更新日: 2016.04.19 03:17
GP topic:ヒュルケンベルグのスロー走行に与えられた、ペナルティポイント「2」
中国GPのレース直後に話題を呼んだ、セバスチャン・ベッテルとダニール・クビアトの論戦。ベッテルはクビアトの走りを非難したが、クビアトにペナルティは出なかった。その後、フェラーリが開いた定例の記者会見でマウリツィオ・アリバベーネ代表は「我々にとって理想的だったとはいえないが、あれはレーシングアクシデントだったと思う。責任を誰かひとりになすりつけるのは間違っている。クビアトは彼のレースをしていた。高速で進入してきたことは間違いないけどね。でも、セブ(ベッテル)とキミも彼のポジションにいたら同じことをしたと思う」と語り、騒動が大きくなる気配はない。
実は、クビアトよりも多くのドライバーから非難を受けていたのがニコ・ヒュルケンベルグだった。予選Q2ではタイヤが脱落したことによって、多くのドライバーのアタックを妨害する結果となったが、これはドライバーに責任はない。問題となったのは、決勝でセーフティカー導入時のピットロードでスロー走行したことである。
4周目にセーフティカーが導入されると、スーパーソフトを履いていた上位陣がクビアト、セルジオ・ペレス、ヒュルケンベルグ、カルロス・サインツJr.、ベッテル、ジェンソン・バトン、バルテリ・ボッタス、マックス・フェルスタッペンの順でピットロードへ向かった。このときピットロードでヒュルケンベルグが、かなり遅い速度で走行していたため、直後のサインツJr.とベッテルまでが数珠つなぎとなり、左へ曲がった直後にベッテルが2台まとめてオーバーテイクした。
ピットレーン区間内には制限速度が設けられているが、本コースからピットレーンまでの間のピットロードに制限速度はないため、前車が遅い場合は加速してオーバーテイクすることも可能である。ただし制限速度が設けられてないからといって、不必要にスローダウンすることは認められていない。
発端となったのは2000年代の中盤、同じチームのマシンが2台立て続けにピットインする場合に、あとからピットに向かうマシンが故意にピットロードをスロー走行することで、先にピットインしたチームメイトのマシンを逃がし、自分もチームメイトがピット作業を終えてからピットに入ることで、ロスタイムを最小限にとどめて、チームメイトに続いてコースへ復帰するという「チームプレー」が数多く見られたためだ。