更新日: 2022.12.22 09:31
全20戦中12勝の強勢ドゥカティとアプリリアの躍進/2022年MotoGP振り返り
初優勝を飾ったアプリリアについても触れたい。第3戦アルゼンチンGPで、アプリリアはMotoGPクラスでの初優勝を果たした。アプリリアに勝利をプレゼントしたアレイシ・エスパルガロにとっても、クラス初優勝だった。
2022年はアプリリアにとって、転機となったシーズンだった。2021年シーズンをもってそれまでチームを運営していたグレシーニ・レーシングと袂を分かち、完全なファクトリー体制となったからだ。
2015年にMotoGPクラスに復帰したアプリリアは、2019年にはF1のミナルディ、トロロッソ、フェラーリを経てフェラーリ・ドライバー・アカデミーの代表を務めたマッシモ・リボラ氏をアプリリア・レーシングCEOに起用した。エスパルガロは、ここがアプリリアにとってひとつの転換期であったと述べている。
リボラ氏は元々バイクに情熱を抱いており、以前からMotoGPのパドックには足を運んでいたという。リボラ氏はまず、MotoGPのパドック内だけではなくF1からもエンジニアを集めた。F1とMotoGP、どちらの人材とも交流があったリボラ氏だからできたことだろう。リボラ氏がスタッフのマネジメントを仕事の一部とし、それまで全てを担っていたロマーノ・アルベッシアーノ氏はマシン開発に集中できるようになった。
2022年シーズンは、2017年からアプリリアに加入し、マシンを走らせてきたエスパルガロが1勝を含む5度の3位表彰台を獲得してチャンピオン争いに加わり、ランキング4位で終えたばかりではなく、2021年シーズン中盤に加入したマーベリック・ビニャーレスが2位を1度、3位を2度獲得している。
アプリリアのコンストラクターズランキング、チームランキングはともに3位。コンストラクターズランキング6位、チームランキング9位だった2021年シーズンと比べれば、その勢いは間違いない。2023年シーズンはRNFレーシングがサテライトチームとなる。着実に前進しているアプリリアは、チャンピオンシップの中で存在感を増している。