの皆さんの判断もあってライバルを捕まえられたことが勝因だったと思います。少しドキドキするトラブルもありましたが、乗っている感じからも悪化する状態でもなかったので、マネージメントとペースもコントロールして、4人で冷静にバトンを繋げることができました。今回のトラブルもしっかりと検証して、もっと良い車と良いドライバーとして鈴鹿に挑みたいですね。

奥本 隼士 SHUNJI OKUMOTO
レースウイークを通して、本当に暑いなかメカさんもミスなく準備してくれました。予選も一條選手がAドライバートップで、僕もポールを目指したかったのですが、コースとクルマの特性で厳しい部分がありました。とはいえできるだけのアタックは予選でできましたし、決勝も3スティント目に受けたバトンをしっかり小林選手まで運べたので、ミスひとつなかったと思います。またインターバルでしっかりと準備して、鈴鹿でもこの流れを崩さないように頑張っていきたいです。

小林 利徠斗 RIKUTO KOBAYASHI
予選から一條選手と奥本選手にしっかりと決めていただいたので、良い順位からスタートできました。僕のスティントが回ってきた時にはすでにトップで、かつかなりのギャップもあったので、タイヤとクルマをいたわりつつゴールまで冷静に対処仕切ることができました。無事故で走り切れたことが非常に嬉しいですし、また良い経験になりました。トラブルもありましたが、チームとドライバー含めて勝てるポテンシャルが大いにあるので、今後も自信をもって臨みたいと思います。

中村 仁 JIN NAKAMURA
S耐でのスタートは初めてでした。正直スタートで僕たちよりも直線が得意なランサーの前に出ることは難しいと思っていましたが、そこはしっかり引く判断ができたので良かったです。ペナルティ消化前はペースを抑えていましたが、思ったよりも他車のペースが落ちてきたので、序盤に我慢した結果がそこに出たと思います。今回も力を合わせて良いレースができましたし、勝てる力は十分にあると思うので、鈴鹿ではできることをしっかりやってチャンピオン目指して走りたいです。

上田 昌宏 MASAHIRO UEDA  神戸トヨペットエンジニア
予選に関してはポールを獲れると思っていましたが、仕方がありません。そこでドライバーの乗る順番と作戦も切り替えることができたので、結果的に良かったと思っています。最初はタイヤの摩耗がひどく、ある程度タイムを抑えて最後に上げていく形をとりました。うまくいきましたが、途中で燃料系のトラブルが出てしまったので、次戦までに対策をしていきたいです。ライバルたちとも実力は拮抗しているので、作戦も含めて考えながら、また良い結果が残せるようにしたいです。


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