更新日: 2024.07.12 21:05
HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.3 鈴鹿サーキット
■日時 2024年6月1~2日
■場所 鈴鹿サーキット
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉
■リザルト 予選22番手/決勝18位
現状打破を⽬指した鈴⿅
タイヤのマッチング含め、改善を要す結果に
6⽉1〜2⽇、三重・鈴⿅サーキットにおいて、スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』が⾏われた。今なお進化を続けるNo.25 HOPPY Schatz GR Supraは、予選22位から⻑丁場の戦いに臨み、18位でレースを終えている。
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ご機嫌いかがですか、ホピ⼦です。早くも開幕から3戦⽬を迎える今シーズンですが、舞台は鈴⿅サーキット。昨シーズンは第3戦で予選5位という結果が出ているだけに、今回も結構いけるんじゃ!? なんてほのかな期待を抱いて現場に⼊りました。開幕の岡⼭、そして富⼠を戦うなか、やるべきことにフォーカスして前進しているという⾃負はあるんですが、レースという戦いの場にいる以上は、⾃分たちの取り組みに対して必ず”結果”、つまり順位が伴うわけで……。そこがシビアであり、それこそがレースなんですが。そういう諸々の状況もぜーんぶひっくるめて、とにかくコツコツ頑張っていますので、その積み重ねが結実することを今は信じるのみ、で邁進しています!
鈴⿅は搬⼊⽇にちょっと⾬が降って、⼟曜⽇の予選はぐんぐん気温が上がる初夏の陽気でした。午前9時45分、気温25度、路⾯温度34度のコンディションの下で公式練習がスタート。セッション終了までに気温は28度、路⾯温度は46度まで上がりました。まずは菅波冬悟くんがホピ⼦の状態をチェックします。15分位経つと、定期的にピットインを繰り返し、調整、また調整という感じに。GT500クラスとの混⾛中に、松井孝允くんもコースへ。とはいえ、アウトラップからインラップを含めてわずか4周だったので、アタックシミュレーションをやった、ってことですね。その後も冬悟くんは頻繁にピットインしてクルマ作りの作業に奮闘していました。チームベストタイムはセッション序盤に冬悟くんがマークした2分02秒405。ポジションは26番⼿でした。
今回も前回の富⼠戦と同様の3時間レース。スーパーGTの鈴⿅で時間制レースを開催するのは初めてのこと。昨シーズンの第3戦はレース終盤に⾚旗になった⼤荒れの展開だったので、参考にするのは難しいのだけれど、富⼠戦と同じようにレースが進むと仮定すれば、だいたいGT500 のトップ⾞両が90 周から93 周を⾛⾏する感じかな!? 予選⽇と変わらず、決勝⽇も強い⽇差しでタフな戦いになるかと最初は思ったけど、どうやらそんな感じではなさそう……。週間天気予報とにらめっこしてたら、どんどん⾬模様に変わっていくじゃないですかっ!
確かに、沖縄をはじめとした⼀部の地⽅が梅⾬⼊りしたけど、鈴⿅はまだ先の話だと思っていただけに、ちょっと⼼配。加えて⾬量が1ミリとか2ミリとか、なんかとっても“ビミョー”なんですよね。気温が⾼くて霧⾬みたいな天気だと、ウエットタイヤでの⾛⾏がかえって難しくなることもあるわけで。タイヤの特性やらコースコンディション、そして気温……いくつもの条件がどう合わさるかによって、どうなるのやら。難しいレースになることだけは間違いないでしょうね。だからこそ、ミスなくしっかり安定したレース運びを⾒せないと! いつも以上に気持ちが引き締まった感じです。
そして、3時間レースなので……。そう! 今回も佐藤公哉くんが第3ドライバーとしてエントリー。公式練習のあと、コース上ではFCY とサーキットサファリのセッションが⾏われたので、このタイミングで公哉くんがドライブ。ところが、観光バスと⼀緒にコースで⾛⾏するサーキットサファリ中にホピ⼦、デグナー2ふたつ⽬を⽴ち上がったときに調⼦が悪くなって(汗)。公哉くんは、駆動を感じなくなったホピ⼦をなんとかピットまで戻そうと⾛ってたんだけど、ホピ⼦が踏ん張りきれず……。結局ヘアピンのアプローチの右側で⽌めちゃったんですよね。場内アナウンスでは「おっと! 駆動系か!?」なんて⾔われちゃったけど、実際はそうじゃなくて、コンプレッサーが不具合を起こしてしまったんです。どうにもならなくて、動けなくなりました。コース上のみなさん、失礼しました。公哉くんも結局全然⾛れなくてごめんね。
⼤きなトラブルではなく、その後予選に向けて修復作業を済ませたホピ⼦。無事に午後3時からの予選にはリカバリーができました。みなさん、ご⼼配をおかけしました。ホピ⼦はQ1・A組に出⾛するので、午後3時18分からのセッションです。与えられた時間は10分。アタックを担当するのは、今朝からホピ⼦を仕上げようと奮闘中の冬悟くん。気温は26度、路⾯温度は45度まで上昇しました。さぁ、いよいよアタック開始です!
