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投稿日: 2023.06.05 11:10

TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート


スーパーGT | TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

SUPER GT 2023年 第3戦 鈴鹿
SUZUKA GT 450km RACE

終盤のアクシデントでレースは赤旗短縮終了
国本雄資/阪口晴南組GRスープラが今季初優勝
坪井翔/宮田莉朋組が2位で続きGRスープラが1-2フィニッシュ

(4日22時現在暫定結果)

 スーパーGTの第3戦が鈴鹿サーキットで行われ、決勝レースは終盤に発生したアクシデントにより赤旗中断、そのまま19周を残して短縮終了となりました。2番手スタートの国本 雄資/阪口 晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が7年ぶりとなる今季初勝利を飾りました。

 ポールポジションからスタートしたau TOM’S GR Supra 36号車が2位で続き、GRスープラが1-2フィニッシュ。36号車の坪井/宮田組はドライバーズランキング首位に浮上しました※1。(GT500クラスは暫定結果となります)

 GT300クラスでは最後まで首位争いを展開した堤 優威/平良 響/加藤 寛規組 muta Racing GR86 GT 2号車が惜しくも2戦連続となる2位、吉田 広樹/川合 孝汰組 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が3位表彰台を獲得しました。

 スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 450km RACE』が6月3日(土)、4日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。

 全8大会で争われている2023年シーズンのスーパーGTですが、今大会を終えると次戦第4戦までは約2か月のインターバルを挟むことになり、今大会はシーズン序盤を締め括るチャンピオンシップ争いにおいても重要な1戦となります。

 昨年は全8戦中3戦だった450kmレースが今季は5戦に増え、今季最初の450kmレースとなった前戦富士では、36号車が今季初勝利を飾りました。今大会も450kmで争われ、決勝レースでの速さに定評のあるTOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢の活躍に期待がかかりました。

 走行前日までは台風の影響で大荒れの天候だったものの、3日(土)には天候は回復。交通機関の混乱もありましたが、多くのモータースポーツファンの皆様がサーキットを訪れました。イベント広場のTGRブースには、GR Supra GT4 EVOと、GR Supra GT4生産100台到達記念特別車両“Plasma Orange 100 Edition”、LEXUS LC500hが展示され、注目を集めました。

予選

 3日(土)は前日までの台風の影響で、朝方は路面が濡れていたものの、天候は回復し、午前中の公式練習走行時にはほぼドライに。

 風がかなり強いものの強い日差しに照らされ、気温は25度、路面温度は40度まで上昇。直前に行われたサポートレースの遅延の影響を受け、予定より20分遅れの15時25分よりノックアウト方式の予選が行われました。

 GT500クラスのQ1では、まず関口雄飛のDENSO KOBELCO SARD GR Supra39号車が1分44秒881をマークし、その時点での2番手につけると、宮田の36号車も1分44秒966と好タイムで続きました。そして、昨年の第3戦鈴鹿でポールポジションを獲得している19号車の阪口晴南が、その予選で国本が記録したコースレコードタイムにコンマ2秒まで迫る1分44秒366を叩き出し、このセッションでトップとなりました。終盤他車にかわされたものの、39号車が5番手、36号車が6番手でQ2へと進出。

 ENEOS X PRIME GR Supra14号車は山下健太の健闘及ばず11番手、笹原右京のDeloitte TOM’S GR Supra37号車が14番手。立川祐路のZENT CERUMO GR Supra38号車は走路外走行でタイム抹消となり最後尾15番手でQ1敗退となりました。

 Q2では、39号車の中山雄一がまずアタックを開始し、1分44秒924をマーク。坪井の36号車は1分44秒585でトップに立ちました。コースレコードホルダーの国本がアタックを担当した19号車は1分44秒679で坪井のタイムには僅かに及ばず。

 その後、リアライズコーポレーション ADVAN Z24号車が坪井を上回るタイムをマークしますが、24号車は予選後の車検で違反が見つかりタイム抹消。結局、40kgのサクセスウェイトを積みながら速さを見せた36号車がポールポジションを獲得。

 Q2を担当した坪井にとっては、2週間前のスーパーフォーミュラ初ポールに続き、嬉しいGT500クラスでの自身初ポールポジション獲得となりました。19号車が2番手に続き、決勝レースはGRスープラが最前列を占めてスタートすることとなりました。39号車も5番手につけ今季ベストグリッドを獲得しました。

 GT300クラスは、Q1を2クラスに分けて実施。それぞれ上位8台がQ2へ進出します。

 A組では小高一斗の駆るapr LC500h GT31号車がトップタイムをマーク。吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GT60号車が3番手。前戦で惜しくも2位フィニッシュとなった2号車はTGR-DC育成ドライバーの平良がアタックを担当し5番手となり、この3台がQ2へと進出。新田守男のK-tunes RC F GT396号車は11番手、上村優太のapr GR86 GT30号車は13番手でQ1敗退となりました。

 B組ではイゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA Racing RC F GT350号車がトップタイム。平中克幸のシェイドレーシング GR86 GT20号車が3番手、菅波冬悟のHOPPY Schatz GR Supra GT25号車が4番手、佐藤公哉のHACHI-ICHI GR Supra GT244号車が8番手でQ2に進出。川合の52号車は10番手に終わりました。

