更新日: 2024.06.01 23:18
LMcorsa 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 予選レポート
SUPER GT2024 rd3 Suzuka QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
公式練習では走り始めから状態が良く、トップ10内のタイムをマークしたが、予選では組分けの不運もあり予選Q1でグループ10位、合算タイムで15位となる
<プロローグ>
4月の第2週に岡山国際サーキットで開幕した2024年のAUTOBACS SUPER GTは、ゴールデンウイークの開催が恒例となった富士スピードウェイでの第2戦を経て、第3戦「SUZUKA GT 3Hours RACE」が6月1~2日に鈴鹿サーキットで実施される。
GR Supra GTを投入して4シーズン目となるLMcorsaは、昨シーズンの不調から抜け出すべく、オフシーズンにはマシンを一から見直しメンテナンスに勤しんだ。しかし、開幕戦から2戦連続で本来のパフォーマンスを発揮できず、苦戦を強いられている。今季から新しくなった予選フォーマットでの不運や決勝レース中の想定外のタイヤ交換など、ポイント圏外になった要因はあるものの、ポテンシャルを引き出せていないのが事実。そのため、今戦では是が非でもトップ10内が目標となる。
また、第3戦の舞台となる鈴鹿サーキットは、LMcorsaの母体となる大阪トヨペットグループの拠点からもっとも近いサーキットで、常に多くの関係者が訪れる。今回もグループの社員をはじめ多くのサポーターが応援にきているため、好結果を残したいところだ。
開幕から2レースの雪辱を果たす第3戦は、6月1日(土)に公式練習と予選、2日(日)に3時間の決勝レースが実施される。
レースウイークの走り始めとなった公式練習は、9時45分にスタート。Syntium LMcorsa GR Supra GTには河野駿佑選手が乗り込みコースに入ると、1周してすぐにピットに戻り、ドライバー交替のシミュレーションを行なう。ドライバーが吉本大樹選手に替わるとともに、ニュータイヤでコースイン。7周目には自己ベストタイムとなる1分59秒409をマークすると、この時点ではGT300クラスの27台中8番手となった。
その後は、ピットインとアウトを繰り返し、コース状況に合わせたベストなセッティングを探っていく。ただ、多くのマシンが周回を重ねていくとコースコンディションが悪化し、タイムが伸びない。セッション中盤にはふたたびニュータイヤを投入したものの、7周目に記録したベストタイムは塗り替えることができず、残り25分の時点で河野選手がふたたびマシンに乗り込んだ。公式練習の最後に設けられていたGT300クラスの専有走行から、その後のFCY(フルコースイエロー)の練習、サーキットサファリまでをひとりで走行。
公式練習の結果は吉本選手がマークした1分59秒409がベストタイムで、GT300クラスの27台中10番手となった。
<気象データ>
気温:25℃、路面温度:43℃(予選Q1時)
<予選>
予選は今季から採用されているふたりのドライバーの合算タイムで競われる。60号車のSyntium LMcorsa GR Supra GTは予選Q1でグループAに振り分けられ、14台中で8番手以内のタイムをマークすると予選Q2では上位16台が進出できるグループ1に、9番手以下だと下位11台のグループ2で走行することになる。
予選Q1は吉本選手が担当し、コースオープンから時間を空けてピットを離れた。アウトラップから計測2周をウォームアップに充てると、計測3周目にアタックに入る。セクター1、2はミスなくまとめるが、セクター3のスプーンコーナーで僅かにリアタイヤがグリップを失う。結果として、タイムは1分59秒399となった。先に走行を終えたグループBではトップ16に残れるタイムだったが、グループAは好タイムを残すマシンが多く、ボーダーラインまでわずか0.1秒差だったが10番手となった。
GT500クラスの予選Q1を挟んで、GT300クラスの予選Q2グループ2の走行が始まる。Syntium LMcorsa GR Supra GTには河野選手が乗り込み、アタックに入る。予選Q1でも履いたタイヤなのでウォームアップは1周短く、計測2周目にベストタイムを狙った。セクター3では吉本選手のタイムを上回るが、最後のシケインの進入でオーバーランを喫してしまう。そのため翌周もアタックを続け、タイムは2分00秒191となった。
両ドライバーともにミスはあったものの合算タイムでは15番手となり、明日の決勝レースはポイント圏内が見えるポジションでスタートする。天候が読みづらい決勝レースとなりそうだが、荒れた展開でこそLMcorsaのチーム力が発揮されるはずだ。
<飯田章監督>
「前回の富士スピードウェイ戦の後に鈴鹿サーキットでテストがあり、良い準備はできていました。公式練習ではマシンの状況も悪くなくトップ10内にいたので、予選ではそれほど後ろのポジションにはならないと思っていました。ただ、予選Q1ではグループAの10番手で、予選Q2は下位を競うグループ2での走行でした。同じマシンやパッケージでも上位争いをしているので、チームとして足りないところがあるはずです。反省点を見つけ出して、決勝レースでは挽回しなければなりません。明日は天候が不安定そうなので、チーム力で上位に入りたいです」
<吉本大樹選手>
「BoPと追加重量でマシンが非常に重たいのですが、それでも橋田エンジニアのこれまでにないセットアップが状況とマッチし、公式練習ではそれなりの手応えを感じていました。そこから小変更を繰り返したのでメカニックは大変だったと思いますが、完璧ではないものの予選に向けては良い方向が見つかりました。予選Q1の振り分けられたグループAは、公式練習のタイムだと強力なライバルが多く、接戦になると思っていました。アタック周のスプーンコーナーでタイムロスがあったので、それがなければトップ16に残れていたかもしれません。明日はウエットレースになりそうなので、コンディションを味方に付けたいです」
<河野駿佑選手>
「公式練習は最後の専有走行前から乗ったのですが、その前に吉本選手がさまざまなセットアップをトライしていました。色々と試す中で良いところもあり、しっくり来ました。ただ、予選Q1は組分けの不運やミスもあり、予選Q2はグループ2での出走となりました。私もアタック周のシケインでオーバーランしてしまい、結果的にベストタイムを伸ばせませんでした。現状では、ふたりのドライバーとチームがミスなく持っている力を発揮しないと、上位で戦うことは難しいと感じています。その面で、今日はポテンシャルのピークを予選にぶつけられなかった悔しさがあります」