Porsche Team EBI 2024スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート
Porsche Team EBI
Super Taikyu RACE REPORT
2024 Round.06 OKAYAMA
ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第6戦 スーパー耐久レースin岡山
2024年10月26日（土）〜27日（日） 決勝レース結果：5位
特別スポーツ走行／STMO専有走行
10月24日（木） 特別スポーツ走行 天候：曇り 路面：ドライ
10月25日（金） STMO専有走行1回目／2回目 天候：晴れ 路面：ドライ
9月28日（土）〜29日（日）に行われた第5戦鈴鹿では、スピードと展開を活かし嬉しい今シーズン初優勝を遂げたPorsche Team EBI。タイトル争いでもランキング2位に浮上し、首位とのギャップを広げるべく臨んだ第6戦の舞台は、岡山県の岡山国際サーキットだ。タイトなコースで争われることから、グループをふたつに分けた3時間レースで行われた。
そんな一戦に向け、チームは10月24日（金）の特別スポーツ走行に臨んだ。EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは午後3時35分から行われた2回目から走行をスタートさせ、山野直也、北園将太、久保凜太郎と交代しながら周回。特に北園は岡山が初めてだったが、走り出しから1分40秒台を刻むなど、初走行を感じさせないドライブをみせた。
明けた10月25日（金）は、10月末とは思えない暖かさのなか午前11時と午後3時35分から1時間20分ずつの専有走行が行われた。午前の1回目は北園、久保、再度北園がドライブし最後は山野が乗り込み、午後の2回目は山野から走行を始め、この日から合流した岩澤に交代。北園、久保と代わり走行を締めくくった。
ただ、今回は性能調整が非常に苦しい。車高は5mm上げられ、エアリストリクターは小さくされ、車重も重くされている。もちろん第5戦を制したことでのウエイトハンデは甘んじて受ける必要があるが、それでもライバルの速さに対しては厳しい。決勝に焦点を当てながらも、専有走行1回目は10番手、2回目は6番手という順位で1日半の走行を終えることになった。
公式予選
10月26日（土） 公式予選 天候：曇り 路面：ドライ
特別スポーツ走行と専有走行を経て迎えた10月26日（土）の予選日。曇り空のもと、午前10時20分から行われた公式練習を経て、午後1時40分から公式予選を迎えた。
前日までの走行でも非常に厳しい状況となっていたEBI GROUP Cayman GT4 RS CSだったが、「自己ベストは更新することができたのですが……」と北園が1分38秒250を記録するも、結果は11番手。クラス最下位となった。Bドライバーの久保も11番手だ。同じ車両を使う#19 Caymanがタイムが良いだけに、解せない結果となった。Cドライバーの山野もDドライバーの岩澤も#19 Caymanの後塵を拝してしまう。性能調整を考えても非常に厳しい状況で、チームは決勝レースに向けてなんとか立て直しを図ることになった。
決勝レース
10月27日（日） 決勝 天候：曇り／雨 路面：ドライ／ウエット
サクセスウエイト、そして性能調整という苦しい条件のなか、予選では厳しい戦いを強いられたPorsche Team EBIは、10月27日（日）午後1時30分からの決勝レースに臨んだ。
この日の決勝では、さらにチームを悩ませる障害があった。毎戦課せられるAドライバーハンディキャップだ。Porsche Team EBIはピットストップ時に追加のストップ時間が課せられるが、前戦鈴鹿は5時間レースで10秒だったものが、3時間レースの今回はさらに時間が伸び、20秒になっていたのだ。チームはそれを打開すべく決勝ペースを重視しセットアップを進めてきたが、このペースを活かすべく戦略を組んだ。この日の岡山国際サーキットは曇り空で、天気予報ではレース終盤には雨が降り出す予報もあった。スピード、Aドライバーハンディキャップ、そして天候とあらゆる状況を検討しながら作戦を検討し、北園をスタートドライバーに据えた。
