更新日: 2023.08.31 20:48
TEAM UPGARAGE 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート
2023年スーパーGT Rd5鈴鹿 決勝速報
TEAM UPGARAGEの18号車が今季2度目の優勝!
16番手スタートから小林選手、小出選手とつなぎ
後続の猛追を振り切ってトップでゴール!
2023年シーズンの第5戦鈴鹿450kmレースの決勝が8月27日に鈴鹿サーキットで行われ、TEAM UPGARAGEのNSX GT3を駆る小林崇志選手と小出峻選手のコンビが16番手から追い上げて優勝した。
今季は開幕戦の岡山で優勝して幸先の良いスタートを切ったが、以降はトラブルに悩まされてノーポイントが続いていた。年間チャンピオンシップを考えると鈴鹿ではぜひともポイントを持ち帰りたかったが、優勝という最高の結果を得ることができた。
今回のレースも450kmと長丁場で、ピットインは2回の義務付け。一人のドライバーはレース距離の1/3未満ではいけないなどの規制があり、ピット戦略が勝敗を分ける。
18号車は土曜日の予選でQ1は4番手で通過したものの、 Q2直前で電気系のトラブルで走れずに16番手スタートになった。なかなか厳しい展開が予想されたレースだったが、スタートドライバーの小林選手がまず踏ん張り、引き継いだ小出選手が思わぬチャンスをきっちり拾ってトップに。
小出選手は2回目のピットインでトップに立つと、それ以降はトップを維持。 2番手以下のクルマの厳しい追い上げを受けながらも踏ん張って逃げ切り、見事に開幕戦以来の優勝を果たした。
シーズンに2勝を挙げるのはチーム始まって以来。ドライバーポイントは40ポイントになりトップに並んだ。年間チャンピオンも現実味を帯びて、残り3戦をしっかり戦いきって念願のチャンピオンを狙う。
【石田監督コメント】
「16番手からのスタートだったので、いろいろ作戦を考えてはいたけど、割とオーソドックスな作戦で行った。最初のスティントはタイヤがきつかったけど小林選手が我慢して、ドライバー交代ができる規定の21周まで走ってくれた。次の流れが良くなったから、あれが一番大きかったかな。ただ、ギリギリのところで走ってくれけど、あそこまで引っ張るのは、結果オーライとはとらえられなくて反省材料だと思う」
「小林選手の頑張りが小出選手につながってダブルスティントを走ってくれた。一番のポイントは56号車のトラブルの時に小出選手が冷静に判断してピットインしたこと。いろいろなケースについて事前の打ち合わせはしてシナリオはあったけど、現実の場面で冷静な判断ができたのは凄かった」
「後半のタイヤが厳しいなかで、追い上げられながらも最後まで守り切ったことも大きかった。もう1, 2周長かったらどうだったのか、というくらいタイヤがギリギリだった」
「まあラッキーもあったけど、チームでいろいろなケースを想定して準備をしてあったし、ドライバーニ人の頑張リが運を引き寄せたのだと思う。ラッキーがあってもそれをキャッチできる準備がないと結果につながらないから。ポイントでトップに並んだけど、細かいミスやヒューマンエラーがまだある。チャンピオンを取るチームはそういうミスが極端に少ない。この二日間も反省材料がいっぱいあるから、きちんと我々のなかで解消して次の菅生に臨みたい」
【小林選手】
「予選は、クルマの調子は良かったけどQ2を走れなくて僕自身『もういいよ』ってくらいすごく落ち込んだ。。でも、今日はチームがしっかリリカバリーしてくれてピットインもいいタイミングで入れたし。昨日はトラブルがあったけど今日はリカバリーできたのがうれしい」
「僕のスティントは16番手スタートで、昨日テストしていないニュータイヤだったけどペースが良いのは分かっていたからしっかリやっていこうと。ただ予定した周回数よリ早くタイヤに異常を感じてピットインせざるを得なかった。が、結果的には小出選手も頑張ってくれて優勝できた。ほっとしているというのが今の偽らざる気持ち」
「開幕優勝したけど、第2戦からここまでノーポイントできた。スピードも足らなかったしトラブルも出たし。今日はラッキーもあリ勝ったけど、トラブルは完全に解消したわけではないので、これからもしっかリ戦っていきたい。まだまだやることは多いと感じている。改善点をチームとしっかり話し合って、最後にもてぎが終わったときにチャンピオンを取れるように頑張りたい」
【小出選手】
「本当に、一言で言うとしんどかった。後方からのスタートだったけど、根拠はないなか開幕戦のようなレースができるんじゃないかと内心思っていた。小林さんがしっかリ走って順位を上げてバトンを渡してくれた。ピットインは56号車が止まったのが見えたので、今だと」
「チームがピット作業でいい仕事をしてくれて順位を上げることができた。最後は松浦さんとの戦いだったけど、自分との戦いでもあった。最後までタイヤを持たせてゴールする仕事を完遂することができてうれしい。正直、小林さんと同じでほっとしてます」
「まずは今回の優勝を喜びたい。これでランキングトップに並んだが、次回からウエイトが100 kg乗るので厳しい戦いが始まると思う。でも重さとか数字をあれこれ思うんじゃなくて、自分のできることチームのできることを最大限やれば、目の前の一戦ー戦をしっかり戦っていけば結果はついてくると思う。今まで通リ、やることは変わらないと思うので、最後にもてぎが終わったときに笑えるように頑張リたいと思います」
【上城チーフエンジニア】
「今日の総括をすると、いろいろタイミングが良かったなと。レースペースは良かったので、予選順位では沈んでしまったけど、しっかり戦えれば上のほうまで行けるだろうと思っていた。ただ、予定していた周回のl周前に小林選手からタイヤの異常があると連絡があったが、あと1周行けばドライバー交代の規定を満たすので頑張ってもらった。そこの決断から次のピットインまで、特にFCYとの関係でいえばタイミングが良かった。かなリ微妙でした」
「2回目のピットインは、56号車のアクシデントを見て、これは絶対何か出るなと思い、指示を出した。その時にちょうど良い位置にいたし。結局、最後のスティントも残り7周くらいから小出選手からはタイヤの異常について連絡があったけど、ただあのタイミングでは行くしかないので行ってもらった。シリーズを考えれば表彰台に乗れれば良いという考えもあって、とにかくチェッカーまでタイヤを持たせてクルマを運んでくれという指示ではあった。初めのスティントのタイヤの状況から見ても相当に厳しい状態だったと思うけど、踏ん張ってもらえてよかった」
「次から100kgのウエイト。ただ今シーズンの初めから100kgの黄色いステッカーを貼リたいよねって話してきたので目標を一つ達成できた。去年の菅生は78kgを積んで走ったけど、割とパフォーマンスは高い状態で行けたので、セットアップを煮詰め直して上位争いをしたいと思う」