実のところ、チームそしてドライバーのみんなが装着しているタイヤとホピ⼦とのマッチングをすごく気にしていました。確かに朝からタイムが思うほど出てなかったし。「パフォーマンスが⾜りない」って冬悟くんが⾔ってたことを受けて、チームが予選に向けて⼤きく調整をしてくれたけど、コースに出たらどうなるか。実は、第2戦富⼠のあと、鈴⿅でGTE(GTエントラント協会)主催のGT300専有テストがあったんだけど、ホピ⼦はお休みしてて⾛ってないの。季節的にだんだん気温が上がり、路⾯状況も厳しくなるなかでの鈴⿅戦だったから、チームは持ち込みタイヤの選択にあたって、鈴⿅テストに参加したGTA-GT300規定⾞両のヨコハマタイヤユーザーのデータを参考にしたんですよね。アタックに向かった冬悟くんは、計測3周⽬にベストタイムとなる2分00秒874のタイムをマーク。公式練習よりはしっかりタイムアップしたものの、このグループで12番⼿に留まりました。「上位陣とタイム差は縮まったものの、結果としては良くなかったですよね」と悔しそうな表情を⾒せました。
続くQ2は、孝允くんがグループ2で⾛ります。公式練習時では、ほぼ冬悟くんにドライブを任せ、チームと⼀緒になってセッティングの⾒直しやタイヤの使い⽅などを話し合っていた孝允くん。計測2 周⽬にアタックし、2分01秒253をマーク。このグループで4番⼿につけました。2選⼿のアタックラップタイムを合算した上で、最終的な総合順位はクラス22番⼿に。ある程度、覚悟はしていたものの厳しい結果でした。孝允くんも「タイヤとクルマの相性、⽅向性がちょっとまだ違う感じだった」とアタックを振り返っていたけれど、とにかくみんながセットアップに時間を割きたいと思っていた感じ。これからどんどん暑さが厳しくなるなかでのレースが待ち受けるだけに、クルマとタイヤの相性をしっかりと⾒極めて戦闘⼒を上げて⾏くために、たくさん課題が⾒つけられた予選⽇でした。
迎えた決勝⽇の天気は下り坂。梅⾬前線と低気圧の影響を受けているらしく、早朝の上空は薄曇り。サポートレース開催を前に、パラパラと⾬が降ってきました。でも不思議と本降りにならず、すぐ⽌むんです。決勝レースを前にどう天候が変わるか、気がかりなホピ⼦。みんながんばって準備しているところにいきなり⾬になったら、タイヤは替えなきゃいけないし、セットアップだって……とちょっとナーバス気味。でも、百戦錬磨なチームのみんなは、粛々と来たるべきときを前にやることを黙々とやってます。ホピ⼦もちょっと冷静にならなきゃ、ですね(苦笑)。
なんとか天候も崩れることなく、決勝を迎えるのかなぁと思った⽮先、急に⾳を⽴てて⾬が降り始めました(涙)。しかもウォームアップ⾛⾏開始直前ですよ、直前! みんなウエットタイヤを履いてコースインし、20分間のセッションでしなければならないことに取り組みました。ところがこの⾬、本降りのようで降ってる場所が実に断定的だったんです。メインストレートを⾛るときはワイパーが必要なんだけど、⻄コースに向かうと「⾬!? どこで降ってるの?」って感じで。⼈騒がせっていうか、なんていうか。当然セッション中はウエット宣⾔が出ていたんだけど、セッションが終わると⾬がどこかに⾏ってしまい、また⽇差しが出てきたんです。スタート進⾏中、⼤勢の関係者やお客様がグリッドにお⾒えになったけれど、そのときにはもうコンディションがすっかり回復! いったいあのウエット⾛⾏は何だったのでしょうね。結局、午後1時30分からの決勝レースはドライでスタートが切られることになったのでした。
気温24度、路⾯温度31度のなか、3時間レースがスタート。ひと⾬降ったことで、気温こそ前⽇より1〜2度下がっただけだったけど、路⾯温度が激変。前⽇⽐で約10度低いコンディションでのレースになりました。これが結構影響を与えたみたい。GT500クラスの⾞両でも思うようにペースアップできずに厳しい戦いになったっていう声を聞いたけど、まさにホピ⼦もその状況下に置かれていたのです。
スタートドライバーは冬悟くん。タイヤをうまくコントロールしながら戦うなか、ひとつ、またひとつとポジションアップを⽬指します。開始から40 分くらいしたときにポツポツ⾬が落ちたものの、崩れることなくレースは進⾏。チームはスタートから1時間経過する前にピットインすることを決め、27周終わりにホピ⼦をピットに戻しました。タイヤ交換と給油はしたのだけれど、冬悟くんが継続してそのままダブルスティントでコースに復帰。ニュータイヤになったから、どのくらいタイムアップするのか気になったホピ⼦だけれど、実際のところは⼤きな変化もなく……。ただ、冬悟くんは19番⼿までポジションを上げて周回を続けていたのでした。