北園はスタート直後、#19 Caymanをかわし10番手に浮上する。その後も前を走る#885 GR Supraを追いながらレースを進めていったが、12周目のダブルヘアピンでは#19 Caymanに追突されスピンを喫してしまった。
ただその後北園はしっかりと自らのスティントをこなし、35周を走りピットへ戻った。第2スティントを務めることになったのは山野だ。
20秒のストップをこなしながら、さらにタイヤ無交換作戦を敢行すると、山野は着実なペースで追い上げをみせた。ただ、そんな中天気予報よりもやや早く、岡山国際サーキットには雨が降り出してしまった。とはいえコース上はいきなり路面が悪くなる状況ではなく、山野はスリックタイヤのままレースを進めていった。
チームは雨の状況、そして他車のタイムをにらみながら山野のピットインタイミングをうかがった。雨が強くなっている状況ではニュータイヤを履いているライバルが速いことを確認すると、66周を終えてピットへ山野を呼び戻し、久保に交代。ニュータイヤに交換し送り出した。
久保は終盤、期待に応え追い上げをみせていく。雨は上がりはじめドライに転じていたが、この状況でもニュータイヤの効果が発揮された。
レース終盤、ダブルヘアピンでアクシデントが起きフルコースイエローが導入されたが、このタイミングを活かし久保は6番手へジャンプアップ。そのままチェッカーを受けた。さらにレース後他車の失格により、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは5位でレースを終えた。
今回のレースの結果、2位に入った#52 GR SupraがST-Zクラスのチャンピオンを決めることになった。逆転タイトルはならなかったが、まだランキング2位の可能性はある。Porsche Team EBIは最終戦富士で最高の結果を残すべく、一丸となって臨んでいく。
DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「序盤、他車とヒットされてしまってダブルヘアピンでスピンしてしまいましたが、もっと僕が速ければ当てられることはなかったと思うので、自分の責任だと思っています。ただその後はハーフウエットの難しい状況で山野選手が光る走りをみせてくれましたし、終盤には粘り強く久保選手が順位を上げてくれました。ふたりに助けられた週末になったと思います。この性能調整は本当に厳しい状況だったので、強く改善を要望したいです。次戦はもっと良いレースになると思うので、頑張っていきたいです」
RINTARO KUBO 久保 凜太郎
「木曜の走り出しから決勝レースのロングランを意識してクルマを作ってきたので、予選は悔しかったにしろ、レースはどうにかできると思っていました。雨が降る予報もあったので、ストラテジーとして北園選手をスタートドライバーに据えましたが、ライバルはAドライバーが中盤ウエットで苦しんでいたので、それが終盤のジャンプアップに繋がったと思っています。ペースの良さが活きましたね。最終戦はランキング2位がかかっていますが、寒い時季のセットアップと4時間レースの戦略もしっかり考えていきたいです」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「この週末、クルマに速さがなかった状況を考えるとベストリザルトになったのではないかと思います。チームもノーミスで戦ってくれましたからね。自分のスティントではタイヤ無交換で臨みましたが、途中で雨が降ってきたこともあり、いちばん降りが強かったときにピットインし久保選手に交代しました。最後は良いペースで走ってくれました。とにかく決勝で良いペースで走れるようにしたのが良かったですね。タイトルには届きませんでしたが、次戦富士で性能調整の改善を期待しつつ、シリーズ2位を目指したいですね」
YUGO IWASAWA 岩澤 優吾
「今回、僕はあまりドライブをしませんでしたが、Dドライバー予選では決勝に向けたセットアップの見直しなどを担当させていただきました。決勝に向けていろんなことを試したのですが、レースの結果を見るとまだ少し足りなかったのかな、と思っています。Dドライバー予選だけでももっとチームの力になれるようにしたいと思いましたね。次戦はもう最終戦ですが、時間も長いレースですし、ふたたびドライブするチャンスがありますからね。最後はしっかり優勝できるように頑張っていきたいと思っています」
