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投稿日: 2024.11.23 19:18
更新日: 2024.11.23 19:19

Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第7戦富士 レースレポート


国内レース他 | Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第7戦富士 レースレポート

Porsche Team EBI
Super Taikyu RACE REPORT

2024 Round.07  FUJI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第7戦 S耐ファイナル 富士
2024年11月16日(土)〜17日(日) 決勝レース結果:9位

スポーツ走行/STMO専有走行
11月14日(木) スポーツ走行 天候:曇り〜雨 路面:ドライ〜ウエット
11月15日(金) STMO専有走行1回目 天候:雨 路面:ウエット

 第5戦鈴鹿での嬉しい今季初優勝をチャンピオン争いに繋げるべく臨んだ第6戦岡山では、厳しい性能調整やハンディキャップなどに苦しめられたPorsche Team EBI。残念ながらST-Zクラスのチャンピオンには届かないことが第6戦で決してしまったが、それでもランキング2位には届く可能性が十分ある。シーズン最終戦を好結果で終え、ランキング2位をつかみとるべく、ふたたび富士スピードウェイに舞台を移して行われる第7戦に臨んだ。

 そんな一戦のレースウイークは、11月14日(木)のスポーツ走行枠から始まった。曇り空のもと、スーパー耐久参戦車両以外も走る混雑した状況のなか、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは久保凜太郎から走行を開始し、山野直也にも交代しながらセットアップを進めたが、走りだしはあまり感触が良くない。とはいえセット改良を進めた結果、良い方向に好転していった。

 スポーツ走行の2回目も順調にセッションが進められていたものの、途中から雨が降り出してしまい、コンディションはウエットに転じた。この雨は11月15日(金)の専有走行でも続いてしまい、久保と北園将太、岩澤優吾がウエットコンディションのなかドライブ。1分54秒949というベストタイムで5番手でセッションを終えた。

 ただ、午後の専有走行2回目は、濃霧による視界不良のためディレイを続け、結果的にキャンセルとなってしまう。予選に向けた確認は、11月16日(土)のウォームアップ走行に持ち越されることになった。

公式予選
11月16日(土) 公式予選 天候:曇り 路面:ドライ

 悪天候となった1日分の走行を経て、迎えた11月16日(土)の予選日は、ややコースに水が残っていたもののようやく天候が回復していた。

 ウォームアップを経て迎えた午後1時20分からの公式予選。Aドライバー予選では北園が1分48秒437を記録し9番手に。Bドライバー予選では雨が降り出す不安定な天候のなか、久保が1分47秒341を記録。合算でも9番手につけた。

 ライバルたちの前にもう少し速さが欲しいところではあったが、決勝レースを見据えたセットアップであり、不安定な天候も影響した。

 Cドライバー予選では、山野が1分49秒008を記録。Dドライバー予選では岩澤が1分49秒286を記録し、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSはあくまで日曜のレースを見据えて公式予選を締めくくった。

Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
2024スーパー耐久第7戦富士 Porsche Team EBIの北園将太/久保凜太郎/山野直也/岩澤優吾

決勝レース
11月17日(日) 決勝 天候:曇り/雨 路面:ドライ/ウエット

 迎えた決勝日、11月17日(日)の富士スピードウェイは朝から晴天に恵まれ、この時季としては暖かなコンディションのもと、午後0時26分から決勝レースのスタートが切られた。

 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSのスタートドライバーを務めたのは山野。序盤から大混戦のなか、ST-Qクラス車両等も交えながら、激しくポジションを入れ替えつつ11周目を終える頃には8番手につけた。ただその直後の12周目、ST-3クラスの車両が300Rで激しくクラッシュ。ガードレールの補修が必要となってしまい、フルコースイエローからセーフティカーに切り替えられ、スタートからわずか43分でレースは赤旗中断となった。

