更新日: 2023.06.13 15:11
Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第2戦富士24時間 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT
2023 Round.02 FUJI 24H
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 第2戦 富士SUPER TEC 24時間レース
2023年5月26日(金)〜5月28日(日) 決勝レース結果:7位
専有走行
5月24日(水) STO専有走行 天候:晴れ 路面:ドライ
5月25日(木) 専有走行1回目/2回目/夜間走行 天候:曇り 路面:ドライ
2023年のENEOSスーパー耐久シリーズは、3月に行われた第1戦から約2ヶ月の間を経て、第2戦富士SUPER TEC 24時間レースを迎えた。Porsche Team EBI WAIMARAMAにとって、2022年はトップを快走しながらも小さなトラブルでレースを失ってしまい、悔しい思いを味わった忘れ得ぬレース。2022年、そして第1戦での悔しさを晴らすためには、絶対に優勝を勝ち取りたいレースだ。
Porsche Team EBI WAIMARAMAはそんな一戦に向け、北園将太/千代勝正/山野直也という第1戦で出場した3人に加え、開幕戦は参戦できなかったKIZUNA、そして絶対の信頼を置けるふたりのゲストドライバーを招聘した。ひとりは、2022年もドライバーとして加わり、2023年の再ドライブを誓っていたジュリアーノ・アレジ、そしてもうひとりは、千代の大先輩で、日本のモータースポーツを牽引してきた大ベテラン、本山哲だ。
3人は4月に行われた公式テストからチームに合流し、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSに好感触を抱いた。ただ、今回の第2戦は通常とは異なる要素もあった。それは、第1戦鈴鹿からワンメイクタイヤサプライヤーが変更され、ブリヂストン製のスリックタイヤが使用されることになったことだ。
走行初日となった5月24日の専有走行からチームは3回のセッション、さらに5月25日の夜間走行の時間を使いながらラップを重ねセットアップを続けた。ブリヂストンの感触も良好で、週末に向けた自信を深めていった。
公式予選
5月26日(金) 公式予選 天候:晴れ 路面:ドライ
好調のなか迎えた5月26日(金)の公式予選。Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは、まずはAドライバー予選に出走した北園が好走をみせる。トップとのタイム差はあったものの、2番手につけてみせた。
さらにBドライバー予選では、千代がコースレコードタイムをブレイクする1分47秒229を記録してみせた。ただふたりの合算タイムは、クラスポールポジションまで、なんとわずか0.038秒およばず。僅差の2番手から決勝レースを戦うことになった。
Cドライバー予選の山野、Dドライバー予選のKIZUNA、そしてE・Fドライバーのフリー走行では本山とアレジがしっかりと走行を締めくくり、Porsche Team EBI WAIMARAMAは決勝に向けて万端の準備を整え予選日を終えた。
決勝レース
5月27日(土)〜28日(日) 決勝 天候:晴れ/曇り 路面:ドライ
5月27日(土)の決勝日を迎えた富士スピードウェイには、EBI Groupの多くのゲストが訪れ、Porsche Team EBI WAIMARAMAは非常に賑やかな雰囲気のなか、午後3時からの決勝レースを迎えた。スタートドライバーを務めたのは千代だ。
チームは今回もAドライバー規定によるドライブスルーペナルティを決勝レース中にこなす必要があったことから、スタート直後早々に千代をピットに呼び戻すことを決めていた。しかしスタート直後、まさかの事態が。#21 アウディに接触され、ポジションを落としてしまったのだ。
なんとか走行は可能だったが、アライメントが狂っており、車速センサーにも異常をきたすなど苦しい状況となってしまったが、千代はなんとかペナルティを消化した後、ファーストスティントをしっかりとこなす。その後も北園、アレジとリレー。一度目のピットでリセットをかけたことでセンサー類もしっかりと再起動できたことから、好調なペースでポジションを奪回していった。
ただ昨年と異なり、今回はライバル勢も速い。特に#52 GR Supraが快調なペースをみせPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSの前に立ちはだかる。さらにスタートから5時間も経過しようかというタイミングから大きなクラッシュや火災など、荒れた展開となりセーフティカーランが続いたり、早朝4時ごろには赤旗中断になるなど波乱含みの展開となるも、深夜も山野や本山、アレジ、千代といった強者たちがしっかりとリレー。途中イレギュラーなブレーキ交換等はあったものの、追い上げをみせていった。
