更新日: 2024.06.20 19:35
王者フェルスタッペンの戦い:「モントリオールの予選とレースで順調だったのは、うれしい驚き」
2024年F1第9戦カナダGPでは予選で惜しくもポールを逃したものの波乱のレースを制し、レーサーとして最高の満足感を得られたというマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレース週末を語る。
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F1カナダGPは、路面コンディションが様々に変化する実にスリリングなレースだった。そして、現ワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンの言葉を借りれば、「些細なミスが重大な結果をもたらすようなレース」でもあった。
ともあれ、マックスは一度も大きなミスを犯さず、彼のチームも同様だった。F1での通算60勝目、バーレーン、サウジアラビア、日本、中国、イモラに続く今季6勝目をあげたフェルスタッペンは、こう語っている。「チームとしての取り組みは完璧だった。僕らはひとつの手違いもなく、つねに冷静さを保っていた」
さらに言えば、これはマックスにとって過去75戦のF1レースでの50勝目であり、モントリオールでは3連勝だ。ただ、予選では「0.000秒差」でポールポジションをメルセデスのジョージ・ラッセルにさらわれた。両者は1000分の1秒台まで同じタイムを叩き出したが、先にそのタイムを記録していたラッセルにポールが与えられたのだ。
きわめて不安定なコンディションでのレースについて、フェルスタッペンは述べた。「まさに全力での戦いを強いられた。ピットストップのタイミングは完璧で、マイアミではセーフティカーに関してアンラッキーだったけど、今回は僕らの方がツイていた。運に関することは、年間を通じて見れば、結局は差し引きゼロになると思っている」
だが、コックピットの中では、すべて順調というわけではなかった。マックスはレースを戦いながら、彼のクルマのライド(路面追従性)がいかにひどいかを訴え続けていた。フィニッシュ後にフェルスタッペンは語っている。「基本的な問題はまだ解決されていない。だけど、セットアップをさらに詰めていくことで、最終的にはこのクルマの長所を損なわずに、難点を取り除けるはずだから心配はしていない」
「モンテカルロとモントリオールでは、縁石を積極的に使って走れるようなクルマが必要だ。そして、誰もが知っているように、僕らのクルマの短所はそこにある。縁石を使うことがそれほど重要ではないサーキットでの戦いを、楽しみにして待つしかないね」