更新日: 2023.10.01 14:48
B-Max Racing Team 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第5大会 レースレポート
フラガ選手3連続2位、ヴィダーレス選手初表彰台
木村選手は王座争いに踏みとどまる
B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表組田龍司)は、9月9~10日、岡山国際サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13~15戦に参戦し、イゴール・オオムラ・フラガ選手が3戦とも2位と安定した速さを見せました。
ヴィダーレス選手は第15戦で初の表彰台に上り、チャンピオン争いを繰り広げている木村偉織選手は、僅かに差を開かれてしまったものの最終大会に望みを繋ぎました。
マスタークラスは、今田信宏選手が2勝し、3年連続チャンピオンに王手をかけました。
■第13,14戦予選(9月9日(土)10時30分~11時00分)
天候:晴れ、コース:ドライ、気温:29度、路面温度:40度
週末、日本列島に台風が接近していたものの中国地方に影響はなく、予選日は好天に恵まれました。事前に行われた専有走行では、フラガ選手が好調を維持しており、期待を持って予選に臨みました。
第13戦の予選は、まず木村選手が2周のウォームアップ後にアタックしますが、タイミング悪く他車に詰まってしまい4番手。フラガ選手、ヴィダーレス選手は1周長いウォームアップからのアタックで2番手と5番手。満足できる結果ではありませんでしたが、揃って上位グリッドを獲得しました。
第14戦の予選は、フラガ選手が一発アタックを決めて見事ポールポジションを獲得。連続アタックを行った木村選手は立て続けに1分23秒台をマークしますが3番手、ヴィダーレス選手はタイムを伸ばせず8番手でした。
■第13戦決勝(9月9日(土)14時50分~25周)
天候:晴れ、コース:ドライ、気温:32度、路面温度:43度
ポールポジションの小出選手が逃げ、2番手フラガ選手、3番手野中選手、4番手木村選手、5番手ヴィダーレス選手らが追う展開となりました。
上位に順位変動はないまま迎えた11周目、木村選手にシフト系のトラブルが発生しスローダウン。木村選手はシステムをリセットしてペースを取り戻しますが、8番手まで順位を落としてしまいました。
ポイントをもぎ取ろうと諦めずに追い上げた木村選手でしたが、23周目のヘアピンで6番手のトゥルーリ選手に仕掛けた際に押し出されるかたちになり、そこでレースを終えました。
終盤になっても上位陣に変動はなく、小出選手が優勝、フラガ選手は2位、ヴィダーレス選手は4位でフィニッシュしました。
■第14戦決勝(9月10日(日)8時50分~18周)
天候:晴れ、コース:ドライ、気温:29度、路面温度:34度
暑さは変わらないもののやや過ごしやすい天候となった日曜日。初のポールポジションからスタートしたフラガ選手でしたが、好ダッシュを決めた小出選手に1コーナーで前に出られてしまいました。
後方では、7番手のトゥルーリ選手に仕掛けたヴィダーレス選手が接触されてしまい、トゥルーリ選手の車両はストップ。このアクシデントで1周目からセーフティカーランとなりました。
4周を終えてリスタートなりますが、小出、フラガ、木村選手のトップ3に変化はなく、間隔が詰まることはあったものの、入れ替わるまでには至らず、結局この順位のままチェッカーを迎えました。
レース後半、注目されたのがチャンピオン争いを繰り広げるふたり、木村選手と平良選手によるファステストラップの1ポイントを巡る攻防でした。
この勝負は、最終ラップにファステストをマークした平良選手に軍配が上がりましたが、順位変動の少ないレースのなかで大きな見せ場でした。
■第15戦決勝(9月10日(日)14時45分~18周)
天候:曇り、コース:ドライ、気温:31度、路面温度:39度
曇り空になったものの蒸し暑さの残るなかスタートを迎えました。フロントロースタートのフラガ選手は好スタートを切りますが、ポールポジションの小出選手を抜くまでには至らず、両者に野中選手、平良選手が続き、4番手スタートのヴィダーレス選手はポジションを落としてしまいます。
しかし、ヴィダーレス選手は1周目に平良選手を、2周目には野中選手をアウトウッドコーナーで立て続けにパス。3番手に浮上し、以降トップ3はそのまま周回を重ねました。
