更新日: 2019.02.15 14:38
全日本ロード:王者奪還を果たした中須賀。雨の最終戦鈴鹿で高橋巧と「お互いの強さ、弱さが見えた」
「ホンダもファクトリーが復活して1年目ということで、前半戦はチームの連携があまり取れてない印象でした。後半戦からはマシンもライダーもグイグイ上がってきました。高橋(巧)選手もマシンと(走り方を)アジャストしてきて非常に厳しかったですけど、その分、自分もチームスタッフも気を引き締め、さらに集中してレースができました」
「レース内容も良かったですし、お互いに成長しあえるようなシーズンになったんじゃないかと思います。だからこそ、2018年はレベルの高いレースが展開できたと思います。他のメーカーもどんどん力を入れてきて、業界自体が盛り上がっていければいいなと思ったシーズンでした」
各ラウンドでチームHRCの高橋巧と激しいバトルを繰り広げた中須賀。その戦いのなかで一番印象に残ったレースは、最終戦鈴鹿、雨の2レースだと明かす。
「レース1は、自分が弱点としているレースとなりましたし、向こう(ホンダ)が強いレースにもなりました。レース2のときのようなドライとウエットが入り混じった中途半端な路面コンディションでは、自分たちの方が強いと感じました。お互いの強弱が見えたレースでしたね。そこが一番印象に残りました」
「お互いのパッケージとしての得意不得意を垣間見ることができたので、2019年は引き続きレベルの高いレースができるという期待を持ったレースになりました」
中須賀と激しいバトルを繰り広げたのはチームHRCだけではない。チームメイトの野左根航汰も中須賀とバトルを繰り広げ、トップを奪う場面もあった。
チームメイトの野左根について中須賀はこう語る。
「野左根選手は2017年に2勝を挙げることができましたが、2018年に関しては優勝から遠ざかってしまい、表彰台も少なかったですね。ポールポジションは獲りましたが、予選はあくまで予選なので、2018年は彼も足踏みしたかなという印象がありました」
「野左根選手は一発の速さも出てきているし、彼自身もプロとして日々の時間の過ごし方が少しずつ変わってきているので、これからが楽しみな選手だと思っています」
今年38歳を迎える中須賀は2019年もJSB1000クラスにヤマハファクトリーから参戦し、9度目のタイトル獲得に挑戦する。日本のトップライダーとして挑み続けるそのモチベーションはどこからくるのだろうか。
「僕は1戦1戦の優勝にとにかくこだわっていて、それがひとつのモチベーションでもあります」と中須賀。
「自分自身MotoGPのマシン開発もやっているので、モチベーションを高くしていなければ良いバイクは作れないと思っています」
「1戦1戦、優勝にこだわって、出場するレースは勝つというスタンスを継続し、より高いレベルで走れるようにしっかり努力はしていきたいです。その結果がチャンピオンに繋がっていきますから」
38歳を迎える2019年も、JSB1000に参戦し、日本の二輪レース界を牽引する中須賀。今年も「1戦1戦、勝ちにこだわる」走りで、高橋巧をはじめとする後輩ライダーの前に立ちふさがることになりそうだ。