86/BRZ第5戦:灼然の富士戦で佐々木が逆転2連勝。クラブマンの庄司は“モヒカン”回避
一方、史上最多110台のエントリーを集めたクラブマンシリーズは、この“うれしい誤算”によって予選を3組に分けることに。ただし、参戦台数の多さから予選落ちも発生する状況となった。
まず1組の予選トップは、ポイントリーダーの神谷裕幸(N中部GRGミッドレスDL 86)だったが、2組トップの庄司雄磨(OTG DL 86)のタイムが上回る。
3組トップは松原怜史(GR-G神戸垂水86 BS)ながら、庄司と神谷のタイムに勝ることはできず、その結果、庄司がポールポジションを獲得して、またグリッドは2組~1組~3組の順に並べられることとなった。
「今週ずっと調子が良くて、チームが本当にいいクルマを用意してくれたので、僕はただ走らせただけでも、うまくまとめられたと思います。自信を持って予選には挑めましたし、明日の決勝はぶっちぎります。明日は吉本さんもくるので、下手なレースはできないので!」と庄司。
庄司が語る「吉本さん」とは、師匠格の吉本大樹。その吉本は自身のSNSで「(庄司が)決勝でヘタこいたらモヒカンの刑」と投稿し、庄司にプレッシャーをかけていた。
色んな意味でポールポジション。
決勝ヘタこいたらモヒカンの刑。#86BRZ #クラブマン #OTGmotorsports #HYspeed #ドラニック #庄司雄磨 pic.twitter.com/dS7UuS21nn— Hiroki Yoshimoto (@YoshimotoHiroki) 2018年7月22日
そのプレッシャーに気圧されたか、決勝では庄司がスタートに出遅れてしまい、1コーナーでは神谷が前に出たが、すかさずコカ・コーラコーナーで抜き返してこと無きを得る。
そこから早々とスパートをかけて、オープニングラップ終了時点では、神谷にほぼ1秒の差をつけることとなった。
一方、2番手の神谷はペースが今ひとつ。2周目のコカ・コーラコーナーで水谷大介(ネッツ東京レーシング86)の先行を許した後、「水温が上がりすぎていて、なんかペースが上がらなかった」と、徐々に順位を落とすこととなる。
3周目には松原が3番手に浮上し、これに続いていたのが7番手スタートだった橋本洋平(カーウォッチ86 BS revo)だった。
猛烈な暑さもあって、全体的にタイムが落ち気味のなか、ひとりペースを保ったまま周回を重ねていたのが橋本だった。4周目には松原を抜いて、その時点で1秒半あった水谷との差を徐々に詰めていく。
そして最終ラップの1コーナーで、ついに2番手に浮上!「橋本選手が上がってきたというより、僕が落ちたという感じ」と水谷もお手上げ状態。
そんな後続の激しいバトルを尻目に、庄司はひとり逃げて今季2勝目をマーク。
「スタートは失敗しました、(エンジンの)回転が低すぎて。トップを奪われた瞬間、モヒカンが頭をよぎりました(苦笑)」と庄司。
「すぐ抜き返せたので、良かったんですが。僕が走っている間にレギュレーションが変わっていて『勝つだけじゃなく、ファステストラップも取らんとモヒカンに』って吉本さんが。取れていて良かったです」
一方、2位を得た橋本は「路面温度がすごい高いので、タイヤをいたわって走っていたのが良かったのかも。スタートも良くて、いきなり3~4台抜けたし。こんな追い上げるレースは今まで一番かも!」と満足そうに語っていた。
また、この勝利で庄司は2ポイントさながら、神谷を上回ってランキングのトップに浮上。
「次の十勝はふたつとも勝って、『タイトルほぼ決定!』ぐらいにしたい。走ったことはないんですが、オートポリスもやっぱり走ったことなかったのに、勝てたので」と庄司。有言実行なるか、大いに注目されるところだ。