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投稿日: 2024.07.03 18:34
更新日: 2024.07.03 18:35

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第3大会岡山 レースレポート


国内レース他 | G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第3大会岡山 レースレポート

2024 Formula Regional Japanese Championship ラウンド3 岡山大会

・ミハエル・サウター、3戦連続ポールポジション獲得、レース6とレース8で優勝
・ジェシー・レイシー、レース7でFRJ初優勝
・セバスチャン・マンソン、レース7とレース8で表彰台獲得
・レース7は、G Forceの育成メンバー3人で表彰台を独占

 6月29〜30日の週末に、岡山国際サーキットで2024 Formula Regional Japanese Championship(フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ=FRJ)のラウンド3(レース6~8の3戦)、岡山大会が開催され、『G FORCE DRIVER DEVELOPMENT PROGRAM』(ジーフォース・ドライバー・デベロプメント・プログラム)のミハエル・サウター(19歳、Birth Racing Project, G FORCE F111/3)は、3戦連続ポールポジションを獲得しレース6(岡山での1戦目)およびレース8(岡山での3戦目)で優勝、今季前半は8戦中4勝でシーズンを折り返すことになりました。

 また、鈴鹿開幕戦ではマシンの不調に泣かされ、ラウンド2のSUGO 大会でも思うような結果を出せなかったジェシー・レイシー(17歳、BIONIC JACK RACING, G FORCE F111/3)は、岡山大会に向けてシミュレーター含めしっかり準備をしてきたことが結果に結びつき、日曜日午前中に行われたレース7でFRJ初優勝を飾りました。

 岡山大会の直前は学校の試験で今大会に向けて満足のいく準備ができなかったと、4位に沈み表彰台を逃したレース6直後に肩を落としていたセバスチャン(セブ)・マンソン(16歳、BIRTH RACING PROJECT, G FORCE F111/3)も、レース7で3位、レース8で2位表彰台を獲得しました。

■監督 岡澤優のコメント

「前回のSUGOを振り返ると課題が多かったこともあり、岡山に向けては大幅にクルマのセットアップを変えたのですが、良い方向にいったという実感がありました。ドライバー3名は全員岡山で走るのは初めてで、岡山らしいコンディションの変化に翻弄され、3人それぞれのストーリーがありました」

「全6大会のうちこれで3大会が終わり、シーズンの折り返しとなりましたが、3人のレベルが上がってきているという実感があるものの、ドライビング、レースの進め方の精度、また決定力などについてまだまだ足りない部分がありますので、次のもてぎに向けて、取り組んでいきたいと思います」

■5号車ドライバー ミハエル・サウターのコメント

「3戦すべてでポールを獲得できたのは良かった。今回は予選だけでなく週末を通してペースが良く、また、ウエット、ドライ、どちらのコンディションでもクルマがとても決まっていて、初めてしっかり自分のドライビングでマネジメントできたという実感を得られた」

「レース6はスタートが良くなくて、その後P1を取り戻すまでにはコースオフしてしまったり、いろいろあったんだけど、最終的に優勝できて良かった。レース7ではスタート違反で10秒のペナルティが科されてしまい、ペースはとても良かっけど、10秒を埋めるのは無理だった。レース8ではスタートもうまくいった」

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第3大会岡山 レースレポート
ミハエル・サウター(Birth Racing Project, G FORCE F111/3)

■53号車ドライバー ジェシー・レイシーのコメント

「3ラウンド目となる岡山大会は、ほとんどがウエットだったけど金曜日のプラクティスからかなり調子が良かったんだ。FP1は2番手、FP2はトップタイムだった」

「土曜日の予選はドライだったこともあり、かなり自信をもってのぞめたんだ。Q1はポールから約0.2秒、Q2は0.15秒ないギャップで、3レースとも2番手からのスタートになった」

「レース6のスタートは最高のデキ。ミハエルに先行し、SCが入るまでトップを維持できたんだけど、リスタート後にミスをしてポジションを落としてしまった。ターン1を過ぎたところで、ここにのったら滑るってわかっていたところにのってしまって、スピン」

「レース7のスタートは全然ダメだったんだけど、クルマはかなり速くて、すぐに2番手をパスしてミハエルに追いつくまで、そんなにかからなかった。その後無線でミハエルがスタート違反で10秒のペナルティをもらったときいて、僕は10秒以内のギャップを守り切ることにしたんだ。無理にプッシュしてミスをおかしたり、コースアウトしたりしたくなかったから。レース7で初優勝できてすごく嬉しかったし、ちょっと肩の荷がおりた」

