スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.13 22:44
更新日: 2024.04.17 20:48

LMcorsa 2024スーパーGT第1戦岡山 予選レポート


スーパーGT | LMcorsa 2024スーパーGT第1戦岡山 予選レポート

LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

設営日に起きた足まわりのマシントラブルを乗り越えて
新形式の予選では15番手となり、決勝レースでポイント圏内を目指す

 

<プロローグ>

 1カ月前の3月16~17日に岡山国際サーキットで実施された公式テストによって、シーズインしたスーパーGT 2024シーズン。

 LMcorsaは2021年からGR Supra GTにマシンをスイッチして、今シーズンで4年目となる。昨シーズンはポイント圏内に入ったのが8戦中3戦と、マシンを移行してからもっとも厳しい1年となってしまった。そのため、オフシーズンにはマシンバランスの最適化や徹底したメンテナンスなど、マシンのポテンシャルをより引き上げるために多くの時間を費やした。

 今季からスーパーGTは多くのレギュレーションが変更され、変革のシーズンとなる。まずはレースウイークで使えるタイヤが、300kmの決勝レースではこれまでの5セットから4セットに削減。また予選から決勝レースのスタートまで1セットのタイヤで走行することが定められている。そして予選方式は、ふたりのドライバーのタイムが合算されることになり、今までよりタイヤへ求められる耐久性が高まり、依存度も上がっている。

 3月には2回の公式テストが設けられていて、新たな予選方法のトライアルも実施された。LMcoraは、岡山国際サーキットと富士スピードウェイでの公式テストでは好調さをみせ、今季への期待ができる内容となった。

 そして、待望の開幕戦『SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE』は、4月13日(土)に公式練習と予選、14日(日)に決勝レースが実施されるスケジュールとなっている。

 走り始めの公式練習は予定どおりの9時30分にスタート。4月に入り一気に春らしい陽気が続いているが、このレースウイークはさらに暖かくなり、公式練習が始まる時点で気温は16℃、路面温度は28℃となっていた。

 設営日となった12日(金)にGR Supra GTの足まわりにトラブルが起きたが、夜までには修復され、公式練習の始めから無事に走行をスタートしている。まずは吉本大樹選手がマシンに乗り込み、タイヤの持ち込みの状況をチェック。複数回のピットインを繰り返してセットアップを調整すると、18周目に自己ベストタイムとなる1分27秒298をマークする。公式練習の開始から50分ほど経過したところで、吉本選手から河野駿佑選手へドライバーをチェンジ。引き続きマシンのセットアップを調整しつつ、決勝レースを見据えた走行も行なった。公式練習の結果は、吉本選手の記録がベストタイムとなり、GT300クラスの26台中14番手だった。

<気象データ>

気温:27℃、路面温度:36℃(予選Q1開始時)

<予選>

 今季から大幅に変更された予選は、予選Q1とQ2のタイムが合算させ競われることとなり、さらに使用できるタイヤは1セットのみ。そしてGT300クラスは、今までどおり予選Q1は2グループに分けられて競い、上位8台ずつが予選Q2のグループ1へ、予選Q1の9番手以降は予選Q2のグループ2へ振り分けられる。予選Q2グループ1のトップ(ポールポジション)から12番手まではタイム合算のとおりとなるが、13番手から16番手は予選Q2グループ2の上位4台とタイムが比較され、合算した結果が良い方が上位となる。つまり、予選Q1でトップ8入りを逃しても、最高で13番手を得ることができることになる。

 予選Q1は吉本選手が担当する。コースインから3周をウォームアップに充てると、計測4周目からアタックを開始。公式練習のベストタイムを上回る1分26秒674をマークするが、ライバル勢もタイムを伸ばしていたため、翌周もアタックを続ける。セクター1ではタイムアップを果たすがセクター2ではベストタイムを更新できず、結果的には1分26秒858となった。ミスなく走ったものの、惜しくも9番手で上位8台に入れず、予選Q2はグループ2を走行することとなった。

 予選Q2は河野選手がステアリングを握り、計測3周目からアタックする。予選Q1で使用したタイヤながらも河野選手はアグレッシブな走りをみせ、計測4周目に1分27秒004をマーク。グループ2の3番手タイムとなり、合算したタイムによって26台中15番手となった。

 明日の決勝レースは15番手から追い上げることになるが、タイヤの使用本数などの制限によって、展開は読みづらい。LMcorsaの統率されたピットワークや長所のチーム力によって、ポイント圏内を目指す。

<コメント>
●飯田章監督

「公式テストの内容などから考えると、予選の結果は予想外でした。もう少しタイムが伸びても良いと思っていましたし、予選Q1は上位8台に入れると感じていました。昨日のアクシデントが不利に働いたのか分かりませんが、公式テストのときの好感触がないとのことでした」

「高い気温はチームとしてプラスになるはずでしたが、そのようになっていません。タイヤの使用本数が少なくなったため決勝レースの展開が見えませんが、抜きづらいコースなので本当ならもう少し上位でスタートしたかったです。ただ、決勝レースのラップは悪くないはずなので期待したいです」

●吉本大樹選手

「昨日、ピット作業を練習していたときに、マシンの足まわりにトラブルが起きてしまいました。レース中に発生せず良かったのですが、代替え品が従来品とは異なっていて、走行に影響していたのかもしれません」

「新しい形式の予選は、予選Q1とQ2ともに同じタイヤで走るのですが、ライバル勢のパフォーマンスが高いことが分かりました。もし予選Q1がもう一方のグループだったら、リザルトは10位なので結果に悲観はしていません。決勝レースは始まってみないと分からないことが多いですが、少しでも追い上げていきたいです」

●河野駿佑選手

「公式練習では後半に乗り込んで、セットアップの調整や決勝レースを想定した走行を行ないました。公式テストに比べるとややグリップがないように感じていて、要因は気温の上昇だけでないと思っています」

「予選に向けてはセットアップを調整したこともあり、パフォーマンスは上がっていきました。予選Q1はグループ分けの不運もあって、上位8台に入れませんでした。担当した予選Q2は、最大限の走りを見せられたはずです。決勝レースは15番手からのスタートになりますが、ポイントを獲れる展開に持って行きたいです」


関連のニュース