豊田章男社長「正直言葉が見つかりません」。来季再挑戦に意欲
6月18〜19日に開催された第84回ル・マン24時間耐久レースは、悲願の初勝利に向けてトップを快走していたアンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組5号車トヨタTS050ハイブリッドが、レース残りわずか6分でスローダウンを喫しストップする悲劇の幕切れとなったが、レース後、トヨタ自動車豊田章男社長からコメントが発表された。
豊田社長のコメントは下記のとおりだ。
「ル・マン24時間耐久レースに、ご声援を送っていただいた皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました」
「TOYOTA GAZOO Racingは『敗者のままでいいのか』と、あえて自分たちにプレッシャーをかけ、今までの悔しさを跳ねのける戦いを続けてまいりました。メカニック、エンジニア、ドライバー、そしてサプライヤーの皆さま……。戦いに携わるすべての者が、力を尽くし、改善を重ね、『もっといいクルマ』となって戻ってこられたのが、本年のル・マンであったと思います」
「ついに悲願達成か……と、誰もがその一瞬を見守るなか、目の前に広がったのは、信じがたい光景でした。トヨタのクルマも速く、そして強くなりました。しかし、ポルシェはもっと速く、そして強かった……。決勝の24時間……そして予選なども含め合計で30時間以上となるル・マンの道を、誰よりも速く、強く走り続けるということは、本当に厳しいことでした」
「チームの皆の心境を思うと……。そして、応援いただいたすべての方々へ……。いま、なんと申しあげたらよいか、正直、言葉が見つかりません。我々TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。負けることを知らずに戦うのでなく、本当の“負け”を味あわさせてもらった我々は、来年もまた、世界耐久選手権という戦いに、そして、このル・マン24時間という戦いに戻ってまいります。もっといいクルマづくりのために……。そのためにル・マンの道に必ずや帰ってまいります」
「ポルシェ、アウディをはじめ、ル・マンの道で戦ったすべてのクルマとドライバーの皆さまに感謝するとともに、また一年後、生まれ変わった我々を、ふたたび全力で受け止めていただければと思います。皆さま、“負け嫌い”のトヨタを待っていてください。よろしくお願いいたします」