「次も勝ちたいと思っていたけど、レース8ではまたミスをしてしまった。スタートでクラッチから足が滑って、車がちょっと動いてしまったんだ。でもペースはかなり良くて、ミハエルをオーバーテイクして、彼を抑え込んでいけると思っていたんだけど、10秒のペナルティが科されて、彼とバトルする意味がなくなってしまった」

「それでもすごくペースが良かったから表彰台にはのれると思っていたんだけど、SCが出てしまって、それも叶わなかった。全体としては、とってもポジティブな週末だった。素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝」

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ジェシー・レイシー(BIONIC JACK RACING, G FORCE F111/3)

■55号車ドライバー セバスチャン・マンソンのコメント

「全体的に良い週末だったよ。チームも良い働きをしてくれて、クルマも良かった。ただ、僕自身が、6月はレース以外のことに時間を多く割かなければならない状況だったから準備が不十分で、ちょっと大変だったんだけど、岡山大会を通じて、自分のドライビングに関する弱点、そして人間としての弱さを知ることができたと思う」

「次のもてぎに向けてしっかり準備するし、とても楽しみだよ。この育成プログラムに関わっているすべての人に感謝している」

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セバスチャン・マンソン(BIRTH RACING PROJECT, G FORCE F111/3)

■チーフエンジニア 湯地浩志のコメント

「ミハエルは、予選は3つすべてポール、3レース中2勝と圧倒的な結果を残してくれました。レース7では、スタート準備操作の細かいミスで、スタート違反を取られた結果の10秒ペナルティがなければ、3連勝できたはずの週末だったので、その点、今後の課題です。レース7のスタートミス以外は、不安定なコンディションの週末をとおして、安定したドライビングをみせてくれ、彼のドライバーとしての能力を示すこともできたのではないかと思います」

「また、エンジニアリングとして、ミハエルというリファレンスがレースウイークの最初からドライブすることで、セットアップ作業の精度への寄与度も改めて実感しました。SUGOでは、学業の都合とフライトの遅れ、金曜日に1時間しか乗れなかったので。今回の2勝を加え、8レース中4勝の勝率50%となりましたが、引き続き、勝利を重ねていけるようにクルマを仕立てて、彼のパフォーマンスを支えたいと思います」

「ジェシーは、覚醒したレースウイークでした。これまでずっとデータを基に伝えてきた、オーバードライブによりラップタイムを失っている点が大幅に改善され、3レースともに予選は2番手を獲得し、ミハエルに対してのギャップも大幅に詰めることができました。レースでもミハエルより速いラップタイムで走行する局面があったほどでした」

「初めてFRJマシンに乗ったときから、車両コントロール能力が非常に高く、高いが故に、オーバードライブでクルマを振り回してラップタイムを失っているということが明白で、鈴鹿、菅生と徐々に改善してきていましたが、今回はウエット路面で走行する機会があったことも、彼のドライビングにヒントを与えてくれたのかなと思います」

「また、気持ちが前のめりな状態で運転することでネガティブな側面も出てくると認識していたので、優勝したレース7の前は、乗車前、ピットアウト時、グリッドで、合計3回、『Easy、Easy、Easy』とジェスチャーも交えながら、おまじない的な声かけをしました。本人はレース後に『全然プッシュしなかったよ』と言っていましたが、ミハエルに次ぐ2番目のベストラップを記録していました」

「セバスチャンは、SUGOのときのミハエルに似た状況で、直前まで学業が忙しく、レースに向けた準備が不十分だったと本人も言うように、走り始めが、特にウエットだったこともあり、他のふたりに対すると遅れがみてとれました。SUGOでは、ポールを獲得したように、車両への理解も深まり、ドライビングも向上していたので、今回、レースウイーク序盤の苦戦は想定外でしたが、セッションを進めるごとに調子を上げ、レース毎に、4位、3位、2位と結果も向上させました」

「また、SUGOに引き続き、彼の強みであるフィードバックにも成長を感じ、トラックコンディションが変化するなか、チームメイトと自分のクルマのリヤウイング角度の比較に対して、コメントを求めたときも、非常に的確な回答をくれ、私がミハエルとジェシーのリヤウイングの角度調整を迷っていた土曜日の朝に、予選に向けたヒントをくれました」

「エンジニアリングとしては、岡山の車速レンジに対する合わせ込みを実施し、持ち込みました。ドライバー育成と車両エンジニアリングの両立、というチャレンジの観点から、両方の向上をはっきりと感じることのできたレースウイークでしたが、さらなる向上を目指して、次戦もてぎに向けて、しっかりと準備を進めます」


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