 Q2では、河野駿佑の駆る60号車が3番手、堤の2号車が4番手タイムで2列目に並ぶことに。TGR-DC育成ドライバーの野中誠太がアタックした25号車が5番手、清水英志郎の20号車が6番手、三宅淳詞の244号車が7番手と続きました。嵯峨宏紀の31号車が11番手、古谷悠河の50号車は15番手グリッドから決勝レースに臨むこととなりました。

決勝

 4日(日)は薄曇り。気温28度、路面温度46度というコンディションの中、午後1時半より450km(77周)の決勝レースがスタートしました。

 スタートでは大きな順位変動なく、坪井の36号車が首位、国本の19号車が2位をキープ。8周目にGT300車両がタイヤ脱落によりコース上に停まり、フルコースイエローからセーフティカーが導入。13周目からレースが再開されました。

 再スタート後も首位の36号車、2位の19号車の順位は変わらず、前半戦はGRスープラが1-2体制でレースを支配する展開となりました。

 今大会は2度の給油ピットが義務づけられており、上位勢では、2位の19号車がほぼ3分の1である26周を終えたところで1回目のピットへ。給油、タイヤ交換と共に、国本から阪口晴南へとドライバー交代を行いました。

 トップを行く36号車は29周を終えたところでピットイン。宮田へとドライバー交代。しかし、19号車のうしろでコースへと復帰。交換したばかりの冷えたタイヤということもあり、更に2台にかわされることとなってしまいました。

 34周を終えると、GT500クラスの全車が1回目のピットを終了。この時点で19号車が首位へと浮上。36号車は4位、10番手スタートの14号車はこの時点で6位へと順位を上げました。

 首位を行く19号車は後続からの追い上げを受けるも凌ぎ切り、46周目を終えたところで、19号車が2回目のピットイン。その2周後には36号車も2回目のピットインを行い、どちらも給油、タイヤ交換をしてコースへ復帰。この時点で2度の給油義務を終えた組では1-2位へ復帰しました。

 実質的な1-2体制となった19号車と36号車は後続との差を広げて行き、このまま全車がピットを終えれば1-2フィニッシュもあるかと思われましたが、レースは残り20周を切った59周目、シケイン付近で複数台が絡む大きなアクシデントが発生。MOTUL AUTECH Z23号車とGT300クラスのBamboo Airways ランボルギーニ GT387号車が大破しました。

 レースはこのアクシデントですぐに赤旗中断。87号車の松浦孝亮、車両のダメージの大きかった23号車の松田次生も救出され、意識があることを確認後病院へと搬送されましたが、レースはその後、再開されることなくこの時点で短縮終了となることが発表されました。

 この結果、58周を終えた時点でトップを走行していたNiterra MOTUL Z3号車が優勝、19号車は2位、36号車は3位として暫定結果が発表されましたが、その後、2回目の給油ピット義務を消化していなかった3号車に対してペナルティが科され、19号車が優勝。

 19号車と国本にとっては2016年の第6戦タイ大会以来7年ぶりの勝利で、国内では初勝利となります。チームにとってはGT500クラス2勝目、国本にとってはGT500クラス通算3勝目。また、昨年から同チームに加わった阪口晴南にとっては、嬉しいGT500クラスの初勝利となりました。

 36号車も19号車に続く2位で、GRスープラが1-2フィニッシュとなりました。36号車は前戦の勝利に続く連続表彰台で、ドライバーズランキングでも首位に躍り出ました。

 14号車が6位、38号車も14番手スタートから追い上げ10位でポイント獲得を果たしました。

2023スーパーGT第3戦鈴鹿 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)

 GT300クラスでは、今大会も20番手スタートの52号車を始めとした数台が、1周目を終えたところで給油ピット義務を消化するためにピットインする作戦に出るなど、様々なピット戦略で順位が入れ替わる展開となりました。

 4番手スタートの2号車平良も2周目を終えたところでピットインし、1回目のピット義務を消化。一方、ピット未消化組では、15番手スタートの50号車フラガが猛烈な追い上げを見せ、上位争いに加わりました。

 全車が1回目のピット義務を消化した時点で、平良の2号車がトップに浮上。ピット作戦が効を奏した52号車が2位へとジャンプアップを果たしました。

 レースがほぼ折り返しとなった36周目に2位につけていた52号車がピットへ向かい、川合から吉田へとドライバー交代。しかし、このピット作業でタイヤ交換時にミスがあり、大きくタイムロス。順位を落とすこととなってしまいました。

 その2周後、首位走行中の2号車がピットへ向かい、平良から堤へとドライバー交代。しかし、アウトラップのタイヤが冷えた状況でStudie BMW M47号車にかわされ、2位へとポジションダウン。

 後半戦は、首位を行く7号車と、2号車と追いついた52号車の3台によるテール・トゥ・ノーズでの首位争いが繰り広げられました。

 しかし、レースはアクシデントにより赤旗中断となり、そのまま終了。2号車は前戦に引き続き、首位を追いながらも惜しい2戦連続2位表彰台。52号車が20番手スタートからピット作戦を活かして3位表彰台を獲得しました。60号車が7位、ピットスタートでの最後尾から見事な追い上げを見せた30号車が9位、20号車が10位でポイント獲得を果たしました。

2023スーパーGT第3戦鈴鹿 GT300クラス暫定表彰式の様子
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 GT300クラス暫定表彰式の様子
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2023スーパーGT第3戦鈴鹿 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)


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