 スタートを担当していた山野も序盤から危ないシーンがあったが、今回は65台という参戦台数。広い富士とはいえ、大きなアクシデントがあっても不思議ではなかった。

 ライバルたちの中には中断前のセーフティカーラン時にピットインしていたチームもいたが、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは山野が1時間7分ほどを経て迎えた後もステアリングを握り、26周を終え岩澤に交代した。

 ピットアウトした岩澤は7番手前後につけることになるが、後方にはランキングの直接的なライバルである#34 アウディがつけていた。ただ岩澤は、これを突き放す走りをみせ、さらなる上位進出を目指した。岩澤は11周をこなしピットインすると、北園に交代した。

 ただその直後、スタートから2時間半が過ぎた頃、後方につけていた#34 アウディがトラブルに見舞われた周回遅れをかわそうとしてダンロップコーナー手前でクラッシュしてしまった。ガードレールが大きく変形しており、再度フルコースイエローからセーフティカー、そして2回目の赤旗中断となった。

 北園は54分の中断の後、30分ほどのレース終盤を戦ったが、ここで同様にランキング上位を争っていた#885 GR SupraがEBI GROUP Cayman GT4 RS CSを先行する展開となった。

 北園は#555 メルセデスをかわすなど最後まで追い上げを続けたが、30分という短いスティントのなかで再度フルコースイエローが出るなど、荒れた展開が続き、最後はクラス9位でフィニッシュすることに。目標としていたランキング2位は叶わず、3位という順位でシーズンを終えることになった。

 とはいえ、今シーズンは新たな体制を築きながらも、第5戦鈴鹿での優勝をはじめPorsche Team EBIは着実な成長を遂げることができた。また何より、ポルシェの魅力を伝え、そしてディーラーメカニックの成長を実感した。次なるシーズンはまだ今後検討となるが、チームはふたたび強くなってサーキットに戻ってくる。

Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第7戦富士 レースレポート
2024スーパー耐久第7戦富士 EBI GROUP Cayman GT4 RS CS

DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太

「最終的にランキングは3位となってしまいましたが、個人的にも内容があまり良くないレースでした。予選順位がもう少し良かったとしても同じだったかもしれませんが、自分自身がもっと頑張らなければと感じました。今年は体制も変わり若いチームになりましたが、ちゃんと結果も残ったことについてプロの皆さんに感謝しています。またこの体制をまとめた山野選手の力が大きいと思います。来年がどうなるかは分かりませんが、またチャンスがあるのならば、悔しい思いを力に変えたいと思います。皆さんに感謝ですね」

RINTARO KUBO 久保 凜太郎
「レースでは中断もあり、ストラテジストに徹することになりました。さまざまな条件が残っていたので、その場その場での対応になってしまったところがありました。もったいないところもありましたね。今年は2015年以来チームに参加することができて、途中から作戦も担当しましたが、ドライバーとしても、レース界に身を置くひとりとして信頼してもらったことは嬉しかったです。作戦を考えているのに予選で苦戦するところもあったので(苦笑)、走りはもっと自分を改善しないといけないと感じました」

NAOYA YAMANO 山野 直也
「僕たちは一度もセーフティカーやフルコースイエローを使ったピット作業ができませんでした。クルマにスピードもなくランキング2位は得られなかったので、残念なイベントになってしまいました。スタート直後から何か大きなアクシデントがありそうでしたが、僕も危ないシーンがありました。シリーズ争いとしては、開幕2戦くらいまでなかなか狙えなかったので、それができればもっと楽なシーズンになったと思います。しかしタイトル争いもできたので、チームとして力がついたのではないかと感じています」

YUGO IWASAWA 岩澤 優吾
「今週、ドライブする時間はあまり多くなかったのですが、レースでは自分のスティントで、ランキングを争っていた#34 アウディよりも良いタイムで走ることができていたので、その点ではすごく貢献できたのではないかと思っています。今シーズンは初めてスーパー耐久に参戦しましたが、まだ分からないことが多かったにしろ、毎戦戦い方などが分かってきましたし、後半戦からは優勝争いもすることができました。自分のキャリアにとっても良い一年になったと思います。チームの皆さんに感謝したいですね」


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