更新日: 2024.11.02 19:54
Team LeMans 2024スーパーGT第8戦もてぎ 予選レポート
2024 SUPER GT Round.8 MOTEGI GT 300KM RACE
公式練習&予選レポート
ウエットマイスターVELOREX Ferrari、公式練習2番手、予選Q1は赤旗でアタックを逃すも5番手、予選Q2は7番手でチェッカー
●11月2日(公式練習/予選)
台風のため延期となった鈴鹿大会が12月7~8日に控えていることで、例年であればチャンピオン決定戦となるモビリティリゾートもてぎでのスーパーGT第8戦は、タイトル争いへの重要な一戦として開催されました。
今年のスーパーGTは例年以上に雨に悩まされるシーズンとなっていますが、本大会も土曜日は朝から雨が降り続き、朝9時から開始された公式練習では6度の赤旗が出される荒れたセッションとなりました。
前回の第7戦オートポリス大会では雨のなか、ポールポジションを獲得した6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、ロベルト・メリ・ムンタン選手がステアリングを握りコースイン。コースイン早々まだタイヤが温まる前の段階から装着したレインタイヤの手応えが良いと無線でピットに好感触を伝えたばかりの段階で、コース上にストップした車両のため走行開始3分で赤旗中断。9時8分に再開され、ふたたび9時15分に赤旗が出され、その段階で3周して3番手タイムをマーク。9時40分に再開されたものの、9時46分に3回目の赤旗が出されました。
その後、9時52分に再開されたものの、10時7分に4度目の赤旗。思うようにアタックができないフラストレーションのなか、10時15分に残り30分でセッションが再開されると、自身にとって10周目にトップタイムをマーク。さらにタイムを更新し、1分59秒107をマークしたものの、10時22分に5回目の赤旗が出され、そのままGT500クラスとGT300クラスの混走セッションが終了しました。
その段階で6号車は2番手タイムでしたが、GT300クラスの専有走行で本格的なタイムアタックをしようとした矢先、セッション開始4分で雨量の増加により危険と判断され赤旗終了。午前中のセッションはその後すべてキャンセルとなり、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは公式練習を2番手で終えることとなりました。
エントラント代表の古場博之は、「今回持ち込んだタイヤは菅生の時とは全然違うタイプのレインタイヤで、ピットロードを出た瞬間から違いがわかるほど良いフィーリングだったようです。片山義章選手を走らせるタイミングが赤旗のせいでなくなってしまったのが悔やまれますが、マシンのバランスは問題ないので、このまま予選アタックとなっても大丈夫でしょう」と自信のほどを覗かせました。
雨にもかかわらず、多くのファンがひしめき合うなかでピットウォークも無事開催され、雨は強くなったり弱まったりと不安定な状況でしたが、サポートレースも通常どおり開催されました。
14時、気温17℃、路面温度19℃、湿度97%というコンディションのなか、予選Q1がスタートしました。ドライバーはロベルト・メリ・ムンタン選手。GT300クラスの全車が一斉にコースインし、上位14台を目指してアタックを開始。ロベルト・メリ・ムンタン選手はタイヤを温めながら前車との間隔を図り、4周目に2分03秒257をマークし、さらにアタックを続けたのですが遅いマシンに引っかかってしまい、再度遅いマシンとの間隔を開きながら再度アタックを試みるタイミングで天候悪化のため残り7分40秒を残して赤旗中断。暫定8番手につけ、ピットに戻りました。
主催者側は、14時35分から10分間に延長して予選再開を発表。霧が心配されましたが、何とか公式予選は再スタート。前を行くマシンを次々パスしてスペースを確保したロベルト・メリ・ムンタン選手は早々にアタックを開始し、2分00秒592をマークし、5番手を確保。さらに1周おいて再度アタックに突入し、セクター1、セクター2、セクター3と自己ベストを更新しつつ最終セクターに入ったところでまたしてもコースアウトした車両によって赤旗中断。アタックラップを中断してピットに戻った6号車でしたが、セッションは1分50秒を残してそのまま終了となりました。
予選Q2は15時31分から開始。ドライバーは、片山義章選手です。朝の公式練習は走行するチャンスが無く、FCY走行もキャンセルされた為、片山義章選手にとってはまさに一発勝負となった予選Q2。ウエット路面とタイヤのグリップを確認しながら毎ラップ,着実に自己ベストを更新し、タイヤが温まったアタック4周目に1分58秒367をマークし、7番手でチェッカーを受けました。
■ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「前日の天気予報では、また前回のオートポリス同様、土曜日は悪天候でキャンセルされ、日曜日に予選、決勝となるのではと思っていましたが、今回はギリギリ開催できる程度の雨量でしたから、走り出しから気合いを入れて頑張りました」
「朝の公式練習では赤旗が6回も出て、満足なアタックができませんでしたが、走り出しからタイヤのグリップ感もあり、遅いマシンに引っかかりながらも2番手タイムをマークできました。公式予選もアタックラップ中に赤旗が出て、ベストタイムを刻めませんでした。あれがなければ3番手タイムはマークできたとエンジニアが言っていましたが、上位14台に入ることが自分に課された仕事だったので、まずは良い仕事ができたと思います」
「片山義章選手は公式練習で1周もしていないままウエットでの一発予選だったのですが、ミスなくタイムアップを果たし、良い仕事をしてくれました。明日の決勝は晴れ予報なのでまた別の展開となりますが、とにかく優勝目指して頑張りますので応援よろしくお願いします」
■片山義章選手のコメント
「朝の公式練習では赤旗が6回も出たおかげで自分が走行するタイミングがなくなってしまい、FCYを練習に使うつもりだったのですが、それもキャンセルとなってしまいました。まったく走らずに予選Q2での一発勝負は緊張こそしましたが、自信はありました。ロベルト・メリ・ムンタン選手が予選Q1で良い仕事をしてくれましたし、赤旗が出なければ実際には3番手タイムをマークできていたと思いますので、チームが仕上げてくれたマシンには絶対の信頼感があったからです」
「ミスなくきっちり攻めた結果は7番手。タイム的には同じヨコハマタイヤを履くマシンに負けたように見えますが、同じコンパウンドのタイヤを選んだマシンの中ではトップだったので、まずは良い仕事ができたと思います」
「明日の決勝はドライ路面での勝負になりますが、フェラーリはブレーキも良く、このサーキットに合っていると思いますので、皆さんの期待に応えるレースができると自分自身も期待しています」
■小倉啓悟監督のコメント
「朝のフリー走行では雨の影響で赤旗が何度も出てロベルト・メリ・ムンタン選手しか走ることができなかったのですが、マシンのパフォーマンス的には悪くなかったです。雨量によっては予選が実施されるのかどうかもわからない状況で、タイヤの選択が難しかったのですが、実施されるのであれば朝のウエット路面を走行しているロベルト・メリ・ムンタン選手で予選Q1を上位14番手以内で通過し、予選Q2は片山義章選手に一発勝負をしてもらうという決断を下しました」
「結果的にはQ1では赤旗が出てベストタイムは計測されなかったですが、予選上位14番手以内に充分なタイムをマークしてくれましたし、予選Q2でも7番手とまずまずの結果で終えることができました。ドライバーは本当に良い仕事をしてくれたと思います」
「確かにタイヤ選択的には、あえてギャンブルに出ることもできたのですが、300kmのレースですし、明日はドライということもあってあえてリスクを取らなかったのは正解だったと思います。マシンは違いますが、昨年もこのレースでは良いフィーリングで戦えていますし、決勝では1台1台着実に追い抜いて、表彰台を目指したいと思います」