しかし、フィニッシュまで3時間を切っていたタイミングで、思わぬアクシデントが起きてしまった。山野のドライブ中、前にはラップダウンの#21 アウディが出現。進路を譲ることを指示するブルーフラッグが振られているにもかかわらず、#21 アウディはなかなか道を空けない。山野はオーバーテイクを試みたが、なんと#21 アウディが強引にかぶせてきた。
大きな衝撃ではなかったが、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは左フロントにダメージを負う。しかも、外観からは分からなかったが、なんとラジエターの冷却水が漏れてしまっていたのだ。チームは早急にラジエター交換を行い、KIZUNAにステアリングを託しコースに復帰させることができたが、遅れは大きく、ポジションを落としてしまっていた。
その後もPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは追い上げていったものの、終わってみればトップからは20周遅れの7位。このレースでの必勝を期し、全員が全力を尽くしてきたなかでの結果だけに悔しさも残った。しかし、このレースで培ったチームワーク、そしてスピードは今後に活きるはずだ。今季は富士でもう一度レースがある。リベンジの機会は残されている。
DRIVER COMMENTS
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「24時間レースは初体験で、メカニックの作業や戦略を立てたり、お客様と体験を共有できたりと、ふだんのレースでは感じられない体験ができました。ポルシェプロとして、他のプロでは話せないような内容も味わえましたし、ポルシェはやっぱりサーキットで生まれているので、今後この体験を伝えていきたいです。レースでは予選でワンステップ上のコントロールができるようになり、自分の成長としてはすごく良かったです。大先輩の皆さんにたくさんのことを教えていただいたので、課題を次戦に繋げたいと思います」
KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「1周目のアクシデントは残念でした。24時間と長いレースだったので、もうちょっと考えて欲しかったです。今回はタイヤが変わったことでストラテジーが鍵になりましたが、ダブルスティントにいけるかどうかを専有走行から試し、戦略を立てて順調にいっていましたが、ブレーキ交換のタイミングなども悪く、途中までは順調に来ていましたが、運が悪かったというか、24時間レースのトラップにはまってしまった感じでしたね。チームのストラテジーもドライバーの走りも良かったので、また来年リベンジしたいです」
NAOYA YAMANO 山野 直也
「序盤から接触されたり、深夜に僕が乗っているスティントで急遽ブレーキ交換を強いられたりと、予想外の展開となりました。それでもトップと2番手を行ったり来たりで夜明けを迎えることができましたが、終盤、ラップダウンだった車両に被せられてしまい、ラジエター交換を強いられてしまいました。そこで順位を落としてしまったのが残念でしたね。表彰台は狙えていただけに今回応援に来てくださった皆さんに結果をみせられなかったので悔しいですが、また機会があったときに応援いただけるようにしていきたいです」
KIZUNA キズナ
「今回僕は決勝レースで日曜にスティントを予定していたのですが、アクシデント等もありなかなか出番が来ませんでしたね。結果的にいろいろなことがあり、1時間を任されることにはなりましたが、最初は慣れなかったものの、少しずつペースを上げることができたと思います。今回はすごいドライバーラインアップだったことから、大いに刺激を受けることができましたし、結果には繋がりませんでしたが、楽しい週末を送ることができたのではないでしょうか」
SATOSHI MOTOYAMA 本山 哲
「楽しいレースでしたね。もともと千代選手もKIZUNA選手も以前から知っている方で、縁があればチームに加わりたいと思っていた中で声をかけていただいたので、最高のメンバーと楽しい1週間を過ごすことができたと思います。クルマもすごく走りやすかったですし、競争力もあったので、表彰台以上は望めると思っていました。夜の走行もル・マンの経験もあって問題ありませんでした。結果は残念でしたが、レースの難しさを再確認しましたね。また機会があればリベンジしたいですし、チームに感謝しています」
GIULIANO ALESI ジュリアーノ・アレジ
「レースでは僕がスティントを担当した頃からコンディションが良くなっていましたし、バランスも良かったので気持ち良くプッシュすることができました。僕の担当では良いラップを続けることができポジションも上がり、チャンスもあると思っていました。チームからも良い連絡があり、ストラテジーも良いものがあったので、結果はとても残念でしたね。でも、みんながすごく良い走りをみせてくれたことは良かった。来年ももしチャンスがあれば出場したいですね」