最後尾スタートとなった木村選手は7番手まで順位を上げますが、そこからのポジションアップは容易ではなく7番手をキープしてレースは進みます。
15周目に野中選手がコースオフ。セーフティカーが導入され、結局そのままレースは終了。フラガ選手は悔しさの残る3連続の2位、ヴィダーレス選手は初の表彰台を射止め、木村選手は6位で1ポイントを得ました。
今大会を終え、シリーズポイントは、平良選手92、木村選手82、今大会3連勝を飾った小出選手が76となり、チャンピオン争いは三つ巴の様相を呈してきました。
■50,51号車チーム監督 高木真一コメント
「偉織選手に関しては、Q1(第13戦予選)の重要性を意識しながら予選に臨みましたが、運悪く前車に引っかかってしまいました。アタックする際の間合いが良くなかったとしか言いようがありませんが、あれがなければフロントローはいけたはずです」
「レース1のシフトの問題も滅多に出るものではありませんが、今回に限って出てしまいましたので、これも運に見放されたのかもしれません」
「結果的に、今大会で平良選手とのポイント差を詰めるはずが、逆に開かれてしまいました。ただ、3レースともに速さはありましたので、レースをしっかり組み立てて流れを掴めれば、いけると思います。最後のもてぎは開幕大会のような結果を出すべく臨みたいと思います」
「デビッド選手は、この週末、流れは決して良くありませんでしたが、上手くアジャストして、最後は実力で3位をもぎ取りました。シリーズも終盤になってしまいましたが、ライツのレースを理解したことが結果に繋がったように感じています。この勢いで最終大会はトップ争いをしてほしいと思います」
■52号車チーム監督 松浦孝亮コメント
「今シーズンのなかで、最も速さと強さを示すことのできた週末でした。今回から新たに杉崎エンジニアにサポートとして加わってもらい、イゴールの望むクルマに仕上げることができたのが大きかったと思います。予選もあと少しで2戦ともポールを取れるところでした」
「ただ、スタートで遅れてしまうと、ライツでは抜き返すことは非常に厳しく、特にポールスタートを結果に結び付けられなかった第14戦の2位は悔しい結果でした。でも、一つずつ問題点を改善していくしかないと思っています」
「ライツでは、予選、スタート、決勝ペースと、すべてが上手くいかないと優勝できませんので、最後のもてぎラウンドではそれができるよう頑張ります」
■50号車ドライバー 木村偉織選手コメント
「専有走行からQ1でポールを取るために組み立てていきましたが、Q1が上手くいかなかったことで流れが崩れてしまったように思います」
「それでも、トラブルや接触もあったレース1と、3位になったレース2はやり切った感があります。レース3は初めての最後尾スタートということもあって、少し冷静さを欠いてしまった部分がありました」
「全体的にはレースペースも悪くありませんでしたし、速さはあったもののパズルのピースがうまくハマらなかったという感じです。その原因がどこにあったのかをしっかり分析して最終大会に生かしたいと思います」
「まだチャンピオンが決まったわけではありませんので、最終大会ではポイントを意識せず、ひとつずつ勝ち星を重ねたいと思います」
■51号車ドライバー デビッド・ヴィダーレス選手コメント
「表彰台までかなり時間がかかってしまいました。表彰台に上るのはいつも素晴らしいことですが、まだ満足はしていません。今週末は決して良い状態ではありませんでしたが、それでも、第3レースが最もチャンスがありましたので、望んだ結果を出すことができて嬉しいです」
「B-Maxをはじめサポートしてくれたすべての人、またチャンスをくれたモナコ・インクリース・マネージメントに感謝します。最終大会までには十分な時間がありますので、今回の問題点を分析、改善して、さらに強くなってレースに臨みたいと思います」
■52号車ドライバー イゴール・オオムラ・フラガ選手コメント
「今シーズンで一番良い週末でしたが、同時に一番悔しい週末でした。特にレース2は、あと少し足りずに2位となってしまい非常に悔しい結果でした」
「今シーズンはレース参戦までに多くの人に協力してもらい、シーズンが始まってからもチームにかなり無理を言ってきました。今回も強力な体制を用意してもらったにもかかわらず、その恩返しをすることができませんでした。これは最終大会で実現したいと思います」
「いろいろな改善の積み重ねが結果として出てきているので、この流れを絶やさずにさらに努力すれば結果は得られると思っています」