投稿日: 2024.11.13 20:04
更新日: 2024.11.13 20:14
更新日: 2024.11.13 20:14
パドック裏話:時にはカメラの前で演技も求められるF1チーム代表の苦労
Chris Medland
Translation:Kenji Mizugaki
F1チームの一員として働いていると、シーズン中にはひと息入れる時間さえ満足に取ることができない。さらにビッグネームと称されるような人物にもなれば、時間を割かねばならない用事が次から次へと舞い込んでくる。彼らが忙しくなる第一の原因は、やはりシーズンを構成するレース数の多さにある。しかも年間24戦のひとつひとつが巨大なイベントであり、多くの場合、F1がその国を訪れるのは年に一度きりなのだ。
なかには毎年複数のレースを迎えられる幸運な国もあるが、そうした国でもひとつのイベントの規模はとても大きい。その最も顕著な例がアメリカ合衆国だ。マイアミはシーズン序盤の開催ということもあって毎回大いに注目を集めるし、オースティンは観客数と併催の音楽イベントの豪華さという点で、カレンダー上でも最大規模のレースのひとつと言える。そして、アメリカでの第三のレースが開かれるのが、他でもないあのラスベガスだ。
昨年のラスベガスGPは、おそらく23年シーズン最大のイベントだった。グランプリの週末はラスベガス市に多大な経済効果をもたらし、昨年11月は同市の統計史上、最も多くの利益を上げた月のひとつになったという。F1が自らこのレースのプロモーターを務め、莫大な規模の宣伝とスペシャルイベントの大盤振る舞いをしたことが、その理由の一部となったのは間違いない。