更新日: 2016.11.18 17:19
FIA-F4第2大会 富士:初優勝の小高一斗が2連勝飾る
FIA-F4選手権の第2ラウンドは5月3〜4日、ゴールデンウィーク真っただ中の富士スピードウェイが舞台に。二日間合計で8万5千人もの大観衆が見守る中、連勝を飾ったのは小高一斗(FTRSスカラシップF4)。2レースとも表彰台は、限定Aライセンスで出場する高校生ドライバーによって独占された。
このレースウイークは、宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)と小高が絶好調。5月1日の専有走行では宮田が、2日の専有走行では小高がトップで、チームメイト同士が激しく刺激し合いながら、徐々にスピードを増していく。この専有走行まで、ふたりの争いに割って入りそうだったのは、開幕ラウンドで連勝の川端伸太朗(SCCEED SPORTS F110)や河野駿佑(グッドスマイル初音ミクF110)、石坂瑞基(HFDP/SRS/コチラレーシング)ら、お馴染みの2年目のドライバーだと思われたが、予選になって状況に変化が表れる。
ベストタイムは宮田が、そしてセカンドベストは小高がトップで、第3戦、第4戦のポールポジションを仲良く分け合ったかと思われた。しかし、小高は四輪脱輪のペナルティによって、ベストタイムが削除になったため、繰り上がってルーキーの澤田真治(B-MAX RACING F110)が第4戦のポールを獲得したのだ。「思いがけない形でポールが獲れました。僕も実はペナルティでベストタイムが削除になっているんですが、一発だけじゃない、精度の高い走りを何度もしようと思っていたのが、結果的に功を奏したんでしょう」と語った澤田は、昨年の全日本カート選手権KFクラスで2位。またひとり、驚異の17歳が新たに登場した。
一方、宮田は一戦だけのポールでは満足できなかったようで、「ロガーを見ると、まだ行けていない部分も見つかったので、そのあたりを決勝ではしっかり出していきたいと思います」と連勝を誓っていた。
第3戦の決勝は宮田と小高がフロントロウを分け合い、ルーキーの大湯都史樹(エヴァRT弐号機tanzen Rn-s)と澤田が2列目に、そして阪口晴南とHFDP/SRS/コチラレーシング)と石坂が3列目に並ぶ展開に。ホールショットを決めたのは小高で、宮田をけん制することなく、スムーズにインから1コーナーに飛び込んだ。これに続いたのは宮田と阪口、そして大湯。澤田はスタートに出遅れ、6番手に後退していた。
1周目を終えると、トップは小高と宮田の一騎討ちとなり、3番手を争うのは阪口と大湯、さらに3周目には川端も加わる。中でも予選9番手から追い上げてきた川端は、5周目には一挙に3番手へ浮上すると、その勢いのまま小高と宮田にも近づいていった。
7周目のダンロップコーナーでは、鋭く小高のインを刺した宮田がトップに浮上。この間に川端と大湯も急接近して10周目の1コーナーでは、その4台が横一列に! トップに立ったのは小高だったが、この周の衝撃的なシーンは、これに留まらず。ダンロップコーナーで2番手の大湯と川端が接触。さらにこの2台をインからかわそうした宮田も巻き込まれ、3台が一気に戦列を離れることとなった。
これで小高が大量のリードを獲得し、2番手には阪口、3番手には澤田が浮上。阪口は11周目に澤田に抜かれるも、「昨日までの流れが悪過ぎたので……。セットアップもがらりと変えたんですが、まだ足りませんでした」と表彰台に上がれたことで一安心の様子。一方、初優勝を飾った小高は「ゴールした瞬間は、嬉しいというよりも、とにかくホッとしました。去年のこのレースでデビューしてちょうど1年、僕としては長かったですね」と心境を口にした。そしてデビュー3戦目で早くも表彰台に立った澤田は「スタートの遅れが響いて、厳しい展開のレースになってしまったので、あまり嬉しい2位ではないですね」と、思うところはそれぞれだった。