2回⽬のピットインはレース開始から1時間50分を過ぎたあたりのタイミングで実施。ちょうど50周終わりのときです。この頃になると、気温は26度、路⾯温度は36度と逆に⽇差しを受けてコンディションは上昇していました。コース上はタイヤカスなどで路⾯が汚れてきているので、さらにドライブには注意が必要です。フルサービスでドライバーが孝允くんになったわけですが、ホピ⼦のペースはやっぱりピリッとしないまま……。結局、最後までずーっと“何か”が⾜りないまま⾛り続けることになりました。
タイヤって開発することで、良いものを作っているはずなんだけど、じゃあ何が“良くなった”のか、そこがキモなんですよね。進化したとしても、クルマ、路⾯にマッチしなければ、なんにもならない。そう、しっかりと戦えないんです。今回も無事に3時間レースを⾛り切ることができたホピ⼦だけど、まだまだみなさんに“戦うホピ⼦”を⾒せるまでには⾄ってないのかな、という感じ。武⼠監督もなんだか消化不良のような難しい顔つきでサーキットから帰路についたようです。
このあとスーパーGTは第4戦富⼠開催まで、ざっと2カ月という⻑いインターバルに⼊ります。この間、レースで得たデータをしっかり分析し、タイヤとの相性をさらに良くするための策を講じなければなりません。7⽉にタイヤメーカーテストが宮城・スポーツランドSUGOで⾏われるので、そこでしっかりと⾛り込んで、速く、強くなるための“何か”をみんなに⾒つけてもらいたいと思うホピ⼦です。それでは、夏の富⼠でまたお⽬にかかりましょう!
菅波冬悟
「今⼤会は、昨年⾼パフォーマンスを発揮することができた鈴⿅サーキットでの開催となり、前⼤会の結果を踏まえてマシンの⽅もアップデートを施して挑みましたので、期待の⾼まるレースでした。しかし、⾛り始めからパフォーマンスに⼤苦戦する厳しい展開となりました。苦しい状況の中でしたが、コツコツと改善できるポイントを模索して、今まで分かっていなかったことも理解出来ましたので、次戦以降に活かしたいと思います。次戦の富⼠⼤会はインターバルが開いての開催となりますので、インターバルを有効活⽤してより⾼いパフォーマンスを発揮できるように頑張ります。今⼤会も応援ありがとうございました!」
松井孝允
「3戦⽬となりクルマへの理解も進み相性の良いサーキットなので期待して挑みました。⾛り始めてトップになるには何が⾜りないかはハッキリとわかりましたが、現場のアジャストでは及ばず悔しい結果となってしまいました。クルマの⾜りないところ、タイヤの⾜りないところ、チーム、ヨコハマタイヤさんと共に今後へのレベルアップを測り良い結果をみんなで掴みに⾏きます。たくさんの応援ありがとうございました。引き続き応援宜しくお願い致します」
佐藤公哉
「皆様、今⼤会もたくさんの応援ありがとうございました! 今⼤会は体調不良で決勝でドライブすることはありませんでしたが、次戦に向けて苦しい状況を脱するように、このインターバルでビッグステップを踏んでチームの⼒になれるように最善を尽くしていきたいと思います。引き続き応援宜しくお願いいたします!」
⼟屋武⼠監督
「今回の鈴⿅ラウンドは、ヨコハマタイヤ最上位の予選5位を獲得したサーキットとして、前半戦の⼭場として挑んでいました。残念ながら思ったような速さもリザルトも残せず、応援していただいている皆さんの期待に応えられなかったことは本当に申し訳ない気持ちです。原因としては今年投⼊されている新構造のタイヤが、うまく機能していなかったことですが、開幕から3戦を経て、じっくりとタイヤは⾒極められたので、その検証結果の元、次戦以降に向けては新たにタイヤ開発をしていくことを、ヨコハマのエンジニアと合意したところです」
「幸い、3位にヨコハマタイヤユーザーが⼊ったので、そのタイヤをベースに進めていきます。技術開発というのは正しい根拠に基づき、⼀つ⼀つ丁寧に積み重ねていくことでしか活路は⾒出せないと、⻑
年レースをやっていて分かっていますので、昨年途中から⾛れていい分の遅れを取り戻すべく、次戦富⼠の前に合同テストがスポーツランド菅⽣で⾏われるので、しっかりと⾛ってデータを積み上げていきたいと思います。3戦しっかりと完⾛できたことはポジティブですが、ここからは貪欲にリザルトを獲りに⾏きたいと思います。今回もたくさんの応援をありがとうございました! 次戦も変わらぬ応援をよろしくお願いいたします!!」