更新日: 2018.02.23 16:29
琢磨「今度こそトラブルフリーで週末を過ごしたい」
決勝での追い上げも空しく……
第3戦 ロングビーチ
これまでロングビーチは佐藤琢磨にとって験のいいサーキットだった。そのハイライトが優勝した2013年だったことはいうまでもないが、2015年のベライゾン・インディカー・シリーズ第3戦としてカリフォルニアで開催された市街地レースは、琢磨に多くのものを授けたとはいえなかった。
予選では好ましくないタイミングで赤旗が提示されて最初のハードルを越えられなかったうえ、アクシデントがほとんど起きなかったレースは序盤にイエローコーションが一度しか提示されただけで、順位を上げるチャンスはほとんどなかった。それでも、15位でフィニッシュできていれば最悪というほどのことはなかったのだが、琢磨は最終ラップに燃料を使い果たしてしまい、AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダは18位でフィニッシュラインを越えたのである。
「みなさんご存じのとおり、ロングビーチは特別なレースです」と琢磨。「とりわけ2013年のレースは特別な思い出で、僕とチームにとっては忘れがたい一戦となっています。昨年は多重クラッシュが発生して残念な結果に終わりましたが、今年は是非いいレースを戦いたいと願っていました。けれども、結果的にはまったく納得のいかないレースになりました」
琢磨の不振は金曜日のフリープラクティスですでに始まっていた。「バランスにもグリップにも満足がいきませんでした。まるで、先週行われたNOLAモータースポーツ・パーク戦の続きのような状況でした。NOLAで使ったロードコース用タイアと市街地コース用タイアでは大きく異なっているので、僕たちは市街地コース用のセットアップには自信を抱いていましたが、プラクティスでは苦戦を強いられたのです」
「新しいエアロキットが導入されて以来、マシーンはメカニカルグリップよりもエアロ・パッケージに大きな影響を受けるようになっていたので、僕たちはシャシー・コントロールについてもう1度考え直さなければいけないのかもしれません。バランスが良好とはいえなかったのです。結局、金曜日は一日中満足のいく結果は得られませんでしたが、土曜日の午前中にこれまでとは異なるセットアップを試したところ、良好な感触が得られました。ようやくいいラップタイムが記録できるようになったのです。特に速いラップタイムを出そうと意識したわけではありませんが、セットアップが正しい方向に向かっていることが実感できました。ここにきてようやくポジティブな印象が得られたので、自信をもって予選に臨むことができました」